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【探鳥記】カツオドリに会いに行こう! ~初めての小笠原~ (後編)


こちらの記事は前回↓の続きになります。

https://note.com/rinzou3351/n/n3c4e8bd6f9c


父島での滞在は4時間ほどで東京へ戻るおがさわら丸さんの準備が整うまで島内を観光する事にしました。

島の野鳥を探したりビジターセンターや水族館へも行きましたよ。

では早速プチ探鳥の様子からいきましょう!




①父島、滞在4時間で見れた鳥達



午前11時過ぎ、小笠原諸島・父島に到着しました。
二見港より下船し乗客の人々が島へと流れていきます。

ガジュマルの木

短時間で少しでも小笠原の事を知ろうと思い、ビジターセンターへ向かう事にしました。

小笠原観光協会さんのHPはこちら↓




その道中、海辺の通りを歩きながら鳥を探してみました。

父島での第1野鳥発見!

公園のベンチにメジロがいました。本土のメジロより人との距離がずいぶん近く感じる…。小笠原にはスズメがいないのでそのポジションにメジロがいるのかな。


メジロ。白いアイリングが特徴的。

父島のメジロ達は警戒心が低くて人の近くスレスレを飛んでいくのもいた。中には人にぶつかってるのもいてそんなんで大丈夫かキミ達…って思った。

小笠原のメジロに関する面白いブログ↓


公園の木立ちや街路樹から賑やかな鳴き声が聞こえてきました。

ヒーヨヒーヨ!と大きな声が聞こえてきたら彼らです!

オガサワラヒヨドリがいました。本州で見かけるヒヨドリと比べると体の色が赤みがかっています。


ちなみにこちらが本州のヒヨドリ。
全体的にグレーな配色。

ヒヨドリもオガサワラヒヨドリも同じヒヨドリではありますが繁殖地や形態が異なるのでそれぞれ亜種として分けられています。

ヒヨドリの亜種はいくつもいて、南に行くほど体の赤褐色みが強くなっていくと言われています。


木の枝で休んでいる鳥がいました。ヒヨドリかなと思い双眼鏡を向けてみると…?

まさかのトラツグミ!

口角が黄色いので今年生まれの幼鳥と思われます。
小笠原にも生息しているのですね。

夜になると「ヒー…ヒョー…」ともの悲しい声で鳴くトラツグミ。小笠原の夜は星空観察にも良いらしいので満点の星空を眺めながらトラツグミのさえずりを聴いてみたいです。

今度は綺麗なさえずりが聞こえてきました。

海辺の歌い手、イソヒヨドリ

イソヒヨドリが公園の木でさえずっていました。

名前にヒヨドリとありますがヒヨドリの仲間ではありません。イソヒヨドリはヒタキの仲間。海辺や街中で美しいさえずりを聞かせてくれます。



ビーチで少し休憩。

ビジターセンターへは徒歩8分ほどで着けますがのんびり小1時間ほど鳥を見ていました。


②小笠原ビジターセンター


正午頃にビジターセンターに到着!


小笠原の鳥達(標本)がズラリ!
…あれ?鳥じゃないのがいますね?
小笠原の固有種たち。


クジラやイルカってこんなに種類がいるのに驚き!
今回の旅では見れませんでした。次回に期待。


オガヒワ展。
絶滅というワードには色々な事を考えさせられます…

ビジターセンターの展示は1日居ても飽きないほど充実していて大変勉強になります。初めて小笠原に訪れる際には是非とも来てほしいです。

環境保護の為に観光やアクティビティ、生き物の観察などにもルールがあります。一人一人が意識して自然を守っていかないといけないですね。


③小笠原水産センター


ビジターセンターを出て徒歩10分ほどで次の目的地に到着。

小笠原水産センターの中にある小さな水族館へやって来ました。

なんと入場無料の水族館です!

入ってすぐの水槽にウミガメさんが!
大きい方々。
別の水槽にはちびウミガメ!


南の海に来たんだなぁという感じがする。


オガサワラヨシノボリ。
小笠原の固有種。


リラックス?してるウツボ達。
ぐったりしてるのかと思って焦った。

水族館を後にし、遅めの昼食にすることに。
お弁当屋さんでボリュームたっぷりのを買い、公園でしばし休憩。復路での海鳥観察に備えないとね。

④おがさわら丸出港!


あっという間に出港時間になりました。
15時30分、二見港より東京行きが出港しました。

島民の方々によるお見送りはとても盛大でした。
素晴らしくて写真撮ってる暇が無かった。


父島、また来ます。
次は母島へも行きたい。


さて、後半戦スタートです!


⑤日没まで海鳥観察!



横切る黒い影。
シルエット的にクロアジサシ?

