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心理学×WEBデザインの書籍 [買わせる]の心理学が面白かった

twitterで回ってきた書籍
 『 [買わせる]の心理学 消費者の心を動かすデザインの技法61』が面白そうだった&私の大好きな分野(心理学×マーケも好きです)だったので即購入して読んでみました!

「行動経済学」や他のUX本と被っている部分もありましたが、全然知らない知識が紹介されていたり、掲載されている全ての心理学が「じゃあ、それをWEBデザインやマーケに落とし込むとしたら、どう活用できる?」みたいな観点で述べられていたり、「いつも目にしている世の中のWEBサイトはこういう仕掛けの元で成り立っていたのか」と腑に落ちたりして、非常に面白かったです!

なので、この書籍を読んで「私が面白いと思った内容」(自分が馴染みのある内容は飛ばしているので、面白いって思った人は書籍読んでみて〜)を簡単にまとめてみます〜


【視線解析】
会話をしている時に相手の視線に着目して見ると
視線が右=未来(創造)→内容は嘘の可能性高い
視線が左=過去(記憶の回想)→内容は事実の可能性が高い
▶︎WEBサイトにおいて、時間軸の流れを表す時は左から右へ

【クレショフ効果】
写真や映像の組み合わせによって、全く意味の異なるストーリーが出来上がること
▶︎WEBサイトにおいても、写真の組み合わせが大事
(下記の写真のように、写真の組み合わせによって読み取れるメッセージが異なる)


【マジカルナンバー】
15秒〜30秒の短い時間で記憶できるのは4+−1 個
▶︎ナビゲーションが2段にして1段目の項目を少なくしているのも、マジカルナンバーが使用されている


【段階的開示】
1度に多くの情報提供/情報収集をされるとストレスを感じてしまうので、タイミングに合わせて段階的に情報提供/情報収集するべき


【ゲシュタルトの法則】
人間がモノを認識する際に、形状の並び方やパターンで理解する
(部分に意識を向けすぎて全体把握を見失った状態をゲシュタルト崩壊と言う)


【ストループ効果】
文字と絵と色の連携による相乗効果
それぞれが対応し合っていないと、解読に時間がかかる


【メンタルモデル】
人がモノに触れる前にあらかじめ推測を立てるモデルのこと
▶︎密室から出たい時「どこかに扉があるだろう」と推測することがメンタルモデルで、扉の取っ手を見た/触った瞬間に「取っ手をひねるのだろう」と考えることがアフォーダンス


【ジャムの法則】
選択肢が多いと購入率が低くなる
多すぎても比較できないし、少なすぎても「他にもっと良いのがあるかも」と思って意思決心できない
▶︎Appleの製品はあえて品数やカラーバリエーションを多くしすぎず、適切なラインナップにすることで、顧客に真理を突いている


【ガリギュラ効果(心理的リアクタンス)】
禁止事項や、障壁が大きいほどやってみたくなる心理現象
▶︎袋とじや、ログイン以降に見れる記事など


【エスカレーター効果】
印象に残すために、あえて違和感(驚きの体験)を演出すること
(壊れたエスカレーターを登る感覚から名付けられた)
▶︎営業マンがあえて「あなたにはオススメしない」と言う

【バイヤーズリモース】
購入直後に不安を感じてしまうこと
ただし、衝動買いは逆に不安を感じづらい(購入した商品に対する不安ではなく、衝動買いした自分に焦点がいくから)
▶︎WEBサイトにおいては、別の手段(過去の成功事例の提示など)によって不安を解消してあげる必要がある

【アンダードッグ効果(負け犬効果)】
立場の弱い人や状況的に不利な人に同情して応援したくなる心理
▶︎選挙立候補者が車に乗って演説して回るより、自転車で駆け回っている方が応援したくなる


【ピグマリオン効果】
期待されるほどモチベーションが上がること
▶︎診断コンテンツで「あなたは〜タイプです、そんなあなたには〜の商品がオススメ」など記載すると、その商品を購入して欲しいという期待に応えてくれる可能性が高い

【宣伝効果】
言葉で発信すると、「言ったことを守らないといけない」という心理が働いたり、言ったことが現実になるだろうと思えてくる心理
▶︎顧客に実際に良い口コミを書いてもらうと、顧客自身の意識に深く刻まれて、ファンになってくれる可能性が高まる
▶︎ダイエットアプリで目標を宣言させると満足度が高まる


