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「推し文化」の正体

「推し」とは何か

いわゆるスラングのひとつですが、あまりなじみがない人に簡単に説明します。その発祥については、AKB48のファンの間で使われだしたのがはじまりではないかと言われています。

応援する=推す

自分が応援しているメンバー=推しているメンバー

これがどんどん省略されて、

推しメンバー ⇒ 推しメン ⇒ 推し

となったと考えられます。すなわち「推し」とは、「自分が応援しているアイドル」を指す名詞ということですね。

「私の推しは◯◯さんです」

という言い方の他に、

「私は◯◯推しです」

とも言ったりします。ジャニーズのファンには、

「私は◯◯担(=担当)です」

という類似表現もありますね。

「好き」とは違う

この「推し」という言葉、いまではアイドル文化の外でも幅広く使用されています。特に漫画やゲームのキャラクターについては、「好き」よりも「推し」という表現をすることが多くなっていると感じます。

「好き」と「推し」は似て非なるものです。「好意」であることに違いはないのですが、矢印の長さや方向性などが違います。

「好き」の場合
・相手との距離は、短ければ短いほど嬉しい(=できるだけ近づきたい)
・相手にも自分に好意を持って欲しい、そうでないと悲しい(=双方向を望む)
・1対1の特別な関係を望む

「推し」の場合
・相手との距離は、近ければ嬉しいが、遠くても良い
・思いは一方通行でも構わない
・1対多数でも構わない

「推し」に望むこと

推し文化が浸透しているジャンルにおいて、「好き」は相手と自分が特別な関係で結ばれる、つまり恋愛関係になることを望んでいるような状態です。「推している」ではなくあえて「好き」と主張する人は、「ガチ恋勢」などと呼ばれたりします。これは、アイドルに対して本気で恋をしている、という揶揄を含んでいます。

では、恋愛を望んでいないとしたら、ファンは「推し」に何を望んでいるのでしょう? 私の場合はこんな感じです。

・推しの夢が叶うこと
・推しの成長、健康、幸福
・あわよくば、その様子を少し離れたところから見ていたい
・あわよくば、その姿を記録して生きる糧にしたい

……お前は親戚のおばさんか?みたいな望みばかりですが、本当にそうなんです。「推し」が頑張る姿や嬉しそうな顔を、いつまでもそばで見守っていたい。それが自分の元気の源、人生の潤いなのです。

これが、誰かを「推す」ということの本質だと思っています。



私は推しのためには課金も惜しみません。現在の私の最推しは『A3!』というアプリゲームのキャラクター、摂津万里くんです。本日、万里の限定SRカード(jpegデータ!)のために、70連ガチャを回してからこの記事を書きました。同志求ム。

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