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【探鳥記】カツオドリに会いに行こう! ~初めての小笠原~ (前編)

突然ですが、とてつもなくカッコいい鳥がいます。その名はカツオドリ。カツオドリ目カツオドリ科カツオドリ属カツオドリ。名前の響きからしてもう痺れますね。

今回は小笠原諸島へのフェリーに乗り父島へ行って来ました。カツオドリをはじめとする海鳥観察、そして父島でのプチ探鳥の様子を記事にしました。

それではどうぞ!


①海鳥への憧れ

自分は海無し県で生まれ育ったので海鳥という生き物を今まで見たことがなかったのです。もし見ていてもあれが海鳥だ、という認識をしていなかったのだと思います。

釣りをしてた時期も船で沖へ出る事もなく陸っぱりでずっとやってたので(その頃は鳥の事をあまり気にしていなかったですが)海辺で見る鳥といえばカモメやカラスやトビくらいだったのでバードウォッチングを始めて野鳥の図鑑を見た時は「海鳥ってこんなにたくさん種類いるのか!」と心底驚きました。アビ、ミズナギドリ、アホウドリ、ウミスズメ、トウゾクカモメ等々…。

図鑑をパラパラめくってて、中でも一際目を引いたのがカツオドリです。恐竜じみた顔つき。カッコいい。一目惚れだったと思います。

そしていつか必ず実物を見るぞ、と決心。

少し脱線しますが、ある年の3月頃、堤防から釣りをしていた時少し沖で海面に浮かんでたまに潜る小さい鳥を見かけました。今思うとあれは何の鳥だったのか分からずじまいでとても気になっています。サイズ的にはたぶんカイツブリの仲間だったのかも…。気になるのでいずれ確かめに行かないとですね!


②きっかけはBIRDER誌

野鳥観察を始めてからBIRDERというバードウォッチングマガジンがある事を知り毎号読んでいますが、2020年の3月号が正にその海鳥特集でした。

コアホウドリ。かっこいいです。
購読を始めたのが2020年2月号からだったのですごく良いタイミングだったのかもしれない

特集記事には海鳥の種類やオススメの航路、海鳥ガイドさんによる観察のコツ、機材・装備のお手入れ、そして船でのマナー等が紹介されており初心者の自分にとって非常に為になりました。

しかし実際に航路へチャレンジするのは3年後の今年だったので自分でも随分のんきだったと思います。スケジュールが合わずまとまった休みが取れなかったのもありますがもっと早く行けば良かった。


③いざ小笠原へ(7/28)


今年の6月は1ヶ月まるまる休みが取れたので念願の遠征三昧をしたのですが人生初の航路鳥見もデビューしまして、八丈島行きのフェリーに乗ってきました。(そちらの探鳥も近いうちに記事にできるかと思います…)

1ヶ月も休むと色々と感覚が麻痺してきます。7月から真面目に働くぞと思いつつ気がついた時にはもう小笠原行きのフェリーを予約してましたよ 笑

7/28東京発のおがさわら丸に乗船しました。

出港日。東京は暑いですね。

小笠原諸島へ行くには通常5泊6日の旅程が必要ですが(船で2泊、島で3泊)、夏の運航では小笠原の父島に着いたその日に東京に折り返す着発便というスタイルになります。夏はかきいれ時ですもんね。お客さんも沢山いました。

この着発便なら3日間の旅程があれば島での宿泊は要らず(小笠原は野営・野宿禁止なので宿泊予約は必須です)船メインでの鳥見が可能なので今回はこちらにしました。

島での滞在は4時間ほどでしたが今度は父島・母島での探鳥もしたいですね!

父島。透き通る様な海岸。
滞在4時間はあまりにも短すぎた。


④おがさわら丸さんの紹介


ここで3日間の旅程でお世話になりましたおがさわら丸さんの写真をずらーっと載せていきたいと思います。船旅って素敵ですよ。


甲板にて。
青、赤、白のカラーリングが素敵。
乗船してまず目を引くのがカラフルな床!
見てるだけでワクワクします。
夏休みで旅行に来ていた家族連れのチビッ子がはしゃいでいました。自分も内心ははしゃいでいました。
船内レストラン Chichi-jima への通路。
レストランのメニュー、とても豊富!
これは制覇したい 笑
往路(28日)の夜はカレーにしました。美味!


船室一覧。小笠原の生き物たちが!
2等寝台(エコノミーベッド)。
自分はここでした。
エコノミー和室。
2等和室はウミガメとクジラの2種。
2等寝台はイルカとトンボの2種。
ヒメカタマイマイ。
オガサワラシジミ。
ハハジマメグロ。
アカガシラカラスバト。1等室は鳥で2種。
目的の鳥、カツオドリ!
泊まるのここが良かったなぁ…笑
片道7万くらいするけど()
スイートルームはオガサワラノスリ!