【準拠集団】
自分が所属している集団(準拠集団)と、自分の理想像が所属している集団(観察的準拠集団)こそが、人間の行動に強い影響を与える
▶︎親に「服装が変」と言われても気にしないのに、友達や同世代の人に言われたら気にしてしまう
▶︎WEBサイトにおいては、参加者の声や口コミなどの発信者を明確にして、ターゲットに合わせる(人気モデルも通うサロンと訴求するなど)

【リフレーミング】
物事を別の枠組みから捉えると180度印象を変えることができる
▶︎「生存率80%」と「死亡率20%」なら前者の方が危機感が低く感じる

【両面提示と片面提示の使い分け】
両面提示はメリットデメリット両方伝えること
片面提示はメリットだけを伝えること
▶︎メリットのみを伝える片面提示は、相手が知識を持っていない場合は対象に対して不信感が芽生えて、遠慮してしまう(ただ、高価な買い物などで背中を押して欲しい時などは有効)
▶︎デメリットを先に伝えて両面提示することで、無駄な不信感を抱かせることなく、信頼感を与えることができる

【ザイアンスの法則(単純接触効果)】
繰り返し接触する人やモノに対して、信頼度や好感度が上がる
▶︎時間を置くと接触しづらくなるので、早い段階で接触回数を増やすべき
▶︎WEBサイトにおいては、お気に入り商品が売り切れたら連絡するなど

【テンションリダクション】
緊張状態が消滅した後の注意力が欠落した精神状態のことで、その状態にミスや事故を起こしやすい(=「家に帰るまでが遠足です」)
▶︎大きな買い物をした時などに、安価かつ関連性のあるものを一緒に勧めると買ってもらいやすい
▶︎購入後の「これを買った人はこんなものも買っています」というレコメンド機能や、購入前の類似商品のレコメンド機能


【コントラスト効果】
比較対象を意図的に設置することで、本来の対象に対して適切な評価をすることができること
▶︎商品を購入する時に比較対象がない場合は決心できないので、あえて簡易プランや最上級プランを用意すると標準プランを選んでもらいやすい
▶︎資料請求ボタンの隣に問い合わせボタンを設置しておくと、資料請求ボタンのクリック率上がりやすい

【ツァイガルニック効果】
完了したタスクよりも完了していないタスクや事柄の方が、記憶に残りやすい
未完のものに惹かれやすい心理
▶︎「続きはCMの後で」
▶︎ちょっとドジで抜けてる人が人気者になる
▶︎バナーで全て情報を提示に、興味を惹きつけるに留めて、期待を抱かせてクリックに誘導する「長寿の秘訣は毎日アレを食べるだけ」

【カクテルパーティ効果】
大勢の人が談笑して騒がしい中でも、自分の名前や、興味のある人の声や話題だけを集中して聞き取ることができる
▶︎WEBサイトにおいては、ユーザーの名前が分かれば「〜さんへのオススメの商品」など名出しでレコメンドする

【カラーバス効果(引き寄せの法則)】
一つのことを意識すると、それに関する情報が無意識的に届くように感じる
▶︎「ラッキーカラーが赤」と占いで言われたら、赤のものがやたら目に入りやすい

【バンドワゴン効果】
多くの人がやってることや人気があるという理由で選択してしまう心理現象
▶︎WEBサイトにおいては、「この商品を閲覧している人は◯人います」「最後に購入されたのは◯分前です」と人気さをアピールする

【バーナム効果】
誰にでも当てはまる曖昧な表現を使うことで、自分に当てはめて考え、信じ込んでしまう現象
▶︎「A型の人の特徴」や占いなど


【フォールスコンセンサス】
自分にとって当たり前のことを他の人も当たり前だと考えて投影してしまう帰属バイアス
▶︎客観的データの提示が必要


【スリーパー効果】
ソースなど信頼性が低い情報であっても、時間と共に信頼性が忘れ去られ、情報だけが記憶される現象
▶︎根も葉もない噂が飛び交う

【プラシーボ効果(偽薬効果)】
偽薬を処方しても、薬を飲んだという安心感で症状が改善される
▶︎リボビタンなどの栄養ドリンクを飲んだという安心感によって元気が出る(私)


