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宝箱からそっと取りだして・・

ちびの事を紹介したので、今日は先住犬のるりおの事を書こうと思う。
多分、忘れたくなくて···でも思い出すと胸が痛むので、彼のことは宝箱にそっとしまっていた。

ちびと同じくシーズー犬♂の彼は、ちびより半年程先に我が家にやって来た。
まるで歩くぬいぐるみだった。ヤバい、可愛すぎる♡(やっぱり親バカw)

本当の名前は確かコロだったはずだが···何故か、いつの間にか(るりお)となってしまい、家族の誰もコロという名前すら忘れていた。彼は(るりお)と呼ばれて嬉しそうに尻尾を振って走って来た。名実ともに(るりお)だった。

ちびは怖がりで警戒心の強い子だが、るりおは真逆で、素直···というか天然だった。
警戒心というものをほぼ持ち合わせておらず、色々やらかした。
とても小さな頃、お散歩途中で猫に出会い(私は現場に居合わせなかった)遊ぼ〜!と近寄って行き、シャーッとやられてしまった。片方の目の上を腫らして帰って来たのでびっくりした 。速攻病院に電話し、すぐにダッシュで連れて行った。幸い大事には至らずホッとした。以後、猫接近禁止令が出された。

ある時は、犬用のガム(骨の形をしたおやつで歯に良いと聞いた)を丸ごと飲み込み死にそうになった。
無理やり口に手を突っ込んで取り出し事なきを得たが、犬用ガムも禁止になった。
ジャーキーも危険だ。家族の誰かが必ず手に片端を持って、よく噛むように見張っていないといけない。
なかなか手のかかるるりおだった。

るりおは犬も人間も大好きで、特に大型犬が大好きだった。
お散歩途中に大型犬に出会うと、嬉しそうに尻尾をブンブン振り回し近づいて行くが、正直飼主の方がビビっていた。
ほとんど相手にされず、今度は飼主さんにすり寄って行き、「遊んでくれないんだよ~」と訴えに行く。
「あら〜かわいい」「ごめんね~遊べなくて」と声をかけてもらって嬉しそうなるりお。
怖がりのちびは私の足元に隠れ、るりお兄さんの様子をじっとうかがっている。(何考えてんの、るりお兄さん?ヤバくない?)とでも言いたそうに飼主を見る目が訴えていた。

ある日、るりおとちびをトリミングに連れて行った。
少し時間がかかるので飼主は一旦帰宅。
終わると電話で連絡してくれるので、待ち時間に家事が出来る。有り難い。掃除をし、洗濯物を取り込み…
電話連絡があり、いそいそと迎えに行く飼主。
カット前のボサボサから、可愛く変身した彼らを見るのはとても楽しい。
サロンに着くと、受付には誰もいない。奥ではみんな忙しそうだ。ふとカウンターの向こうを見ると、るりおがトコトコこちらに歩いて来る。
目が合った。次の瞬間るりおがこちらに向かって走って来た。えっ?ちょっ?
受付カウンターの内側には、お姉さんが座る椅子がある。るりおはピョンっと椅子にジャンプし(シーズー犬のジャンプ力侮るなかれ)、さらにピョンっ ! とあろうことかカウンターにジャンプした。
カバンを放り出し、飼主ダッシュ!!
カウンターから転げ落ちる寸前のるりおをキャッチした!! あぶっ、危なかった~。心臓がバクバクしていた。受付のお姉さんが(えっ?どういう事?)という顔で立ちすくんでいた。
カット後のるりおを野放しにしてはいけない…その日の教訓だった。お姉さんも「以後気をつけますね」と言ってくれた。
アクティブ過ぎるるりおだった。



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