映画【アイ、トーニャ 史上最強のスキャンダル】タフでクレイジーな人間は最高だ、


タフでクレイジーな女性は最高だ、とても。



【アイ、トーニャ 史上最強のスキャンダル】(2017)



アメリカ人女性初のトリプルアクセルを成功させた伝説のフィギュアスケーター、

トーニャ・ハーディング

圧倒的な実力と強気で負けず嫌いな性格で
一躍有名になった彼女の波乱万丈すぎる半生を描いた作品。


DC「スーサイド・スクワッド」の
ハーレイ・クイーン役で知られる

マーゴット・ロビー
主演、プロデューサーを務め

ドラマの祭典であるエミー賞で
7度受賞経験のある実力派女優、
アリソン・ジャネイがトーニャの鬼母を快演し『ゴールデングローブ賞』にて助演女優賞を受賞しております。



STORY幼い頃からフィギュアスケート選手を目指して育てられたトーニャ・ハーディング(マーゴット・ロビー)は、どの選手にも負けない勢いとレベルの高いスケートを披露する選手になっていた。1994年、リレハンメルオリンピックの出場権をかけた全米選手権の会場にてトーニャのライバルであるナンシー・ケリガンが何者かによって襲撃され負傷し、出場棄権となる事件が起きる。その事件を突き詰めて行くと、首謀者がトーニャの元夫であることが判明。トーニャも事件に関わっているのではと疑惑の目が降りかかり…



まさに、
天国から地獄へ。

トーニャ自身が招いてしまった不幸や
まわりの人間のせいで堕ちてゆく彼女の気の毒とも思える波乱万丈な半生をものすごい勢いで見せられる映画。



映画は
事件から時間が経った
現在のトーニャ、元夫、母親、関係者による
事件を回顧するインタビューシーンからはじまる。


インタビューシーンで語るトーニャの姿は
まるで事件について反省をしていないかのような、あっけらかんとした話し口調とラフさが伺える。
それは、元夫や母親の語りも同様に。


この冒頭シーンでまず、

「あっ、

この映画は滅茶苦茶おもろいやつだ」

と確約された謎の安心感とわくわくさを感じられるんですね。

インタビューシーンが終わると

幼い頃のトーニャから
一流選手になるまでの成長過程がみれる。

この成長過程には
スケートを通して、描かれる母親との確執と
後に事件の首謀者となる元夫のジェフとの出会いなどが描かれているのですが

もう、とにかく、

バイオレンス。(笑えるやつ)


鬼母と称される母親との喧嘩シーンでは
互いにキッチンで物を投げつけあっており、
母親が投げたナイフがトーニャの腕に刺さるシーンがあったり。(痛い)


元夫・ジェフとの喧嘩シーンでは
家を出て行くトーニャに向かってジェフが銃弾を放ったり。(危ない)



とにかく、
映画に出てくる登場人物みんなクレイジーで
気性荒い。一旦落ち着いてほしい。



主人公トーニャ自身も
スケートの審査員にめちゃくちゃ楯突いたり
暴言吐いたり。

そんな審査員も負けずにやな奴らで
トーニャの手作りのピンクの衣装に文句つけたり。

好きな服着せたれ


平和なシーンが一切ないです。
観ていると「もっとやっちまえ!」的な
思考になってくる。催眠効果。


そして
物語の主軸となってくる
「ナンシー・ケリガン襲撃事件」

実際にあったお話で、
首謀者は元夫のジェフとその友人なのに対し
世間はトーニャを最終的にとことん批判する。

トーニャが事件に一切関わっていないとは言いにくいのですが、彼女自身、ライバルを蹴落とす考えというよりは自らの実力で勝とうとするスポーツマンシップに則った人間なんですよね。


ただ、試合での審査員への態度だったり
すぐ感情的になってしまう性格。
ナンシーとライバル関係だと世間的にも認識されているトーニャの立場というのは

必然的に批判の対象になってゆく。



噂が真実とは異なっていても批判されてしまう
立場や世界。

''表に出る人間は注目を浴びるものだから叩かれて当然''

なんておかしな理屈は、
いつから生まれたのだろう?

立場とか、
距離とか、
そういうのは関係なしに

ひとりの人間である。


事情をよく知らないまま上部だけで
不透明で嘘が混じり合った噂だけで

批判の声を本人にぶつけるのはおかしいのではないだろうか?



