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お前に明日は来ない

好きなドラマに「JOKER 許されざる捜査官」があります。
2010年放送のドラマで「リーガル・ハイ」より少し前のドラマです。

主人公・伊達さん(堺雅人さん)は、いつも柔和な笑顔、柔らかい物腰、人当たりもよく、犯人の説得でさえいつもおっかなびっくりで、お粗相までしたこともあり「仏の伊達さん」で通っている、少々、気の弱い刑事さんです。

そして日本という国は、法で裁けない犯罪者もいます。基本、日本は加害者に甘く、被害者に冷たい国なので、加害者は法のもと守られ、被害者は悔しい思いを抱えて生きよ、そういう国です。
いくら被害者が傷つき、悲しんでも、仕返しはご法度の国なので、被害者は忸怩たる思いを抱えて一生を生きなければならないのです。日本はそういう国です。

加害者はそうやってのうのうと生き、今もどこかで苦しみ、傷ついている被害者がいます。そこで黙っていないのが伊達さんです。

仏の伊達さんは、一転して、加害者に制裁を加える立場になります。傷ついた被害者になり代わり「お前に明日は来ない」という台詞とともに、加害者の息の根を止めて毎回終わります。

ドラマは毎回、一話完結型ですが、どの回を見ても、生かしておいてもろくなことにならないのが明白な、いかにも悪く、反省の色など1ミリもなく、罪悪感など当然持ち合わせておらず、言わば人間のクズという表現がぴったりの犯罪者ばかりでした。伊達さんは上辺はにこやかな人ですが、加害者に内心、激しい憎悪を持ち、必ず制裁を加えます。それが伊達さんなりの正義です。

かと言ってやはり、伊達さんのやってることも正しいかと言ったらそうでもないので、この辺が少々考えさせられるところではあります。

テーマが若干重いので、終始「リーガル・ハイ」のように笑って楽しめるかといったら否です。エンタメ性も「リーガル・ハイ」のようにはありません。従って、笑いたい、楽しみたいという方にはお勧めできません。

ただやはり、主演が堺雅人さんですし、演技力も素晴らしいので、見ればやはり物語として楽しめます。重いテーマでも良いというお方は、見てみるのも良いと思います。


お前に明日は来ない





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