栗と柿と冷静な査定13
キリンはなおも続けた。
「僕がやったんだ😄」
「彼女のこと、ほんとは前から知ってたんだ。」
「ボールの中にいたのに、どうやって撃ったんだ?」
「教えない😄😄😄」
俺はキリンの笑顔にゾッとした。こいつ、サイコパスだ。
そんなことより彼女が危ない。俺は車に戻り、適当なタオルを彼女の頭にぐるぐる巻いた。もちろん、そんなことで血は止まらない。
どうしたらいい!
俺は再びパニックになった。
するとキリンが近付いてきてこう言った。
「助けてあげようか😄😄😄?」
「は?お前がやったんだろ?」
「うん、だけど、彼女には死なれちゃ困るんだよね。CafeRioに連れてってもらわなきゃだし。」
「じゃあなんでこんなことを!」
「うーん、なんか、なんとなく?😄😄😄」
やはりサイコパスだ。人を殺すことをなんとも思っていない。笑顔がとにかく恐ろしい。
俺は以前見たJOKERという映画を思い出した。
いや、JOKERにはまだ同情の余地があった。こいつは違う。
だが今は彼女の命が優先だ。
「どうやって助けるんだ」
「簡単だよ😄😄😄」
そういうとキリンは彼女に近付き、頭の傷をペロペロ舐め始めた。
そんなことでこの大量出血がおさまるわけがない。
そう思いながら眺めていたが、不思議なことに彼女の頭の傷がどんどん修復されていく。
5分ほど舐め続けたところで、撃たれた跡はきれいさっぱり元通りになった。
だが、彼女の意識は戻らない。
まるで寝ているようだ。
これは現実なのか?俺は夢を見ているのか?
古風だが、頬をつねってみた。
全然痛くない。
次の瞬間、外で爆発音がした。
(今度はなんだ!?)
そう思って音のする方へ顔を向けると、そこには背の低い女が立っていた。
つづく
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