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ツインレイ〜自分史上最高の?

初めて彼の気持ちが聞こえてきたのは、仕事絡みで三回目に会う日の朝だった。

『デートなら三回目なんてホテル行ってもいいくらいなのに』って。

ツインレイのテレパシーなんて知らなかったから、何今の?って面食らった。

その後しばらく、彼が私のことを好意的にみてくれてる、のも伝わってきたけれど、もうひとつ、私に伝わってくる彼の気持ちがあった。

それは
『若い頃なら、鼻も引っ掛けないような相手なのになあ』
って不思議がってる彼の気持ち(笑)。



若い頃、と言っても、お互いに同じくらいに若い世界線は存在しないのだけれど(笑)、仮にあったとして、お互い20代で独身で、の世界が。

多分、私たちに接点はなかった、と思う。

仮にあったとしても、こちらに筒抜けになった彼の気持ちの通り、多分、彼は私に見向きもしなかっただろう。

彼は私以上の、やっぱり一見華やかな仕事に就いていたから、出会う相手、付き合う相手には事欠かなかったはずだ。

そして若い頃の私はと言えば、付き合う相手には、ひとつふたつ、ガチガチの外せない条件があって、そのどちらにもあてはまらない彼は、もう絶対、付き合うとかそういう相手ではなかった。

だから、若い頃は鼻も引っ掛けない相手、であったのはお互いさまだったかもしれない。


そんな高慢ちきな20代前半を過ぎ、20代後半くらいから私はいろんな経験をして、鍛えられて、少しはまともな人間になってきたと思っていて、そして40代後半になって、彼と出会った。

彼もまた、この10年ほどは特に、やっぱりいろんなことがあって、いっぱいいっぱい頑張って生きてきていた。

そうして、私たちは、出会った。

そうして、すぐにお互いに惹かれた。


お互い、いろんなことを経てきたから、鍛えられてきたから、頑張って生きてきたから、だから、お互いの良さが分かったのかもしれなかった。



5年前、10年前、もっともっと、20年以上も前の写真を見ると、ああ、若かったなあ、ってつくづく思う。

肌のハリとか化粧のノリとか、当たり前だけど、今と全然違う。

ああ、この頃に出会えてたらなあ、って思った一瞬後には、待って、この時は、彼はさらに若いってことじゃん、って気付いて、笑うしかない。

でも、もし、その頃に出会ってても、お互い、何も気付かなかったかもしれないし、何より私は、その頃の私よりも、今の私のほうが間違いなく、好きだ。

5年前、10年前、20年前も、私は頑張って生きていた。

でも、やっぱり、今の私のほうが、もっと言えば、彼と出会って、泣いて泣いて、自分といっぱい向き合って頑張ってる今の私が、私は好きで好きで、可愛くて、バカみたいに愛おしい。

だから、やっぱり、今の私は、彼のことが、好きで好きで、バカみたいに好きだ。

こうやって私は、これからも、どんどんどんどん、自分史上最高の自分になっていって、自分を愛おしんで、そうして愛溢れる存在になって、女性として、美しく、愛されて、生きる。

私が自分史上最高の自分にどんどんなってゆくことで、彼への愛も、どんどんどんどん大きくなって、彼を包んであげられる。

それは、彼と私にとって、最高の幸せだ。


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