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映画【ジョーカー】これが本物のジョーカーだ!!、


私たちといちばん近くて、いちばん遠い人


映画【ジョーカー】

今年いちばんの衝撃作と言われている
映画【ジョーカー】

軽い気持ちで観に行ったら完全頭を殺られるし、しっかり心構えをしていたとしても無駄です、殺られます。

もう、
こんな映画が世の中に放たれていることに大拍手&大拍手。
観終わっても、魔力で身体を固められたよう続く呪縛。感情のキャパオーバー、帰り道の行動が無駄にキョどる。



《HOW TO MOVIE》

我らがDCコミックスの
魅惑的なヒーロー『バットマン』
その宿敵であるキャラクター
ジョーカー」にフィーチャーした物語。

ん…?
今までも何回かジョーカー絡みの映画いっぱいあるくない?と思った人もちらほらいるかと。

今までには

1989年
映画「バットマン」
(演:ジャック・ニコルソン)
2008年
映画「ダークナイト」
(演:ヒース・レジャー)
2016年
映画「スーサイド・スクワッド」
(演:ジャレッド・レト)

と三作それぞれ、
いろんなジョーカー像が描かれています。

ジョーカーは
ほんとうに難しいキャラクターでして。
なんかもう、人としてどこかぶっとんでる部分を持っている俳優じゃないと演じきれない、そんな難しい役どころなのですよ。
並大抵の人間はジョーカーを演じられません。YES

それを今回、演技派として知られる
ホアキン・フェニックス(「グラディエーター」「her/世界でひとつの彼女」)がジョーカー役に大抜擢!!


それでも私、公開発表があったときは
「ヒース・レジャー超えられるジョーカーなんか…いねえべ…」
と圧倒的ダークナイト支持者だったのですが(一途)

今回の【ジョーカー】で完全に
ホアキン・フェニックス派に…(ちょろい)


そのぐらい、彼の演じるジョーカーは
今までにない狂気と魅力を秘めていて
それでいて私たちの近くに感じられる存在だった。


さて、今日はジョーカー讃え祭りじゃ!!!
どんどんこの映画の魅力をご紹介していきます!

STORY:ピエロの道化師として働くアーサー(ホアキン・フェニックス)は笑いだすと止まらなくなってしまう頭と神経の障害を持っている。障害のせいで周りからは白い目で見られ、馬鹿にされる毎日。そんなある日、同僚から渡された拳銃をきっかけに、彼のなかにある理性が壊れてゆき…

貧困、障害、孤独…
社会から完全に除け者にされるアーサー。

「弱者」とされてきたアーサーが
拳銃というひとつの武器を手に入れたことによって、彼のなかの理性という針が振り切れてしまう…

そうして最恐の悪役「ジョーカー」が爆誕…
おめでとうな…


そもそもこの映画って
『ジョーカーはなぜ誕生したのか?』
というお話なんですけど。

ジョーカーを生み出したのは
紛れもなく、社会なんです。

これはどの映画評でも結構言われていますが、
社会から弱者への圧力や富裕層ばかり優遇される仕組み。

社会の底辺にいるアーサーにとって
最大の宿敵は「社会」


私たちでさえも
「こんな社会なんてくそくらえー!!」
なんて叫んじゃうときがあるのに

アーサーの社会への憎しみと恨みとは
比べものにならないですね。ごめんなさい。


◇映像から哀しみがそのまんま、伝染

ずっと、「弱者」というレッテルを貼られて
人に馬鹿にされて生きてきたアーサー。

彼の持っている自分自身のコンプレックスや
やることすべてが上手くいかない苛立ち。
これらはいつしか、
海よりも深い哀しみに変わりアーサーをむしばんでいきます。


冒頭のシーンで
ピエロのメイクをしながら涙を流し、
目元のメイクが青黒く滲んでゆくというカットがあるのですが…

同情とかではなくて、もう、ほんとうに。
そのままアーサーの深い哀しみが身体に移ってくるんですよ。

映画がはじまって3分もしないうちに、
こんなにも人の哀しみがそっくりそのまま移ってくる感覚には、すごく驚いた。
それって、
私たちも何かに除け者にされた経験が、
どこかであるからこそなんだろうなあって。


アーサーが
笑い続けているシーンも
瞳はまったく笑っていなくて。

一見、
大声で楽しそうに笑っているように見えるのに、瞳の奥は一切笑っていない。むしろ大声で泣いているように見えるのです。

笑顔という仮面に隠された彼の泣き顔は
ピエロという仮面によって封じ込められて

「アーサー」は「ジョーカー」になり
もう、後戻りができなくなっていたのです。


◇かなり根に持つタイプ!ジョーカーの魅力とは、

弱者だったアーサーがひとつの拳銃をきっかけに
自分のなかの理性がぶっ壊れて「ジョーカー」に変身。

厳密にいうと、
みなさまお馴染みのこの完成系

これ↑

になる前の普通の格好しているアーサーも
拳銃を手に入れた瞬間から、人を殺めてしまった瞬間からもうジョーカーだったのです。

そんな、ジョーカーさん
自分を今まで馬鹿にしてきた奴らをターゲットにして恨みを晴らしてゆきます。もう、完全に復讐。めっちゃ根に持ってる!

そのなかでもピエロの仕事仲間で
小人症だったゲイリーはアーサーに優しかったという理由で攻撃しなかったり。無差別じゃない、そういうとこ理にかなっててすき!


