FC町田ゼルビア2023シーズン前期振り返り
久しぶりになってしまいましたねー。
4月から就職し、振り返りに時間を割くよりも、心身の回復に時間を割いてました。大事。
でも、日帰りでアウェイに遠征したりサポーターとしての活動も充実しております。チームの成績が良いこともあり、今年は特に夢を追っかけてる感が強い。18年シーズン以来のこの感覚。
ということで、前半戦を折り返しての振り返りですー。
今のチームの強み
今年のチームの強みはエリキとデュークの2人の破壊力と、堅守。
このツートップにはかなりの金額をかけているけれども、今のところはこの投資は成功と言えそう。
2人だけで攻撃を完結することもできるし、2人の高さとスピードは確実に相手の脅威になっている。
数字だけで言えば、エリキは11得点5アシスト(22節終了時点)と、とんでもない結果を出している。
攻撃面だけではなく、2人の守備の局面での貢献度の高さは日本人選手に劣らないどころか、勝っているかもしれない。
黒田監督が2人を集めて映像を見せながら個別に指導を行っているというから、これもすごい。
そしてもう1つが堅守。
リーグ最少の13失点(22節終了時点)で、30失点以内に抑えるというシーズン当初の目標達成に向けて順調である。
複数失点もA徳島戦(1-2)のみで、大崩れすることがないというのも特徴である。
守備の原理原則に基づいた守り方をキャンプからチームに浸透させ、CBには高さのある選手を置き、シュートブロックは逃げない、へそをボールに向けるなどの守り方はチームに浸透しつつある。
ただ、試合がオープンになるにつれ、事前に決められた立ち位置に戻れなくなったり、あと1メートルが詰められなくなったりして、失点することも少なくない。
実際のところ、後半30分以降の失点はそこそこあるはず(調べるのめんどくさい…)。
開幕からスタメンで出場を続けるGKのポープウィリアムの昨シーズンからの成長もここで触れておきたい。
A大宮戦のPKセーブ以外にも、勝ち点を拾う、勝ちを引き寄せるようなセーブが今シーズンは本当に多い。
マネジメント
今シーズンのここまでの成功の要因の1つにマネジメントがあげられる。
特に黒田監督のマネジメントについては、スポーツメディアだけでなく、様々な媒体に取り上げられている。
もちろん、前途のように選手たちに染み付いた守備の悪い癖を矯正し、「1-0での勝利が美しい」という勝利の方程式をチームに浸透させていることは素晴らしい。
ただ、元青森山田高校の監督という肩書と現時点でのゼルビアの結果ありきで、多くが語られているので、反応が難しいところも正直ある。シーズン終わるまで成功だったかどうかは判断できない。でも今のところは成功といえそう。
また、プロ相手にも黒田監督のマネジメント論、マネジメントの仕方が通用しているということは、黒田監督自身の今後のキャリア的にもポジティブなのではないだろうか。
そして、今シーズンのゼルビアのマネジメント層には、もう一人素晴らしい働きを見せている人物がいる。
それは原靖フットボールダイレクターである。
シーズン前の的確な補強と、それを実現させた交渉力だけでなく、長期の負傷離脱者が出ると、即補強を行っている、この行動力は今までのゼルビアにはなかった。
藤尾翔太は完全にチームにフィットしているとは言い難い(むしろチームが彼の強みに合わせた方が良い気もする)が、川崎Fから加入した松井蓮之は、確実に序列を上げており、このまま行くとリーグ戦のスタメンに抜擢される日も遠くないように思える。
チームの補強ポイントに合致した選手を確実に連れてきているという点では、前半戦の影のMVPは原FDも十分候補に入る。
後半戦に向けて
やはり一番の課題は、自陣に引いた相手をどうやって崩し、どうやって点を取るかである。
前半戦、また22節の水戸戦を終えて、ゼルビアが負け、もしくは引き分けた相手の多くが3バック(5バック)を採用していた。
ちなみに、仙台、徳島、栃木、水戸がそれに該当する(岡山も可変で4→3バックやってたし、甲府も3バックとして振る舞えるチーム)。
今シーズンのゼルビアの特徴は前線のスピードを活かしたカウンターや、サイドの「槍」と評されるアタッカーによるサイド突破などが主である。
つまり、相手のブロックの周りで空いているスペースを突く形が多い。
ただ、3バックの相手には、背後のスペース、サイドのスペースがともに既に埋められたような状態で、ゼルビアはボールを持たされたような状況になり、攻め手に欠けることが少なくない。
かろうじて、エリキの個人技で点を取ることができてはいるが、最終盤に向けて、残留を争うチームは勝ち点1でも良いと割り切ったサッカーをしてくるし、対ゼルビア対策として3バックの採用や、ボールをあえて持たせてくることもあるだろう。
私の個人的な考えでは、フットボールの面では黒田監督の引き出しにはもう何も残っていない気がするので、引いた相手をどう崩すかを仕込むのは、金明輝ヘッドコーチをはじめとするコーチ陣だと思うので、期待してます。
ただ、S級ライセンスの講習で平日にいないこともあって、厳しい。
また、黒田監督の得意とする守備面でも改善が必要なところがある。
それが、ファーサイドに相手選手が1人余っていて、その選手を使われて失点するというシーンが何度かあることである。
印象的なのが、A甲府戦やA徳島戦での失点であるが、私が覚えていないだけで他にもあるかもしれない。
さらに、徳島戦はこちら側が1人少ない状況も考慮しなければならないだろうが、数的同数の時間から似たような崩され方をしていたと思う。
ただ、シュートブロックが守備の生命線であるため、どうしてもボールサイドに選手が寄ってしまうのは仕方ない。
だが、シーズン当初の発言を思い返せば、もっとSHの選手にハードワークを求め、早い時間に交代でフレッシュな選手を投入しても良いように思える。夏場は特に。
また、秋田やいわき、栃木といったゼルビアと同等、もしくはそれ以上にフィジカルや守備力を前面に押し出したサッカーをしてくるチームに苦戦をしているのも苦しい。
やはり、今シーズンのゼルビアの生命線はCBが空中戦で有意に立てるかどうかであるような気がする。ただ、現在は守備の要として期待された池田樹雷人がケガで離脱中のため、どうしてもサイズ的に不利に回ることもある。
競り合いのところで工夫も見られるが、ナチュラルな身長差はやはり重要である。
池田に時間をかけて万全の状態で復帰してもらうためにも、今のチャンミンギュ、藤原優大の2人に更なる成長とカルロスグティエレスの突き上げが求められる。
さいごに
ということで、ざっくり前半を振り返ってみました。
清水戦のあの勝ち方みたら今シーズンのゼルビアには期待せずにはいられないけれども、このまま首位の座を守り切れるほど甘いリーグでないことも理解してるからこそ、さらなる成長を求めたい。
まだ、このチームが完成したなど誰一人思っていないだろうし、最後の最後まで成長と高みを求めたいなと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。
百戦百打一瞬之心!!
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