【ディドロ効果】
新たな価値のモノを手に入れた時に、それに合わせて所有物や環境を統一させようとする心理
▶︎ゲームの課金アイテムとして、レアアイテムを無料贈呈することで、揃えたくなるというユーザーの心理をくすぶる
▶︎リビングコーディネートとして椅子や机など、統一感を備えてコーディネートした写真を見せて、それぞれの家具への導線を設ける
(LOWYAという家具の販売サイトで、部屋ごとの全体的な雰囲気を写真を見せて「DETAIL」からそれぞれの家具の詳細を閲覧できる)



【暗黙の強化】
直接的に対象に評価を下すのではなく、比較対象に対して評価をすることで、間接的に対象を評価すること
▶︎弟に対して「兄は勉強できて偉いね」と言うと、間接的に弟を貶していることになる
▶︎Aに対して「Bは仕事できない」と伝えると、間接的にAはできると言われた気分になる
▶︎WEBサイトにおいて、商品バナーなどに「類似品にご注意ください」と記載することで、その商品が類似されるほど人気者かつ本物であるかのように思わせることができる

【シャルパンティエ錯覚】
実際の重さや大きさを基準に考えるのではなく、その対象に抱く自分のイメージによって重さや大きさを推測すること
▶︎「鉄10kgと綿10kgどちらが重い?」と聞かれると、実際は逆だが鉄の方が重く感じてしまう


【サンクコスト効果(コンコルド効果)】
対象に金銭的、精神的、時間的投資を続けても損失になると分かっているのに、投資を惜しんで辞められない状態
▶︎ゴールド会員のユーザーに対して、「来月もゴールド会員を維持するには◯円の買い物が必要です」とアナウンスしたり、「期限◯までのポイントが溜まっていますが、まもなく期限が切れます」とアナウンスすることで、自分の努力の対価として得たモノを失うのは名残惜しいので、失いたくないという心理が働く

【エピソード記憶(ストーリー記憶)】
物事を概念として記憶する(意味記憶)ではなく、ストーリーや体験を通して記憶すること
▶︎「プロポーズされたら、ゼクシィ」というキャッチコピーは、結婚というライフイベントとゼクシィをセットで記憶してもらうことを意図している


【プライミング効果】
無意識的に直前に示された情報を意識してしまう
▶︎洗剤の香りを嗅いだ後に食事をした人の方が、自発的に食器やテーブルを片付ける傾向にある
▶︎WEBサイトに訪れたユーザーに、アンケートやランキング結果を通して、間接的に意識させたいことを記載する
▶︎資産運用や保険のサイトで、「老後の生活に不安はありますか?」というアンケートをすることで、ユーザーに意図的に老後について考えるように誘導する

【ブーメラン効果】
相手から説得や強制されると逆の行動や態度を取りたくなる
▶︎購入の判断は相手に委ねる

【想起集合】
ユーザーが消費行動を起こそうとした時に、頭に思い出すブランド
「焼肉に行くなら◯」みたいな
想起集合の中でも、購入や契約まで検討されるものを考慮集合という

【観念連合(連想)】
関連性のない情報同士でも、連携することでイメージを印象付ける
▶︎「モーターショー+美人なキャンペンガール」は、クルマの魅力がより惹き出せる仕組み

【おとり効果】
商品選択肢を2つではなく3つにすることで、本来選んでほしい商品を選ばせやすくすること(コントラスト効果を参照)

【ラベリング理論】
周囲から貼られたレッテルによって、自分自身でそのレッテルを信じ込み、そのレッテル通りの行動パターンを形成してしまう
▶︎「向上心の高い皆さん」と投げかけられれば、「自分は向上心が高いと思われているから、期待通りに行動しよう」と思う
▶︎「シニア割引」と記載されていると、シニア以外の潜在顧客を逃してしまう恐れがある




以上になります!
本書ではこのnoteに記載されていない心理学用語が記載されていたり、例が細かく紹介されていたりするので是非読んでみてください〜
(集中すれば3時間くらいで読める)


「心理学×マーケ/WEBデザイン」が面白いなぁって感じた人は、こんなnoteも気に入ってもらえると思うので読んでみてくれたら嬉しいです!


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