甘糟って、それ誰よ?

はじめまして。甘糟りり子です。アマカスと読みます。ペンネームではなく本名です。神奈川県の横浜、鎌倉、藤沢辺りに多い苗字です。映画『ラスト・エンペラー』に出てくる甘粕大尉の孫ではありません(そもそもカスの字が違う)。亡くなった父は雑誌の編集者で、祖父は米屋を営んでいたそうです。

私は長らく文筆業をしております。

小説やエッセイ、コラムを書いております。著作は20冊ほど。きちんと数えたことがないのですが、だいたいそれぐらいかと思います。

最新刊は『鎌倉の家』。3歳の時から住んでいる鎌倉の家での暮らしや家族のことを書いたエッセイ集です。山と海、お寺と神社とサーフショップ、地元の人とセカンドハウス族と観光客が混在するこの街。都会のようで田舎のようで、というか。そんな街の四季や過去、それからそこに住んでいた家族のちょっとした光景を書いたつもりです。

その前に出したのは『産まなくても、産めなくても』と『産む、産まない、産めない』という短編集。タイトルからわかるように、出産にまつわる物語です。私自身は結婚も出産も(ついでにいうと同棲も)経験がありませんが、新しい家族の形を描きたいなあと考えていたら、このテーマにたどり着きました。ですので、私ごときが女性の生き方について語っちゃうこともたまにあります。

時々、「どんな小説を書いているんですか?」と聞かれるのですが、いつも答えにつまります。私はいったい、何を書いてきたんだろうか。いくら考えても、これという言葉が見つからず、挙げ句の果て、私って、誰?という気持ちになります。だからって、自分探しの旅なんかに出ませんけれどね。話は逸れますが、「自分探し」とか「自分にご褒美」とかその類のフレーズが苦手です。もっとカジュアルに「自分」でいようよ、と思っちゃう。

『産む〜』の前に書いていたのは、いわゆる恋愛小説というジャンルになると思います。その中のいくつかはエロティックな要素が強いものもあって、エロ作家なんて呼ぶ人もいました。私の書いたもので読者がエロい気分になってもらえるのなら嬉しいですが、ちゃんと機能しているのでしょうか。

さらに遡ると、若い頃は、世の中の流行をいち早く見つけてきて、それを自分なりに解説するのが主な仕事でした。自分では決して名乗っておりませんが、トレンドウォッチャーだのトレンドセッターだのといわれた時期もありました。あの頃出した『東京のレストラン』という本はけっこう売れたなあ。

そんな流行係も40歳近くになると、さすがにそういうのはもう自分の役目ではないなあと感じるようになり、ふらふら街をほっつき歩く代わりにトレーニングやランニングに熱中し始めます。その経験から、肉体改造にハマる人々を描いた小説『肉体派』や42歳の時に参加したロンドンマラソンへの一年間を綴ったエッセイ『マラソンウーマン』という著作が生まれました。ホテルに泊まってそこのジョギングマップを走るという女性誌の連載をまとめた『ホテルジョグ・ノート』なんていうのもありました。


こうして書き出してみれば、少しは私のことをわかっていただけると思ったのですが、ますます得体の知れない物書き感が強くなってきましたね。困ったなあ。

よく取材やコメントの依頼があるのは「バブル時代」や「バブル世代」についてです。私は1964年(昭和39年)の4月生まれ。そう、東京オリンピックの年です。前回のね。子供の頃はまだテレビは白黒だったし、トイレは汲み取り式が多かったし、『戦争を知らない子供たち』なんてフォークソングが流行っていたし、という時代です。その後、日本の高度経済成長とともに育ちました。自分の歩みと日本の経済的な歩みが同じ足並みだったのです。大学生になるとリゾートスポーツやらディスコなんてものが当たり前になり、社会に出てみると日本の景気が絶好調。過ぎ去った後に「バブル」なんて呼ばれるようになった乱痴気騒ぎの時代でした。勘違いもしちゃいますって。その頃に「若者」だった私がバブルを語り継いでいくのは、自分のやるべきことだと勝手に考えております。今年はバブル時代についての本を出す予定です。

かようにね、自分のキャラクターを説明するためのアイテムはいろいろとあるんですよ。しかし、どれも「帯に短し襷に長し」。あちこち気が散ってばかり、おいしそうなものを食い散らかしているだけではないだろうかなんて思うこともある。実際にそうなんです。ここで開き直るわけですが、私って雑誌的な人間なんだなあと気がつきました。たった今。

残念ながら、雑誌はきびしい状況にあります。正直いえば、あんなに雑誌が好きだった&雑誌で育った私でさえ、あんまり買わなくなりました。でも、それって形としての雑誌であって、雑誌的なスピリットが消えていくわけではないと思うんですよね。noteでは、自分の雑誌を作るようなつもりで、気が散るがままに、おいしそうなものを食い散らかす勢いで、あれこれ試してみたいと思います。チャラい私も意外とシリアスな私も、過去の自分も今日の自分も記録しておきたい。そうするときっと明日の「甘糟りり子」が見えてくるんだろうなあ。書きたくなったことを書きたいタイミングで。結局、誰なんだかわからずじまいかもしれませんが、よろしかったらおつきあいください。

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甘糟りり子

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