創作童話『ララちゃんとふわふわちゃん』*4「ぬいぐるみのよろこび」



ふわんっ


ピンク色のおうちの前で、ララちゃんはまた、毛布の地面に落っこちました。

「ねぇ、ふわふわちゃん!降りる方法って他にないの?!」


「だいじょうぶにゃ。
ぬいぐるみの国では、ぜったいに けがをしないにゃ。
それに、地面は毛布で出来ているから、落ちても気持ちいいにゃん。」

「うん、たしかにそうだなぁ。
あ!
ところで、ここがふわふわちゃんのおうち?!」


「そうにゃん。
ここにきょうだいがしゅんでいるんにゃよ。」

そう言って、ふわふわちゃんは、ピンク色のドアを開けました。


「ただいまにゃー。」


すると、なんということでしょう!
ふわふわちゃんにそっくりなねこのぬいぐるみが、20人やってきました。


にゃーごにゃーご

にゃーにゃーにゃんにゃん

にゃにゃにゃにゃにゃにゃにゃー

みんなしきりに何か言っています。


「わぁ〜!
ふわふわちゃんがいっぱいだぁ〜〜!!
かわいい!かわいい!かわいい〜〜!!!」


ララちゃんは、飛び上がって喜びました。

「こんにちは!わたしララです!
ふわふわちゃんと一緒に、地球から来ました!」

にゃーにゃー


にゃんにゃん


にゃーごにゃーごにゃーご

きょうだい達は、ふわふわちゃんに何か言っているようです。

「ねぇ、ふわふわちゃん、みんな何て言ってるの?」


「抱っこちてほちいって言ってるにゃ。
ぬいぐるみは、人間に抱っこちてもらうのが、一番のよろこびなのにゃ。」


「わぁ!そうなの?!
わたし、ぬいぐるみ抱っこするの、だ〜いすき!!
こんなにたくさん抱っこできるなんて、夢みたい!!」

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