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夏の樹液木探し

2019.7.5

定時で仕事を終わらせて、
急いで衣類をバッグに詰め込み、
独り車を走らせた。

PM 10:55

第1ポイントに到着し、
ラダーを抱えながら藪を掻き分けていく。

背丈を越える藪に翻弄されながら、
目的の樹まで間髪入れずに向かった。

汗が滲み始め、
目的の樹の前でラダーを降ろし、
樹を見上げた。

すると、赤光りする真夏の暴君が
私の光に慌てる事もなく
どっしりと存在感を放っていた。

君に用は無いのだよと
ラダーを伸ばし、辺りを確かめる。

良いサイズのスジクワガタを見過ごし、
本命ブラックダイヤモンドを探すも
樹液も少なくその姿は無かった。

車に戻り、
別ポイントを選定し、
車を走らせた。

夜の風は気持ちが良く、
窓を開ける。

今にも落ちて来そうな星に目をやりながら
記した地で停車させ、クヌギへと歩いて行くと、
樹の根元にある赤いキャップのボトルが
目に入った。

胸騒ぎがする中、
それを拾い上げて赤いキャップを
目にした際、嫌悪感が胸に宿った。

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