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青森レインボーパレード2019 - 2019年6月30日(日)/青森県青森市

2019年6月30日(日)、青森県青森市で行なわれた『青森レインボーパレード2019』の記録


【動画】

青森レインボーパレード2019 - 2019.6.30 青森市(13分33秒)


【写真】

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 青森で最初のレンボーパレードが行われたのは、2014年4月27日(日)だった。この時の参加者は3人で、東京でレインボーパレードが行われた日に、気持ちを同じくする人々と同じ空の下を歩いたのがはじまりだ。
 それから回を重ねる毎に参加者が増えていき、6回目となる今回のパレードは208人が参加するまでの規模になった。
 今年の参加者は最年少2歳〜最高齢90歳、議員が来たり、運営スタッフに高校生がいたり、パレードの広がりに驚かされる。街の反応も非常に良く、本当に多くの街の人たちが応援してくれていた。


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 青森駅前公園を出発したパレードは、手押しの台車に積んだスピーカーから流れる音楽やアナウンスと共に商店街や官庁街を通る1.8kmのコースを練り歩いた。映像は編集してあるので観ても分からないと思うが、パレードは何度となく赤信号で止まり、この距離を歩くのに90分もかかった。警備の警察官の権限で信号で止まらせずにデモ隊を通す場合もあるのだが、これは所轄署の警備方針による。
 青森警察署の管轄区域で行進が行われる場合、そもそも参加人数が少ないと警官は一人も来てくれず、「許可は出すけど勝手にやってね」というスタイルで警官不在の車道行進になる。概ね参加者が100名を超えると警備が付き、数百人規模になると一部の信号で止まらず通行させたりする。
 警察署によっては、信号機を操作して青信号の時間を長くしたり、赤信号でも進ませたり、信号に従い隊列を分けて進ませたり、様々な誘導がある。警察が警備をしてくれても歩道しか通行してはいけなかったり、行進にも色々なケースがある。


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 実は昨年、「2019年の開催はナシ」との発表があったのだが、弘前市在住の築城隼人さんが共同代表になったことにより、今年もパレードが行われることになった。自ら立ち上がり、人前に立つことを選んだ築城さんの出した勇気はどれだけのものだったか。
 立ち上がった人を一人にしてはいけないし、表に出たことで叩かれたり、悪く言われたりする社会は変えていかなければならないと思う。自分らしく生きることを諦めないでいられる社会は、誰かが作ってくれるのではなく私たち一人一人の意志と行動で自ら実現させるものだ。
 今の社会に生きにくさを少しでも感じているなら、小声でもいいので声をあげてほしい。共に。


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共同代表・宇佐美翔子さんスピーチ

去年ここで私はみんなに、ガンの告知されたって言ったんです。
そんでそのあと、手術したんです。
みんなの前に元気にまたここに立てて嬉しいなって言う予定でした。
でもさ、4日前にガン再発って言われました。
だけど、くやしいけど、また今年もここでみんなに言うのは、どの地域に住んでいても同性パートナーが病院で大変な時、災害の時、緊急時に、ちゃんと同性のパートナーが呼ばれる緊急連絡先として、ちゃんとシステムができるようになってほしいと思っているからです。
厚労省からはもう同性のパートナーでも、ちゃんと手術について、医療方針について聞くことができるという通知が出たけれども、現実的には病院の先生によって、さじ加減によって、聞いてくれる病院と聞いてくれない病院があります。
そういう格差をなくそうと思って、今年も活動しようと思っているから、私は今日もまたガンの報告をしなくてはならなかったんですけど。
みんなもいろんなこと人生にあるけど、どうか一緒に生きていきましょう。理解が進んでないとか、まだ早いとか言ってる間に何世代の寿命が終わればいいんですか。
理解が進まないうちに亡くなってった先輩たちもいっぱいいます。
もう待てません。私たちはここにいます。
一日も早くLGBTの人たちが当たり前の権利を手にできる、そんな社会になるよう、みんな各地それぞれに帰っても頑張りましょう。


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 当初、青森レインボーパレードは東京レインボープライドと同時開催で4月に行われていた。けれども北東北でのパレード準備が冬の期間にあたると色々と大変だったというのと、梅雨がほとんどない青森は6月の気候が良いことから今の時期の開催になったという。


