僕たちにもう物は必要ない妹

育児や離婚に精神的に参ってしまった妹はなんだかんだで

一人暮らしをし始めた、数か月を過ぎ落ち着いて来たであろう頃

3歳になる娘を一人連れ電話をとらない妹のアパートまでやって来た

確か2階であってるはずだけど、、、薄暗い廊下で通話に出ない

着信音がこだまする、3歳の娘がなんだか怖いと奥の玄関先を見つめる、

たぶんここかもと何度かノックした、しばらくしても出てこないので帰ろうととしたところ寝ぼけ眼の妹が出てきた、昼の2時とは思えない

ここだけ深夜臭がした。

部屋に入ると蛍光灯一つに奥の脱水場らしき部屋からかすかな外の木漏れ日が

お昼頃で間違いないのだと認識させる。

しかし住み始めて半年くらいするはずなのに

テレビも冷蔵庫もテーブルもない

あるのは布団一式にカセットテープのラジオ、描きかけのお釈迦様に

4,5冊並ぶ本の中に儀保愛子という著者名が見えた

現在2016年、目を疑う、昭和、ここには昭和がある

儀保愛子でピンとこない方は小田無道とか霊能力者が

妙にマスコミめいてたあの頃を思い出してほしい、

これでもギリの20代の娘の部屋ある、もう女子と呼ぶにはおこがましすぎるが

女としてどうだろう、いくら断捨離やミニマリストがもてはやされてる

中これはないだろう、私がこんまりなら一つ一つの

本をとり妹を目の前にくよくよしない生き方、すべては小さな事などを手に取り「この本は持っていてときめきますか?」問いただしたい

思わず写メって妹の友人にLINEしたところ修行部屋かって突っ込みがきた

まだ持っていますかその写真、私はもう消えてしまった

せめてTwitterであげておけばよかった、ネタの一つとして成仏させたい。

そんな妹だがこの間、急に鬼が描きたくなって会心の出来だ、着色して早く完成させなければと生き揚々としてたらキッチンに下げていたフライパンが落ちて来た衝撃音にびびってしばらく布団にもぐりこんで震えていたとか抜かしてたので個人的にめっちゃ笑えた。不憫な、、、。

部屋に盛っていたぬか味噌が壁にバーシャーンってとびっちったのも妹の恐怖をあおったという、なぜ味噌を盛るんだ、普通塩だろが、塩

そしてある時は部屋を豆電球一つにしいろいろ一人で考えていたいたところ

部屋の外からガーシャーンガラガラガラとシャーッターの開く音が、聞こえてきたそうだ、当たり前だここは市場のど真ん中なのだ、その瞬間、妹の脳内ではそのシャッターが開いたと同時に軍隊が乗り込んできて外からの爆撃で頭がいっぱいで爆弾まで振って来るイメージが湧いてきて

近くに住んでいる父の事が気になり朝方の市場をかけぬけるのだ

血相を変え息切れしてたところ

父にまたアホな事考えていたんだろうと言われたらしい

お見通しだ


レレレレノレ、レレレノレの人みたいと思いながら

生ぬるい目で見守っていこうと思う。







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