経済心理学_アートボード_1

行動経済学本『ヘンテコノミクス』をまとめてみた!

私の過去のnoteをご覧いただければ分かる通り、私は人間の心理や行動について考えること、勉強することが好きです。

今回は、twitterでオススメ本として話題になっていた『ヘンテコノミクス』を読んで、簡単にまとめてみました🌸
(漫画形式なので、とても読みやすいし面白い)

『行動経済学』とは?
従来の経済学では、人間は必ず合理的な経済行動をするとされてきましたが、そのような経済学では語りきれないような、経済行動を心理という視点から証明しようとする学問のこと

ここからは、本書に挙げられていた行動経済学用語と考え方の説明、事例(想像しにくい現象のみ)を紹介していきます!
※事例は、自分で考えた事例と、掲載されていた事例とどちらも含まれます。

★アンダーマイニング効果

内発的動機で取り組んでいたことに、急に外発的動機が与えられて、いつの間にか目的がすり替わり、モチベーションがなくなってしまう現象のこと

(事例)
落書きを楽しんでしていた
→落書きをすることで報酬が与えられるようになった
→報酬が突如与えられなくなった
→落書きをやめた(本来の「楽しむために落書きをする」という状態から、「報酬のために落書きをする」という状態に変わってしまっているため)
(予備知識)
イチロー国民栄誉賞を受賞した時「早すぎる名誉はやる気を阻害する」と呈している

★感応度逓減性

同じ金額でも、全体の母数の大きさによって、大切に扱ったり邪険に扱ったり、価値を変えて評価する現象のこと

(事例)
3万円の商品と3000円の商品の2つの商品を購入しようとする時、どちらの商品も同じく1000円の割引があったとしても、3万円にとっての1000円と、3000円にとっての1000円だと、後者の1000円の方が大きな価値を感じてしまう

★フレーミング効果

同じ情報でも言葉選びや表現方法を変えると、異なる印象を与える現象のこと

(事例)
「失敗する確率が20%です」
「成功する確率が80%です」
後者の方が、ポジティブなイメージを受ける

★罰金による罪の意識の軽減

申し訳ないと思っていた自分の行動に、罰金が課されてしまうと、罰金を払えば許されるという感情が働き、初めに感じていた罪の意識や申し訳なさを感じなくなってしまう現象のこと

★心の会計(メンタルアカウンティング)

実際の価値は同じだとしても、自分の状況に応じて金銭の価値や優先順位を付けてしまう現象のこと(本来の金銭価値とは異なる価値を見出してしまう)

(事例)
① 自分で汗水流して働いて得た1万円
② 見ず知らずの他人から貰った1万円
があるとしたら、後者の1万円の方が低い価値を感じてしまい、ぞんざいに扱ってしまう

★アンカリング効果

同じ価格の商品でも先行する情報によって、対象への価値の判断が歪められる現象のこと

(事例)
① 6,000円→割引価格2,000円
② 3,000円→割引価格2,000円
現在は同じ価格であるにも関わらず、割引前の値段によって、前者の方が高い価値を感じてしまう

★ヒューリスティック

物事を偏見やイメージで直感的に判断してしまう現象のこと

(問題)
ある教授のお父さんの一人息子が、その教授の息子のお父さんと話をしているが、教授は会話に加わっていない。この状況を想像できるか?
→最後に回答を載せるので考えてみてください!笑

★おとり効果

1つでは価値を決めきれなかった物でも、新しい選択肢が追加された瞬間に「買うか買わないか」ではなく、「どちらを買おうか」という思考回路になる現象のこと

★新近効果

複数の情報を順番に提示された際に、後に提示された情報を強く印象付けてしまう現象のこと

(実践)
ネガティブなことを初めに言って、ポジティブなことを最後に言うと相手への印象が良くなる

★極端回避性

3段階の選択肢が提示された時に、一番下と上という極端な選択肢を回避して、無難な真ん中の選択をしようとする現象のこと

★保有効果

一度でも保有してしまうと、実際の価値よりも高い価値を感じて、なかなか捨てられなくなってしまう現象のこと

★プライミング効果

同じものを見ていても、事前に与えられる情報によって解釈が全く変わってしまうこと

(事例)
「ピザ」という言葉を10回言った後に、「ひじ」を指して「ここは何?」と言うと、「ひざ」と答えてしまう

★ハロー効果

表面的な特徴によって、全体の評価を歪めてしまう現象のこと

(事例)
高学歴という肩書きがある人に対して、「頭が良い」と決めつけてしまう

★ハーディング効果

マジョリティーの行動に釣られて、同じ行動をとってしまうこと

(事例)
たとえ不人気なお店だとしても、飲食店の店前に椅子が並べられていると、「人気な店なのか」と判断してしまう

★上昇選好

だんだん良くなる方向を好む現象のこと

(事例)
「テストの成績が良いとお小遣いが貰える」場合貰えるお小遣いの額が増えていく方がやる気を維持できる

★目標勾配仮説

ゴールがすぐそこにあると提示されることで、モチベーションが高くなったり、行動をプラスに変えたりする現象のこと

(事例)
長距離マラソンに参加していて、疲れて辞めたいと思いながら走っていたとしても、ゴール付近になると、「頑張ろう!」と気持ちが前向きになり、頑張れる

★同調行動

自分の意見を歪めて集団に合わせてしまう現象のこと

★認知的不協和の解消

心理と行動を一致させようとすること
思い通りにいかなかった時などに、その状況を正当化しようと、心にもなかった言動をする

(事例)
こちらのnote(youtuberえるの動画)に沢山出てくるので参考にしてください!