出港から30分ほどして沖合いに出たあたりから海鳥たちが見え始めました。


シロハラミズナギドリ。
モノトーンの配色がカッコいい。

ビジターセンターにも標本があったシロハラミズナギドリが見れました!
少し遠かったですが翼の特徴的な模様を見れて嬉しかったです。


カツオドリ、ご出勤です!

16時を過ぎた頃からカツオドリ達が船の周りに集まってきました。夕方の漁が始まります。


船から数メートルの所を飛んで魚を探してます。
船の水しぶきが写ってます。


トビウオを捕らえました!

船のすぐ近くを飛ぶので彼らの鳴き声が聞こえてきます。「グゥーグゥー、ゴワーゴワー」という唸るような声でした。


飛びながら器用に首を掻いています。
休んでる暇は無いみたいです。


カツオドリの他に見れた海鳥はオナガミズナギドリ、シロハラミズナギドリ、クロアジサシ、アナドリなどでした。


ベストショットその1
カツオドリ♀成鳥。


ベストショットその2
カツオドリ♂成鳥。


先ほどの黒い影の主が現れました!
(違う個体だったのかもしれないですが)

全身が黒く見える海鳥が通りすぎました。
白っぽい頭と白いアイリングが見えたのでクロアジサシだと思います。


夕日に染まるカツオドリ。

時刻は18時過ぎ、飛び込みの頻度が少なくなってきました。

カツオドリ達は沢山獲物を捕まえたようで1羽また1羽と船を離れていきました。本日の漁は終了の様です。

夏は繁殖シーズン。巣に戻ればお腹を空かせた雛が親鳥の帰りを待っています。魚をいっぱい食べて立派なカツオドリになる事でしょう。

日没となり自分も海鳥観察を終える事にしました。
船内で夕食にします。

復路でもカレー!(往路もカレーでした)


明日の朝には八丈島を通過し、
東京へは午後3時半に到着します。

食事を終えた途端、急に疲れが出てきて早めに床に就く事にしました。

そう言えば今日は朝からずっと鳥を見てたのを忘れてました。父島の観光もありましたし。

寝台に横になった瞬間、電池が切れたように寝落ちしました。。。


⑥航路3日目(7/30)


相当疲れが溜まってたのか、目が覚めたのはずいぶんと日が高くなってからでした。

今日はカメラも双眼鏡も持たずただのんびりと海を眺める事にしました。

観察機材が無ければ飛んでいる海鳥は豆つぶの様です。遠くのミズナギドリ達をただ見ていました。







何もしない時間も大切です。

東京が見えてきた。
竹芝桟橋まであと少し。

東京湾に入るとずいぶん蒸し暑く感じます。
小笠原も暑かったですが風が爽やかでかなり違いました。

時刻は15時過ぎ。
竹芝到着のアナウンスが流れ乗客達が慌ただしく下船の支度を始めました。

24時間の船旅ももうじき終わります。

下船準備。
少し寂しい。

今回自分は着発便というスタイルだったので2日間連続の乗船、合計で48時間船の上にいました。

実際やってみて分かりましたけど、この旅程はそれなりに疲れます。

体力のある若い方なら全然大丈夫だと思いますが、やはり小笠原へ行くのなら島へ泊まった方がいいと思います。

当然旅費はかさみますが島へ行かなければ出来ない事は沢山ありますよ。

それでもやはり、0泊3日のとんぼ返り弾丸鳥見旅行は正直オススメ出来ないですね(笑)

勿論、とにかく海鳥が見たい!カツオドリが見たい!という人にはオススメ出来ますので体力に自信のある人は是非!

観察のお供に海鳥ハンドブック。
おがさわら丸さんの船内販売所にも置いてありましたよ!


⑦おわりに


小笠原への鳥見旅の話はここまでとなります。

来年もまた行きたいです、本当に。

そう言えば今年は小笠原より更に南に位置する硫黄島の3島を巡るクルーズがあった様です。

https://www.ogasawarakaiun.co.jp/info/?p=10907


6月末からだったのでスケジュールが合わず見送ってしまいましたが実は結構後悔してます…。

来年もこのクルーズツアーがあるのならば無理をしてでも申し込みたいと思ってます!

実物を見た事でより一層その魅力に取り憑かれてしまったと思います。


とてつもなくカッコいい鳥がいます。

その名はカツオドリ。

この記事を読んでくれた貴方なら、実際に会いに行きたくなったはずです。

実物を見に行きませんか?
写真や動画ではなく本物をその目で見てみませんか?

船に乗るのはお金がかかりますし、未経験者に船旅はちょっとハードルが高いと思います。

最初の1歩が一番キツいですが、勇気でそれを踏み出す事が出来れば素晴らしい出会いが貴方を待っていますよ。


前後編に分けて長くなりましたが最後まで読んでいただきありがとうございました。

次回の記事はいつになるかわかりませんが気長にお待ちいただければ幸いです。

それではまた!

おがじろう船長!
お世話になりました!

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