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レンタル彼女体験レポート

◆ご挨拶

皆さん、こんにちは。
愛知県在住の20代男性がレンタル彼女を利用してみた感想について書きます。
数年前ではメディアでもよく「レンタル彼女」が取り上げられていましたが、最近は一時期ほど見ることはなくなりました。
今回はそんな「レンタル彼女」の実態を調査してきました。
それではご覧ください。


◆レンタル彼女とは?

レンタル彼女とは、ネット上でプロフィールを確認したお気に入りの女性と、既定の料金を支払い、疑似的なデートを楽しむことができるサービスです。簡単にいってしまうと「彼女の代行サービス」のことですね。
サービスの用途はいろいろで、「彼女」とのデート自体を楽しみたかったり、女性恐怖症の克服であったり、男性一人で行きにくいお店に一緒にいったりするために利用することがあるようです。
デートの内容は利用者が決めることはできますが、性的な接待(キス・ハグを含む)は禁止されています。その行為に及ぶリスクをなくすため、自宅、ネットカフェ、ドライブも同様に禁止事項とされています。

◆レンタル彼女とのデートまでの流れ

STEP1
デートする「彼女」を選ぶ
・顔写真
・プロフィール
・デートできる地域
これらの情報からデートをする彼女を選びましょう

STEP2
LINEで女の子に連絡をして日程を調整
事業者によりますが、HP上にLINE@のIDが掲載されているので、デートしたい「彼女」に直接連絡を取ります。
デートでしたいこと、待ち合わせ場所、希望日時などを送り、日程を合わせます。

STEP3
ホームページから申し込み
「彼女」のアポイントメントをとった日時で予約を確定させます。

STEP4
料金支払い
運営から入金する口座情報がメールで届き、当日までに振り込みます。

STEP5
いよいよデートです。

◆デート当日

待ち合わせは名古屋駅のナナちゃん人形前。
初めての体験にドキドキしながら待つ僕。
「はじめまして。倫理さんですか?」
現れた「彼女」は、登録されたプロフィール写真どおりできゃりーぱみゅぱみゅ似のとてもかわいらしい子でした。
愛知県内の大学に通う大学生で、地下アイドルのライブに行くことや、漫画が好きなサブカル系の女の子。
「なんか緊張しますね」
「倫理さんこういうのは初めてっていってましたもんね! 今日は楽しい1日にしましょう」

「彼女」と一緒に向かったのは名古屋駅のJRゲートタワー。
今回「彼女」に依頼したのはショッピングデートでした。
Q.大学ではなんの勉強してるの?
「保育の勉強してます! 少し年の離れた弟がいて、面倒見るのが好きで。子供に携わる仕事がしたいなって思って保育士目指してます」
Q.そうなんだ。子供が好きなんだね。休みの日はいつもどんなことしてる?
「寝ることが好きなので、ひたすら寝てることもあります。あとは漫画とかアニメのいっき見とか!」
 世間話程度の質問を繰り返してみましたが、どれもネットのプロフィールに書いてあることでした。話してみたところ「the 普通の大学生」という所感です。

Q.君は何で、レンタル彼女をやってるの?
少し踏み込んだ質問をしてみます。
「いろいろな人に会える仕事で結構楽しいんですよね。お給料もいいし」
Q.そうなんだ。お給料はどれくらい?
「詳しくは言えないですけど、普通のアルバイトの5倍くらいですかね?」
Q.かなりもらってるね。この仕事やっていて、今まで大きなトラブルとかあった?
「体に触れられたりすることはあるんですが、そういう場合は規約違反なんで、って言って途中でも帰らせていただいてますね。あとはストーカーまがいのこともあったりしましたが……」
Q.ストーカー! そういう場合はどうしたの?
「まず指名があっても絶対合わないようにしてました。あと住所もばれていたみたいだったので、しばらく友達の家に泊まり込んで、こっそりと引っ越しましたね。
やはりこういう仕事にはリスクもあるようですね。

あっという間に2時間が過ぎ、「彼女」とのデートは終わりを向かえます。
「今日はありがとう、楽しかったよ」
「私も楽しかったです。実は今日倫理さんのために、お菓子を作ってきて。LINEで甘いものがお好きだっていってましたよね?」
事前のメッセージのやりとりの中で話していた内容を見逃さず、この日のためにわざわざ用意してくれていたそうでした。
そういうさりげないホスピタリティにプロとしての矜持を感じます。

そのまま健全な解散をしたあと、家に帰った私は興奮のまま、学生時代から連れ添ったパートナーに今日のレンタル彼女と過ごした1日を伝えました。

すると、どうでしょう。
彼女はこういったのです。

「交際中のレンタル彼女とのデート行為は、規約を逸脱した行為ですので、違反行為とみなします。著しく規約を違反した行為を行った際は運営事務局への通報の上、以後のご利用を制限させていただく場合もございます。ご利用ありがとうございました」

そのまま彼女は家から出ていき、連絡先もブロックされ、二度と戻ってくることはありませんでした。

その後、レンタル彼女のサイトで彼女の姿を見つけた僕は、彼女のLINE@に連絡をしてみました。
帰ってきたメッセージはあまりにも無機質なものでした。

「お客様のアカウントはポリシー違反により利用を制限されています。警告に従わず、繰り返しご連絡をされる場合は法的措置をとる場合もございますので、あらかじめご了承ください」

彼女を失った僕にはネットの海に漂う彼女の残滓を追いかけることしかできませんでした。


◆まとめ

いかがでしたか?
レンタル彼女の利用について詳しく紹介さていただきました。
皆様も楽しいレンタル彼女ライフをお楽しみください!

脚注:本取材は緊急事態宣言前の3月に行われました。

#レンタル彼女 #体験レポート #小説


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