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猫も私もパーフェクト

旅先から戻り、すっかりなんにもしない数日を過ごした。友人と会う約束をしておいてよかったな。それを機会にちょっとギアチェンジできた。前からずっと行きたかった山の上ホテルで、白鳥の乗ったプリンアラモードを食べた。

今日は、猫とともに夜明け前に起床し、ひととおりの家事を終えてから、借りていたDVDを観た。『落下の王国』。もう最初のシーンから主人公の女の子に釘付けになり、終盤はずっと涙と鼻水でぐしょぐしょだった。彼女と出会った青年と同じように、私もまた彼女の一挙手一投足、その一言一言にどうしようもなく救われてしまった。

圧倒的な物語に出会ったとき、心の中も生活空間も分厚い静寂に包まれる。
何を考えるでもなく、その分厚いものにくるまるみたいにただ身を委ねて午後を過ごした。夕方に降り出した激しい雨に耳を澄ませて、猫を見つめていた。

猫は、いついかなる瞬間もパーフェクトな存在だ。同じ命であるならば、私ももしかしたらパーフェクトな一瞬一瞬を生きているのかもしれない。

もう一度旅に出て、それからは新しい仕事がはじまる。それまでの間、もう少しこの静寂の余韻を楽しんでいようと思う。