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 青森レインボーパレード2019では、初の試みとして青森県内の自治体や県連を持つ政党からメッセージを募集した。そのこともあってか、政党関係者が何人も来ていた。

立憲民主党から、蓮舫参議院議員、小田切さとるさん、石川大我さん。
国民民主党から、田名部匡代参議院議員。
日本共産党から、吉俣洋青森県会議員、村川みどり青森市会議員、斎藤みおさん。

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県内政党メッセージ(全文)

国民民主党 青森県総支部連合会代表 参議院議員 田名部匡代
「第6回青森レインボーパレード2019」が盛大に開催されましたこと、心よりお慶び申し上げます。
3人からスタートした青森県でのパレードも、年々声を上げる方々や賛同者が増え、昨年は173人とその輪は大きく広がっています。改めて最初の一歩を踏み出した3名の勇気と決意に敬意を表します。
一人一人違いがあって当たり前。肌の色や生まれた場所、障害の有るなし、性についても個人が持つ固有の権利で、それにより差別をされるような事は断じてあってはならないし、そんな悲しい社会であるならば粘り強く変えていかなければなりません。
私たちのふるさと青森県が、多様性を認め合い偏見と差別のない、誰もが笑顔で暮らせる地域となる為に、SOGIをはじめとする人権に関する教育をより充実させ、互いを理解しあう事が重要と考えます。
私も皆様とともに、自分らしく生きられる社会の実現に力を尽くして参ります。本日パレードにご参集のLGBTIの皆様をはじめ、障害を持つ方、一人で生きづらさを感じている全ての皆様に「あなたは一人じゃない」この言葉をお送りしメッセージとさせて頂きます。

日本共産党 青森県委員会 委員長 畑中孝之
第6回青森レインボーパレードの開催、本当におめでとうございます。2014年、勇気をだして3人で声をあげてから、毎年この青森でレインボーパレードの開催に取り組んできたみなさまへ、心から敬意を表します。青森レインボーパレード2019「同じ空の下~ YOU ARE NOT ALONE」へ連帯のメッセージをおくります。
青森市では、教職員むけの研修制度がスタートしたり、「性的マイノリティにじいろ電話相談」が設置されたりなど、みなさまの行動が社会を動かしてきました。現在、性暴力やハラスメント、性的指向・性自認など、すべての人の人権が大切にされる社会の実現にむけてクリアしなければいけない課題がありますが、運動を広げて必ず乗り越えられると信じています。
これからも、「すべての人たちが自分らしく生きられる社会」の実現にむけて、私たちもみなさんの声によく学び、政策に生かし、運動に参加し、共に声をあげていきます!

立憲民主党 青森県連合 山内崇
青森レインボーパレード2019開催にあたり、立憲民主党青森県連合を代表して、皆さまにメッセージをおくります。
第6回青森レインボーパレード2019が盛大に開催されますことを心よりお喜び申し上げます。
すべての人々が性別の違いや障害の有無等にかかわらず、人間としての基本的な権利と自由、平等を保障され、人として尊厳ある生活を営めること、性的マイノリティの方々や社会的弱者の方々が、偏見や差別による悩みや不安が少しでも改善され、生きづらさを感じず暮らせる青森県に変わっていくための、意義のあるレインボーパレードです。
ご参加される皆様の情熱と、レインボーパレードの開催にご尽力されましたスタッフの皆様に対し、敬意を表します。
青森レインボーパレードの活動がさらに浸透し、自分が自分らしくお互いに認め合って暮らせる青森になることを心から祈念し、メッセージといたします。

社会民主党 青森県連合 三上武志
「第6回青森レインボーパレード2019」にお集りの皆さん、皆さんの勇気と行動力に、心から敬意を表します。
今日の日本社会では、多くの差別・偏見・無理解が存在し、その中で苦しみ、追いつめられている方々のいかに多い ことか...。国の支援が受けられず、無理解や差別に晒され自殺すら考えた難病患者、国の政策により社会から隔絶されたハンセン病患者、そしてその家族。そして今も強い差別や偏見を受けているLGBT、そうした人々との出会いの中で、私たちは、全ての暴力、偏見、差別を無くし、多様な価値観を認めあう社会をつくることに全力をあげたいと思っ ています。差別撤廃は平和を求め、人権を守る「斗い」でもあるのです。力を合わせ、LGBTへの差別解消のための法制化に努力を致します。また、地方においては、民主的な議員、市民が連携・協力し、条例制定を含めた差別解消への具体的な取組みを進めて参ります。
本日のパレードが楽しく、そして充実した取組みになることを心からご期待申し上げ、メッセージと致します。

