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仙台プライドジャパン2019 パレード - 2019年9月16日(月祝)/宮城県仙台市

宮城県仙台市青葉区で行なわれた『仙台プライドジャパン2019』のパレードの記録

 宮城県内では初の、東北地方では青森県・岩手県に続いて3県目となるプライドパレードが仙台市で開催された。約120名が仙台の街を行進し、レインボーフラッグを掲げ多様性をアピールした。
 途中、商店街で音響機器のトラブルが発生し、スピーカーから音が出なくなってしまった。一緒にパレードを歩いていた仙台出身のシンガーソングライター清貴さんが音頭を取って歌を歌いその場を盛り上げてくれた。


 『仙台プライドジャパン』には外部から批判が多く寄せられているだけでなく、関係者からも批判の声が上がっています。
 当日、『仙台プライドジャパン』が行われていた勾当台公園のすぐそばの別区画では、ライター/トランスジェンダー活動家の畑野とまとさんらが対向イベント(対話集会)を行っていました。パレード撮影後に私もこの集会に参加してきたのですが、『仙台プライドジャパン』の問題点の説明や「プライド」に関する議論が活発に行われていました。
 撮影・公開した者の責任として、『仙台プライドジャパン』について私の意見を添えておきます。

 『仙台プライドジャパン』のサイトには「手を取り合って共感を創造できる新たなイベント」「まずは我々LGBTが率先してダイバーシティ&インクルージョン(多様性と社会的包摂)を体現させねば」等とありますし、代表もLGBT当事者の分断を懸念し融和を呼びかけています。
 しかし、当初うたわれていたパレードの文言は、「日本初!一般LGBTが心から楽しめる政治色の無いLGBTプライドパレード!」というもので、わざわざ「一般LGBT」という聞きなれない言葉を(配慮した結果かもしれませんが…)使うことで、かえって自ら分断に手を貸してしまっています。
 この文言は後に「全LGBTが心から楽しめる党派性の無いLGBTプライドパレード!」と訂正されました。一応の配慮をしたようにも思えるのですが、代表は「イデオロギーや党派性関わらず、誰もが参加して楽しめるイベント」という説明もしています。にも関わらず、代表は意見の違う者に対しては攻撃的な態度をとり、ひどい言葉を浴びせかけています。

 また、「プライド」を冠するイベントで「政治色の無い」というのは、その言葉が持つ意味や重み、あるいは使われてきた経緯を考えたら不適切な気がします。
 マイノリティが「プライド」を掲げた運動があったことは、絶対に無視してはならないと思います。それこそ無数の人々が積み上げてきた「プライド」の歴史、しかも今も続いている差別に反対する運動であり、当たり前の人権を主張する権利運動であるはずです。「プライド」を掲げた運動は、差別的イデオロギーを叩き潰し、人権を認めさせる闘いという側面もあったことを忘れてはならないはずです。
 LGBTの象徴である「レインボーフラッグ」を掲げパレードを行い「プライド」を掲げるのであれば、それがどのような「誇り」なのかもう少し考えるべきだったかもしれません。この辺りが、代表は真摯に向き合っていないと内外から批判される所以ではないでしょうか。

 ただ、政治的なものから距離を置きたい当事者もいると思いますし、そのような方々に配慮することも理解はできます。しかしながら、今回の主催者の言動はそのような場を作る為に適切だったとは思えません。特に公式twitterアカウトを使って罵倒するのは言語道断です。

 今年はパレードの歴史の始まりとも言える『ストーンウォール』(1969年)からちょうど50年の節目の年なので、今一度「プライド」について考えてみるのもいいかもしれません。
 日本各地でプライドパレードが次々と開催されることは非常に喜ばしいことで、その存在は明るく尊いものだと思います。


【動画】

仙台プライドジャパン2019 パレード - 2019.9.16 宮城県仙台市(6分5秒)


【写真】

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『仙台プライドジャパン』を批判する畑野とまとさんらが権利主張を打ち出したプラカードを掲げパレードを歩いていた。


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「人権をうたえない場にプライドは無い! NO JUSTICE NO PRIDE」


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「性は人権」


[関連リンク]
商業イベント「仙台プライドジャパン」にはプライドなど存在しない


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