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広告モデルに代わる手段としてのファンコミュニティの可能性

広告モデルに代わる手段としてファンコミュニティを通じてマネタイズする

一言でいえばそういうことなんだと解釈しました。

「それでもメディアは面白い」というVoicyの番組で「Voicyファンフェスタ」への登壇を通じて今後のVoicyの方向性について赤メガネさんとコムギさんが考察されていたのですが、これが妄想とは思えないレベルに鋭く、かつ、Voicy以外の企業にも当てはまる示唆が多かったので自分なりにまとめてみることにしました。

私も参加しましたが、Voicyファンフェスタはパーソナリティと客席をきっちり分けていて、特に懇親会のような形での交流もありませんでした。
そしてパーソナリティへのおもてなしがすごかったと振り返っています。

このあたりから赤メガネさんはUGC(UserGenerated Contents)をやるつもりがなくPGC(ProfessionallyGenerated Contents)を目指しているのではないかと推測。
ただ、そうは言ってもアメブロのようにコストをかけて芸能人を使うわけではなく、Voicyならではのインフルエンサー(パーソナリティ)を育て、そのインフルエンサーのファンコミュニティを形成し、このコミュニティに課金していくのではないか、というところまで妄想は発展しました。

だからまずはパーソナリティを大事にし、ある側面ではパーソナリティフェスタであったと。確かにVoicyファンフェスタに出演されたパーソナリティの方は「楽屋」がかなり楽しかったようですし、実際番組単位のオンラインサロンは生まれているので、あながち外れてない気がします。

そして、その成功例を作ってtoB向けにファンクラブコミュニティが必要な企業(スポーツ系の企業とか)に法人向けのビジネスを展開するのではないか、ということでした。

確かにVoicyは今のところ多くのメディア企業が取り入れてる広告モデルでマネタイズするような気配はあまり見えないですし、また、何年も前から流行しているオウンドメディアビジネスも手間暇の割にペイしないと疲弊する企業も多く、そこに代わる手段としての「音声メディア」というのは可能性ある気がします。
音声はテキストと違って感情を乗せやすいので発信者の感情が伝わりやすく関係性を構築しやすいんですよね。

特にマーケティング業界ではここ数年で急に「マーケティングオートメーション」がバズワードになり「マーケティング」やらなきゃ、という企業がどんどん増えていますが、その際にリードナーチャリング(見込み顧客育成=顧客との関係性構築)の一環として出てくるのが「コンテンツ=オウンドメディア」構築。そしてコンテンツマーケティング。
でも、コンテンツをうまく作れる企業ってまだまだあまりないので苦戦しているケースが多いのが現状。(BtoBは特に)

そこに音声メディアが入ってきたらちょっと面白いかもと思いました。ちょっとハードル高そうですが、チャレンジする企業が増えたら面白い。インターナルマーケティングにも向いてるかもしれません。(こっちの方がハードル低そう)

「企業のメディア化」が必須になると言われて久しいですが、今後、音声メディアがどう関係してくるのか楽しみです。

ECサイトレビュー、破綻してますやん問題


というようなことをつらつらと考えていたらVoicyで朝倉祐介さんが放送している番組でもUGCが話題で出てきたので、こちらも合わせてまとめたいと思います。

ECサイトにレビュー機能がついてから早10数年。
当初は先に購入した人があとから購入する人にために参考になるために、ということが目的の一つだったのではないかと思いますが、現状はノイズが多すぎて信用できなくなっていてサービス価値を下げている、という朝倉さんのお話。

なぜそうなっているのかというと、(某外資系巨大ECサイトの場合)カントリーマネージャーがとにかくトップラインを延ばすことだけを考えていて、本来除外すべきノイズも売り上げに貢献するならそのまま見逃してしまう、というような組織内の内情があるのではないか、ということでした。

要は売り上げさえ良ければ精神でサービスのクオリティが後回しになっているということですね。

さらに問いかけは続きます。

Web2.0の文脈で「群衆の智」ということがもてはやされたことがあったけど現実を見るにどうなのか?

UGC的なサービスはユーザー数が増えれば増えるほど良くなる、と言われていたけれどもユーザーが増えすぎるとクオリティの面では崩壊してしまう一面があるというご意見。
それは評価する人のレベルの担保の問題や、そこを狙う業者の台頭、などいろいろな理由がありますが、それらを間引くのはサービス提供者側の責任であるはずが、そこには組織力学が働いているのではないか、という朝倉さんのお話でした。

UGCの規模(数)とクオリティってバーターなのか、数が増えた時のクオリティの保ち方はどうすれば良いのだろう、とか個人的には色々興味が湧いてきました。

たまたま同じ日に両番組を聞いたのですが、インターネット時代の企業とサービスと顧客とのあるべき関係性について改めて考えさせられる面白い放送でした。

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