なので、ジョーカーになってからは
いままで自分を馬鹿にしてきた人間たちに復讐していくんですよね。

物語に出てくる悪者って、わりと無差別に人々を傷つけるじゃないですか。
そこらへんジョーカーってちゃんと攻撃する相手を分けている。
だから、貧困層やアーサーと同じ境遇だった社会に不満を持っている人間たちの神になる。崇拝される存在。

でもやることめちゃくちゃ残虐極まりなくて、

拳銃すぐぶっ放すし、コミックスやアニメのジョーカーとかは人の顔の皮剥いだりとか、毒入りの綿あめこどもに食べさせたりとか、やること尋常じゃなくて怖い。自分自身も顔の皮剥がされて喜んだりしてる。変態。
ヴォルデモートが可愛く思える、杖振ってるだけだし。

なので、ジョーカーやることなすこと
ぶっ飛んでるし、鬼畜だし、気持ち悪いんですけど

そのなかに独特の色っぽさがあるんですよね。


これは私の考察ですが、
凶悪犯罪者とかどこかネジが外れているひとって
どこか色っぽい。

人を殺めた瞳はどこかうつろで
そこに危なさと知らない血が通っている。

近づいてはいけないのに、
なんだか触れたく、知りたくなるあの感じは
凶悪者がもつ独特の色っぽさのせいなんだろうなって。


ジョーカーは他にいる悪者のなかでも
特に色っぽさがあって。それは、ジョーカーが人間からいちばん近い怪物だからだと思うのです。ハーレイクインの気持ちがようわかる…(ハーレイの映画公開たのしみ〜!)


私たちが知っている痛みをいちばんに感じていて、私たちが決して踏み出せない境界線を越えたジョーカー


いちばん近くて、いちばん遠い存在。
それがジョーカーの魅力なのだと思います。


◇あなたが本物のジョーカーです、ホアキン。


もう…
アカデミー賞主演男優賞確実なんです…

この演技でとれなかったらアカデミー会員の陰謀としか思えない…

レオ様をずっと取らせなかった過去を忘れてないからな!!!!


…はい、取り乱しました。

ええ、もう、ホアキン優勝です。
彼の演技に勝るものありません。

時代をあげる。世界中のお花をあなたにあげる。


ほうとうに、そのぐらい
何も非の打ち所がなかった。

冒頭シーン〜最後まで。
ずっと、ホアキンの演技に感服状態。


最初の方にも書いたように、
ジョーカーはとても難しいキャラクター。

そもそも体の芯からぶっ壊れないといけない。
感情をバグらせなければいけない。

そういう演技って、
すごくエネルギーを使うし集中力も使う。

たぶん頭で考えることを根本的に辞めなければいけない、そんな演技じゃなければあのジョーカーというキャラクターを演じられないのだと思うんですよ。


しかし、ホアキンは、すごかった。

私たちが求めていたジョーカー像をそのまま体現していて。


アーサーとしての
やりきれない哀しみや悔しさを
ひとつひとつ丁寧にすくい上げる演技をしていたし

ジョーカーとしての
振り切った理性や誰にも止められない感情の高ぶりを
妖艶かつゴージャスに、そして豪快に演じていたし


「え…?
最高すぎですよね…???」

と演技が素晴らしすぎてバグを起こします。


身体から漂うみすぼらしさや
垣間みえる狂気を作り出せる俳優は彼だけじゃないだろうか。


この作品でホアキンはかなりの減量をして撮影に挑んだみたいですが、最初はそんなに痩せる気はなかったらしいです。(笑)
それでも監督にお願いされて、減量を成功させたそうです。

貧困層の人間を演じるにあたって、ほっそりとした痩せた身体はアーサーの人物像にぴったりと当てはまるビジュアルだった。
劇中では、やせ細った身体でのそのそと猫背で不気味に歩くアーサーの姿が収められています。

そのジョーカーのひとつひとつの立ち振る舞いって
すごく印象に残るもので、

ガニ股で足を大きく上げて走る姿だったり
ぬっとりとしたダンスだったり
天を仰ぐように上を向く姿だったり

すべてが「ジョーカー」そのもの。

まるでジョーカーがホアキンに憑依したかのようだった。


そのぐらい、ホアキン・フェニックスの演技は素晴らしいとしか言いようのないもので。ずっと、ずっと、スクリーンに映し出された彼の姿に見入っていました。



キャストはほかにも
ロバート・デニーロおいたんが出演されていたり

最近ハイテンションな汚いおじいちゃん役とかしてたね…


「ダークナイトライジング」にも出演してる
ブレット・カレンが出演していたり。

いつも嫌〜な奴演じているイメージだ


監督は「ハングオーバー!」シリーズの
トッド・フィリップス。

この監督、作品が基本

「ハチャメチャ!笑える!下ネタ!笑!」

みたいなテイストのコメディ映画撮っている監督さんなんですけど、まさかまさかで今作は真逆のテイストの映画をお撮りになられています。

監督の振り幅にびっくり。
でも、全体の雰囲気だったり
ジョーカーの映し方や描き方

ぜんぶ素敵でぴったりハマっていて。
この作品を皮切りに、もっとこういうブラックテイストな映画も撮って欲しいなと感じました。こんな振り幅だせるってやっぱり監督の力は素晴らしいですね。






ジョーカー、映画感想

感情が高ぶりすぎてかなり情報詰め込み過ぎてしまいましたが、いかがでしたでしょうか?


いろんな場所で評価されているこの作品、
「ジョーカー」というキャラクターの真髄を描いた素晴らしい映画だと思うので、是非一度映画館に足を運んで大画面のスクリーンで衝撃を体感して欲しいです。IMAXがおすすめです、ほんとに最高なので。


私は頭をもう一度混乱させるために
劇場へ観にいきます。またレイトショーで観に行きます。




彼の哀しみと怒りは誰にも理解できないし、
理解できなくていいね!


最高でした、ではまた









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