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【シリーズ摂食障害Ⅲ・#8】 摂食障害当事者が職場でどんなことに困るのか

【シリーズ摂食障害Ⅲ・#8】 摂食障害当事者が職場でどんなことに困るのか
「サイコロジー・メンタルヘルス&日々のあれこれ」

 摂食障害の症状が、当事者の社会生活、とりわけ就労に与える影響について連載しています。記事のベースとしているのは、日本摂食障害協会による「摂食障害患者の就労実態調査と社会復帰支援」報告書(以下、報告書)です。今回は、当事者が職場でどのようなことに困るのか、その概要を確認したいと思います。

 報告書によると、「摂食障害のために仕事の関連した困難があるか」との問いに、約8割(79.9%)の人が「困難がある」と回答しています。困難の内容としては、いわゆる「昼食問題」や「体力」、「気分の波」などをあげる回答が多いとしています。

 報告書では、職場に援助(配慮)を求めたいこととして「摂食障害への理解」「通院への配慮」「喫食への配慮」などの選択肢を提示し回答を得ていますが、援助を望むとする回答は、それぞれ3~5割程度と割れており、職場での困りごとには個別性が大きいことが伺えます。同時に、「職場の人に摂食障害であることを話しているか」との問いに、半数弱が「話さない」としており、職場に配慮を求めること自体の難しさを当事者が抱えていることが伺えます。


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