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1/19(金)朝刊スクラップ~独裁者~

 米国では大統領選挙に向けた共和党の候補指名争いが始まったが、注目を集めているのはやはり前大統領のトランプ氏。年始、同氏は『敵性外国法』の発動を匂わせる寄稿をしていた。
 『敵性外国法』は1798年に制定されたもので、戦時下に侵略や略奪を受ける恐れがある際、大統領が敵国人を逮捕、拘束、国外追放することを可能にするものだ。過去には第二次世界大戦中に日系人を敵として扱い、強制収容した歴史がある。
 党派による分断が進み、議会選挙で多数派が握られるどうかが不明であり、新たな立法が見込みにくい。という理由もあり、過去に制定された法律を「乱用」しようという目論見だ。
 『敵性外国法』以外に、『反乱法』の乱用も懸念されている。この法律は大統領の権限で暴動鎮圧のために連邦軍を投入できるというものだ。過去にこの法律は、黒人に対しての不当な差別に対抗するために発動される事象が多かったが、トランプ氏は国境地帯や、黒人反差別デモに対して発動することを匂わせている。
 中ロといった権威主義国家に対し、民主主義国の代表として対立を深める米国。トランプ氏が当選することとなれば、世界は大きな混乱へと導かれることとなるだろう。


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