ツインレイ〜彼の孤独とか
彼と会って最初の頃。
まだろくに話もしてない時。
突然、急に、あ、この人はつらい景色を見てきた人だ、って、分かった瞬間があった。
もっと言えば、彼の孤独みたいなものが、ぐわっと、私の中に入り込んできた瞬間で、私は思わず、彼のことを、見た。
その時彼が履いていた、スニーカーの、その白い色までも、哀しく見えた。
後から考えたら、それは、私の見てきた景色であったり、私の抱えていた孤独でもあったのかもしれなかった。
でも、私が、彼に心を引っ張られた、間違いなく最初の瞬間でもあった。
実際、後に知るほどに、彼はいろんなものを抱えていた。
一人で。
いっぱい、イヤな思いをしたり、大変なことを乗り越えながら、生きてきていた。
それを知った私は、彼の背負っている重荷を軽くしてあげたいと思った。
私にできることなら何だってする、って、バカみたいに、本気でそう思って、そんな自分に私は驚いていた。
でも、現実に、私のできることは、なかった。
できるのは、彼の隣にいる、奥さん、という立場の人だけだった。
私のほうが、彼をもっとラクにしてあげられるのに、彼を癒やしてあげられるのに。
そう思っていても、でも、現実的には、私は何もできなくて、こんなに好きなのに、こんなに思ってるのに、って、ただ歯がゆかった。
祈ることしかできない、のが、つらかった。
何かしてあげなくちゃ、愛されることはない、とも思っていたのかもしれなかった。
でも、だんだんと分かってくる。
私が、彼の現実に関与できないのは、助けてあげられないのは、当然のことかもしれない、って。
彼の学びは彼の学びであって、私が代わってあげることはできないのだから。
私に私の学びがあるように、彼には彼の学びがある、ただそれだけのことだから。
だから、私は、自分の学びに集中する。
私が、自分自身と向き合って、やるべきことに取り組んで、学んでいったら、私は少し成長できて、それは、彼のためにも、なる。
二人の、魂の、ためになる。
彼の気持ちが入ってくる時がある。
つらい現実の中、私を求めてる時がある。
やってらんない、会わないとムリ、って言ってたり、私のところに帰りたい、とか言ったりもする。
助けて、って言ってくる時もある。
そんな時、私は、彼に、愛を送る。
彼を愛で包む。
魂の世界で、彼を愛すること、彼に安らぎを与えること、殺伐とした現実を越えてゆく力を湧き立たせること。
それは、私にしか、できないことだ。
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