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対人援助職が、長時間を余儀なくされていた対応を短くまとめるコツ

対人援助職が、長時間を余儀なくされていた対応を短くまとめるコツ
「サイコロジー・メンタルヘルス&日々のあれこれ」

 先日、人員不足などによる負担増に対しては、誰かが抱え込み我慢して乗り越えようとするのではなく、業務量の調整を検討しましょう、と説きました。あまりに“当たり前”の意見なので、我ながら苦笑してしまうほどなのですが、逆境真っただ中にある当事者は、その“当たり前”が目に入らなくなってしまうものなのです。

 その中で、(必要があれば、一時的に)被支援者の対応を短く切り上げてもいいのではないか、そのためのコツがありますよ、と記しました。本日は、そのコツについてです。


そのコツとは…


コツとは(勿体ぶる奴)


被支援者とは、敬語を用いてやり取りすること。


 対人援助の現場で行われる、被支援者とのコミュニケーションの一部(体感では2~4割くらい)は、時候の挨拶やちょっとした世間話から、「ちょっと聞いてくださいよ~」から始まる“会話すること自体が目的化した”長話などで占められています。この手のコミュニケーションは、特別な事情がない限り、手短に済ませてよいものです。そして、そのような被支援者に対して、どこか馴れ馴れしく振る舞ってしまう支援者も多いものなのです(自戒を込めて)。そんな時、丁寧語を用いることで、互いの距離感をほどよく保ちつつ、簡潔なやりとりを実現することができます。

 例えば、支援者の「ええ、そんなことに困っているの?私はこうした方がいいと思うけど。どう思う?」といった声掛けは、「あなたの困りごとは、(これこれこういう)ことなのですね。支援者としてのアドバイスは(これこれこういう)ことなのですが、あなたに別の意見があっても構いません。アドバイスはご参考までに」と置き換えるのです(これは最大限に硬いバージョンなので、適宜柔らかく)。

 ちなみに、「私」という言葉を避け「支援者としては」というのは、やりとりから“私”的な要素を極力排除するコツですし、質問文を避けることも、やりとりを短くする秘訣といえます。

 まあ、やりすぎると“冷たい人”認定されてしまうこと必定(笑)なのですが、目的本位でコミュニケーションのスタイルを変えられることは大切かと思います。ご参考までに。

※当事者の方への密接なコミュニケーション自体を軽んじる意図はありません。自分の健康と安全を守ること、そのために適切な対応を行うことは、当事者支援者関係なく万人の権利である、という前提からの記事であることを、念のため申し添えます。

(おわり)

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