見てみたい素敵な生き物がたくさんいます…。


自販機と喫煙ルームがある「ミニサロン南島」へ続く階段。
小腹が減ったらここへ。
フェリー内の階段てなんか良い。つい撮っちゃう。
船内の壁に素敵イラスト。
月にはおがじろう船長とメグロが。
いい夢が見れそう…!
ミニおがさわら丸。
往路での夕暮れ。船尾には貨物。
島への物資を運ぶ。
日没は八丈島を眺めながら。
八丈航路もnoteにまとめないとね…。

デッキで日の入りを見届けた後、明日に備えて早めに寝床に入りました。朝は4時起きです。


⑤航路2日目(7/29)


きっちり4時に起床。すぐに支度。

甲板へ出る扉は夜間閉まっている為、早朝から海鳥観察をしたい人は船内の通路で待つ事になります。待っていると大砲レンズと三脚を持ったカメラマンさんがやって来ました。しばらく情報交換などで雑談。

4時半頃に開放時間となり自分とその方の二人だけでまだ薄暗いデッキへ。朝食をかじりながら観察開始です。

夜明け。
まだ何も飛んでません。

どこかのツアー団体が乗船していたらしく、5時を過ぎたあたりから海鳥を見る人が続々と出てきて甲板がほぼ満員状態に。

早起きして場所確保しておいて良かった…。


⑥海鳥ご出勤!

5時半頃から鳥がちらほら見え始め、甲板が沸き立ってきました!

オナガミズナギドリ。
クビワオオシロハラミズナギドリ。
トビウオが飛び始めた…!
そして次の瞬間とんでもないモノが視界に…


CHUMSの鳥!
アカアシカツオドリ!!!

始めは何の鳥かよく分からなかったです。ホントに。でっかいミズナギドリだな~とか呑気な事を言ってて画像を拡大して目ン玉飛び出ました。


アウトドアメーカーのロゴでしか知らなかった鳥。
実物をこの目で見れる日が来るとは…!!

先ほど通路で雑談したカメラマンさんもアカアシは結構見れるよ、と言ってましたがまさかいきなり会えるとは…!感動!

そして…

主役登場!

船尾の方から茶色い影が見えた瞬間、
「キタ━(゚∀゚)━!!!!!!!!!!」と叫びました(心の中で)!

ここからカツオドリ祭りの開幕です。


東京から24時間。
来た甲斐があった。

カツオドリ。
背中・首・尾羽・翼の上は黒褐色、お腹と翼の下は白色、嘴と足は黄色。
派手なカラーリングではないですがそのフォルムが素晴らしいと思います。


特に好きなポイントがクチバシ。
サギ類のように長くてゴツい。
中生代に生きた翼竜のようだ。


こちらは雄。顔が青いのが特徴。
雌は青くなく嘴と同じ黄色一色。


青が美しい。
やはり青い雄ほど雌にモテるのだろうか。
船に驚いて海上に飛び出てくるトビウオを狙う。
発見次第、突撃体制に入る。


左の水しぶきは着水したトビウオ。
狙いを定めて急降下アタック。


翼は折り畳まず真っ直ぐにしたままダイブ。
突撃の勢いで水中でも獲物を追いかける。


ダイブから浮上した後は休む暇もなく飛び立ちます。


両足で水面を蹴り、力強い羽ばたきで一気に空へ。


お腹に褐色の斑模様が。これはカツオドリの若鳥ですね。
なんとなく顔つきがあどけない感じ?


大人(成鳥)カツオドリと並んで飛ぶ若者。
ベテラン達のダイビングを見て狩りの仕方を学ぶのでしょうか。


雛の頃は親鳥が魚を与えてくれますが、独り立ちしたら自分で魚を獲らないといけない。
頑張れよー!


1羽また1羽と飛び込んでは浮上し、すぐに飛び立ち船についてくる。船ありきのトビウオ漁は時間との戦いなのだろう。


正面顔はコミカル。

興奮冷めやらぬ内に時刻は10時。あっという間でした。
まもなく父島とのアナウンスが。

まだまだ見ていたいけどそろそろ下船の準備をしないといけません。

⑦海鳥観察前半戦終了

おがさわら丸は11時に父島に到着。乗客は下船し船はすぐに折り返し運航の準備に入りました。


下船後とりあえずビーチに。綺麗だ…。
海鳥の興奮・感動にまだ打ち震えている。





さて、それでは今回はここで一区切り。

後編では父島での滞在4時間のあいだに見れた鳥の紹介と海鳥観察後半戦の様子をお伝えできればと思います。

長くなりましたがここまで読んでくださりありがとうございました。後編も読んでいただけると嬉しいです!

それではまた~!👋

父島の港から徒歩数分の公園。
どんな鳥がいるのかな。
南の島だけあって本州とはなんとなく雰囲気が違うぞ…?


【追記】前回の記事の最後でバードウォッチングにハマった理由を書くとか言ってましたけど、今回全く触れてなかったですね!すいません!汗

別の記事でまた書きます!

初めて買った観察機材の事とかも紹介していきますのでもしそちらの話が気になる方はもう少しお待ちいただければと思います!

それでは👋

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