★損失回避の法則

新たに得られる「利益」よりも、「損失」を避けたいと考えてしまう現象のこと

(事例)
① 100万円が手に入る。
② コインを投げ、表が出たら200万円が手に入るが、裏が出たら何も手に入らないという選択肢があった時に、①を選ぶ人が大多数を占める

★参照点依存性

何かを評価する時に、その物事の絶対的な価値ではなく、ある基準点からの相対的な比較によって価値を決めてしまう傾向のこと

(アンカリング効果と少し近い)

(事例)
外の温度と比較して室内の温度を評価する場合
① 外の温度30度→室内20度
② 外の温度24度→室内20度
では、①の20度と②の20度では価値や感じ方が変わる

★錯誤相関

全く関係のない事柄でも、自分がたまたま遭遇した出来事に対して勝手に結び付けて関係があると思い込んでしまう現象のこと

(事例)
忘れ物をした日は他にも悪い事が沢山起きるという日が何日かあった場合、「忘れ物をしたら最悪な日になる」と決めつけてしまう

★無料の選好の逆転

合理的に考えればこれ以上出費すべきでない状況だとしても、「無料」という文字によって、あれやこれやと理由を付けて無料になる選択肢を選んでしまう現象のこと

(事例)
「3000円以上は送料無料」という表記があった場合、なんとかして送料無料にしようと、無駄なものを買ってしまう

★プラセボ効果

何の効果や変化がなくても、効果があると偽ったり、あえて高い値段をつけることで、実際の感覚に影響を及ぼす現象のこと

(事例)
味が変わっていなくても、「秘伝のタレ入り」など商品名を戒名すると、本当に美味しくなったと信じてしまうまた、栄養ドリンクを飲むと元気になるなども当てはまる場合もある

★双曲割引

近い将来の変化の方が、遠い将来の変化に比べて大きいと感じてしまう現象のこと

(事例)
① 貸していた借金の1ヶ月後に迫る返済日を、更に後1ヶ月待ってほしい
② 貸していた借金の1年後に迫る返済日を、更に1ヶ月待ってほしい
この2つのお願いをされた時に、②の方が快くYESと言ってしまう

★サンクコスト効果

既に使ってしまった費用や時間に引きずられて、非合理な判断をしてしまう現象のこと

(事例)
取れる兆しもないのに、UFOキャッチャーをなかなか辞めれない

★デフォルト効果

初期で設定されているものから、わざわざ変更しようと行動しない現象のこと

★フォールスコンセンサス効果

自分の意見を常識的で適切なものと判断し、それ以外の他人の判断や意見を非常識であると思い込んでしまう現象のこと

★ピークエンドの法則

ある体験の中で、その体験を評価する時に全体をみるのではなく、最も印象の強い瞬間と最後の瞬間を平均して判断する傾向があること

(事例)
前述同様、1つ前のnote(youtuberえるの動画)に沢山出てくるので参考にしてください!

★完璧性効果

完璧に近いものから不備を見つけ出し完璧に近づけることは、全くの不完全の状態から不備を見つけるよりも困難である

けれども、完璧さに過剰判断してしまい、合理的判断を差し置いて、100%にすることに固執してしまう現象のこと

(事例)
業界2位の事業をno1にしようと投資するよりも、新規事業に投資する方が少ないコストで成長が見込める可能性が高い

★確証バイアス

直感で正しいと思った答えを見つけると、他の選択肢の可能性を排除して、特定の選択に固執してしまう現象のこと

(事例)
5→10→15→□
ルールに則る形で□に入る数字を聞かれた時に、20と答える人が多いが、16でも問題ない(数字が大きくなるというルールに従っている)

★決定回避の法則

選択肢が多すぎてしまうと、決定することができなくなってしまう現象のこと

★少数の法則

サンプル数が少ないにも関わらず、少ない前例から推測して、正しいと思い込んでしまう現象のこと

(事例)
① 他者が調査した事例の多数のデータ
② 自分が経験した事例の少数のデータ
→この2つだと②から考えてしまう傾向がある

★プロスペクト理論

利益を手に入れる時は確実に手に入れることを優先し、損失を被る時は最大限回避することを優先する現象のこと

人は得をするよりも、損したくないという思いが強い

(事例)
① 右手には10万円入ってる袋と、100万円入ってる袋から目隠しして選べる
② 左手には50万円入ってる袋を選べる
→この2つであれば②の袋を選ぶ人が多い

ところが
③ 右手には-10万円入ってる袋と、-100万円入ってる袋から目隠しして選ベル
④ 左手には-50万円入ってる袋を選べる
→この2つであれば①の袋を選ぶ人が多い

★利用可能性ヒューリスティック

ある物事が起きる可能性を考えた時に、自分が思い出しやすい記憶などによって判断が歪められてしまう現象のこと

(事例)
直前に飛行機の事故をテレビで見ると、本来飛行機の事故は確率が低いにも関わらず、自然と乗ることを避けてしまう


いかがでしたでしょうか?

途中の問題の答えは「教授が女性だった」です。
「教授が男性である」と想定してしまっている方は、ヒューリスティックが働いていると言えます。
(私も想像できなかった・・・笑)

心理学学ぶの楽しいですね!!!
なので私はUXにも関心があるのかなぁと勝手に自己分析しています・・・笑

ここまで読んでいただき、ありがとうございました!!!

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