公明党 青森県本部 代表 伊吹信一
『第6回青森レインボーパレード2019」が開催されるにあたりメッセージをお送りいたします。
本年4月1日に施行された「青森県基本計画『選ばれる青森への挑戦』」に公明党会派の提案により、誰ひとり取り残さない社会の実現をめざすSDGsへの取組みが基本理念として明記されました。県基本計画での記載は、全国で3番目となります。私たちは皆さまの活動に通じるこのSDGsの理解と普及啓発に公明党をあげて取組んでおり、LGBTをはじめ障がいや引きこもりへの理解と啓発に繋がることを願っております。
分断ではなく多様な特性や生き方が容認され、生き辛さを感じない社会を目指し、引き続き取組んで参ります。


 青森県にある40市町村のうち、弘前市長、八戸市長、五所川原市長、十和田市長、むつ市長、平内町長、今別町長、外ヶ浜町長、おいらせ町長の9市町の首長と県知事がお祝いのメッセージを寄せてくれた。以下に一部の自治体からのメッセージを抜粋して掲載する。

自治体メッセージ(一部)

青森県 三村申吾 知事
このパレードを通じて、性的マイノリティの方々と、支援している方々が手を取り合うことで、年々、活動の輪が広がっていると伺っております。
性的マイノリティに対する偏見や差別については、人権に関する蹂躙の一つとして解消に取り組むとともに、 社会の中で個人の生き方の違いを認め、尊重することが非常に重要であると考えております。
青森県では、「第4次あおもり男女共同参画プラン21」に掲げておりますように、今後とも、性的マイノリティの方々をはじめ、貧困、高齢、障害等により困難を抱える方々が安心して暮らせる社会づくりを目指して取り組んで参ります。

弘前市 櫻田宏 市長
弘前市では、性別にかかわりなく、その個性と能力を十分に発揮することができる男女共同参画社会の実現に向けて「弘前市男女共同参画プラン2018~2022」を策定し、「一人ひとりが互いを尊重し合い心豊かに暮らせるまち弘前」を目指しております。

五所川原市 佐々木孝昌 市長
当市でもLGBTをテーマとした講演会の開催や、男女共同参画情報紙「さんかく」の発行などを通 じ、性的マイノリティの方はもちろんのこと、すべての人が互いにちがいを認め、尊重し、 持っている個性と能力を十分に発揮できる社会づくりを進めているところです。

今別町 中島久彰 町長
依然として、偏見や差別を助長する言動やいじめ、不当な待遇などで多くの方が苦しんでおり、私たち一人ひとりが、性的マイノリティについて正しい理解と認識を深めることが、 極めて重要であります。
このイベントの開催を通じて、セクシャアルマイノリティの方々が、偏見・差別などによる悩みや不安が解消され、一人ひとりの人権が尊重される社会づくりが実現されますことを心から祈念申し上げます。
結びにあたり、今回のテーマであります「同じ空の下~YOU ARE NOT ALONE~」が参加者のみならず、県内全域に浸透することを願いまして、お祝いのメッセージといたします。

外ヶ浜町 山崎結子 町長
私は地方が衰退する原因の一つに多様性の無さがあり、個性が触れ合う場所には創造があると思っています。 新たな令和の時代、誰もがクローゼットから出て輝ける社会でありますようご祈念申し上げます。

おいらせ町 成田隆 町長
2014年からこれまで地道に活動を続け、数々のご苦労もあったかと思いますが、 その輪が年々広がっていることに多くの期待が寄せられていることでしょう。多様な生き方が尊重され、誰もが生きやすい社会の実現を目指して、これからも本取組を応援しています。

メッセージは「青森レインボーパレード Guide Book」より引用。



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