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夜のファミレス、



夜、ファミレスへ行くことに
なんとなくの特別を感じてしまうのは

私だけなのだろうか。





24時間営業だったり、じゃなかったり



和洋中、
さまざまなジャンルの料理を
その時の気分で自由に選ばせてくれる
素晴らしいレストラン。




そんなファミレスは
幼い頃、よく祖母や祖父と行った記憶がある。



祖母と祖父の鎌倉にある自宅まで
母の運転する車でいつも一緒に送り届けた。


鎌倉まで送る道中に
ファミリーレストランが何店舗かあり
「寄り道だ」と言って、夜ご飯がてらよく行ったものだ。



いつも
入る時間は決まって
20:00〜21:00の間で
少し遅めの夕飯だった。



大体、
祖母や祖父と会う日は平日の夜だったので
店内は人がまばらで、ほぼ貸し切り状態のような日もあった。


そんな
平日の夜遅い時間
ファミレスに入るという
背徳感と優越感がたまらなく好きだった。



祖母は食べきれないのに
私たち姉妹が好きそうなハンバーグの鉄板を
ライスのセットで頼んだり


祖父はにこにこしながら
レジ横にあるおもちゃコーナーで
好きなおもちゃを買ってくれたりした。





いつしか、
祖母や祖父と会う頻度も徐々に少なくなって

いつしか、
私や妹は''子ども''ではなくなっていて

いつしか、
ファミレスという場所へ頻繁に足を運ぶこともほぼ無くなっていた。




大人になればなるほど
色んなお店へ行ったり、知ったりしていく。




夜景が綺麗なお店とか

小洒落たムーディーなお店とか

ふすまに金箔が散りばめられているお店とか



大人になっていけばいくほど

色んなお店を知っていき
お店の雰囲気を楽しめるようになっていくけど





やっぱり、どうしても、

ファミレスが恋しくなったりする。





ツルツルとしたメニューの中から
自分のお腹の気分とマッチする料理を選ぶ
あの時間がどうしても恋しくなったりする。



「人、少ないね」


なんて会話を交わしながら
料理を気楽に待てるあの空間が
とても魅惑的だったりする。





そして夜のファミレスの最大のポイントが

気を許した人ではないと入れない。




ファミリーレストラン

と言うように、
主に家族連れをメインに展開したレストランである。

大衆に受けるような幅広いメニューから
まるで家のようにあたたかく人格を全肯定してくれるかのようなファミレス特有の雰囲気は


逆にいうと
そこまで親しくない人と夜のファミレスには
入りづらいものなのではないかと、思う。


本当の親しい者同士の空間に入ることで
本当は親しくないという関係を悟らされる、

そんな感覚。





だからこそ、
誰かと夜のファミレスへ行けるということが
すごく特別に感じてしまうのだ。




たとえ、
料理が美味しくなかったとしても。




夜のファミレスに

親しい誰かと行けたこと




この事実が
私のことを無茶苦茶に、幸せにしてくれる。






ちょっぴりの
私にとっての特別でした。


では


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