そんな、
昔も今も変わらない世間の上面の批判に対して
トーニャの実際の証言に基づいた本人目線の物語に、風刺的なメッセージが込められているようだった。



あとは、親の過剰な教育に対して。

トーニャの母親は
トーニャをスケート選手にして儲けるため、
幼い頃から虐待に近い激しい罵倒や教育をして育てました。


母親の鬼のようなスパルタ教育は
子どもの逃げ場をなくしてゆくし
自分にも他人にも厳しい余裕のない人間になってしまうのが、この映画からよくわかる。



母親の愛ではない子どもへの異常な執着と
母親の愛を知らない子どもの愛情の飢餓。



小さい頃の影響は大人になっても残る。
一概には言えないけれど、今の自分を形成したのは紛れもなく幼少期の親との関係なのだと
日頃のニュースなどを観ていても感じる。

子は親の鏡だ。

「こんな大人には絶対にならない!」

と決めても、気づかぬうちに親とそっくりになっているようなもの。



親の異常な教育に対するメッセージというのも
この映画からは感じられました。



ただ、もうトーニャの母親は異常すぎて
笑けてきます。
普通じゃ考えられない、クレイジーです。


アリソン・ジャネイの快演ぶりはもう、
間違いなく受賞でしかないでしょう!と言わんばかりの迫力と威圧感なので、ぜひに。


あと、
トーニャを演じたマーゴット・ロビー。
約4ヶ月のスケート猛特訓を経て撮影に挑んでいたり、トーニャの破天荒な人物像を隅まで演じきっていてサイコウでした。

マーゴット・ロビー、
お顔のパーツがゴージャスだし
口をパッカーン!と開けて笑うので
とても好き。かわいい



気持ちいいコメディ!というよりは
ブラックユーモア的な要素でクスッと笑える
コメディ伝記映画。

人の半生の中の事件や失態を
こんな感じでクスリとユーモラスにする映画、だいすきなんですよね



勢いのあるスケートのシーンはもちろん、
シーンに散りばめられている笑いや衝撃、
シュールなインタビューシーンなど見どころ
盛りだくさんなので、気になる方はぜひ。



トーニャは現在、引退して
娘と農園で暮らしているそうです。長閑




では
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#フィギュアスケート

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シマザキリノ(ライター/俳優)

22歳、映画オタク。《ライター・タレント・俳優》映画「咲-Saki-阿知賀編」船久保浩子役・静岡明日テレビ「コピンクス2020〜港と僕とトリロジー〜」物語構成・「リクナビNEXT 転職のそばに」HP出演 ※ご依頼はこちらmanagement@lil.tokyo

コメント3件

冒頭のインタビューシーン、画角をわざとナローにしたり荒れたビデオ映像にしたりして、一瞬ドキュメンタリー?って錯覚させられるんだよね。それによって母親や恋人・夫からの暴力の凄まじさ、その状況下でスケートを続けることは普通ならば信じられないけれど、本当にあったことなんだって思わせちゃう。短いシークエンスを畳み掛けるように繰り出す編集で、考える暇を与えずあれよあれよという間に話が展開、トーニャ・ハーディングを環境の被害者として仕立て上げ、監督の術中にはまってるとは思いつつも、彼女にシンパシーを覚えていく。スーサイド・スクワッドのハーレイ・クインそのままに愛嬌あるマーゴット・ロビーのキャラも大いに寄与してるね。
米スケート協会が技術面よりも”アメリカの家族観を体現するような選手”を求めたり、社会が単純な二項対立を好みナンシーを善玉トーニャを悪玉と見做したこと、疑惑の渦中にある彼女を話題性があり視聴率が取れると目論むTV局の思惑(もっともオレも過熱した事件報道を見届けるべく女子フィギュアの中継にかじりついていたのだが)・・・母親や夫の暴力よりもこういった要因が彼女を追い込んだ主犯であり、それに対する批判が真の主題、また今映画化すべき現在性を持っているところだなって思った。

体罰によって開花した悲劇性も強調するけれど、それだけでトリプルアクセルを飛び全米王者になれる世界じゃない。彼女には間違いなく才能があり、それを生かす努力もした。スケートが本当に好きだったんだろうね。だから女の子からサインを求められた時の嬉しそうな態度や、スケート界から追放する判決に対する悲痛な訴えには胸を打たれた。

ラストのテロップ、7際の子供と暮らす彼女の”いい母親でいる”って言葉を信じたい。
おはようございます。
ナンシー・ケリガン襲撃事件は聞いたことがあります。
この事件に関心があったわけでもなく、知らなかったとはいえ私の頭の中は疑惑状態で止まっていて、なんかトーニャさんに申し訳ないです。
正直、トーニャ・ハーディングについては名前を聞いたことがあるくらいでフィギュアスケートでの活躍も知りませんでした。
親子関係、恋人との関係がバイオレンスだったんですね。
「ジョジョの奇妙な冒険」にある「スタンド使い同士は引かれ合う」ではないですが、バイオレンス同士は引かれ合う?
でも親子関係が核なのでしょうね。
それによって形成された性格(人格?)が世代を超えて連綿と引き継がれているような感じがします。
愛情を持って育てられた場合は良いですが、そうでない場合は反面教師と見たとしても、余程意識していないと脱却するのは難しいだろうし、周りの人の協力も必要なのだと思います。
様々な親子関係があって、中にはクソ野郎な親もいる。 でもわからないままに偏見を持ち過ぎてもいけないなとは常々思っています。

それでは莉乃ちゃん、素敵な木曜日をお過ごしください。
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