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一期一会

昨日の記事にも書いたけれど、私は、noteでの出会いに勝手にご縁を感じている。

でも、それと同時に、ここで出会うべき人に出会えたのなら、その時は、私はひょいっとnoteをやめるんだろうな、とも感じている。

それは多分、フォロワー何人くらい、という感じで、私の中には、大体の数字もまた浮かんでいるけれど、でもその前であっても、ネタ切れ〜となったらやめちゃってるかもしれない。

アマチュアのありがたさよ(笑)。

プロであれば、そうはいかない。

ネタ切れ、とか言えるはずもなく、振り絞ってまでも、常に一定水準以上の作品を産み出してゆくことが求められるし、そして世間の無責任な批評をも全て受け止めなければならない。

それはやっぱりすごいことだ。

プロに対する、そんな畏敬の念はあるけれど、その一方で、プロとアマチュアの違いは何だろう、と考えたりもする。

世間的にはメガヒットとなった曲でも、私の中には何も響かなくて、ただ一瞬、すれ違っただけのストリートミュージシャンの歌った声が、歌詞が、ずっと残っていることもある。


二十代の頃に読んで、ずっーと好きだった小説があるのだけれど、その作品は、ある年の芥川賞候補にもなっていた。

でも、芥川賞受賞作、はみんな知っていたり話題にはなっても、誰も、芥川賞候補作、のことなんか知らない。当たり前かもしれないけど。

そんな、理不尽、というのとはちょっと違うけれど、こんなに素敵な作品なのに、私にはこんなに響いたのに、何で世間は分かってくれなくて、賞を取ったとか流行ってるっていう話題性だけで、どうしてみーんなおんなじ方向を向いちゃうんだろう、っていうちょっとしたさみしさみたいなもの。

でも、私にはすごく大事な作品だから、私にとっては、芥川賞受賞、っていう華々しいフレーズよりも、ただ、その作品が大事、っていう気持ち。

読みながら流した涙とか、その時の、狭いお部屋の畳とか、窓から見えた景色とか、何より当時の自分自身の気持ちとか、そういうものがその作品を読み返すと、全部詰まってて、それを思い出すことは、少し大袈裟に言えば、私の中で、ひとつ、原点に帰るような行為でもあったりする。


人が作り出したものが、人の心に響くとか、そういうことって、決して、どれだけ売れたとか、どんな賞を取ったとか、そういうのだけでは計れないって思う。

そうして、このnoteで出会う作品の数々にも、私はたくさん心を動かされていて、あるアカウントでは開いた途端、大泣きしてたりもして、つまり、素敵な作品とたくさん出会えている。

世間的に有名であること、それはもちろんひとつの価値ではあるけれど、でも名もなき誰かの作品がやっぱり名もなき誰かを救う。
そんなことが自然と可能となっているのがこのnoteという空間な気がする。


作品に触れて、救われた、って思う時、涙が出る時、ああ、この人は、私と同じ瞳を持っている、って思ったりする。


川端康成だったか、円地文子だったかの小説に、好きな男と二人で歩いていた女性主人公が、暗がりの中、池の鯉をじっと見つめて、それに気付いた男が、あなたはそんなものが目に付くからいけない、と言うシーンがある。
私の好きなシーンだ。

私も、暗がりの池の鯉が目に付く女だった。
たとえ好きな男といようと。
そして、それを目ざとく諭す男もまた、暗がりの池の鯉が目に付く男に違いなかった。


そんな、同じものが見えちゃう同士。

やっぱり私は勝手に親近感を覚えたり、応援したりしている。

コメントしたいな、とか、お話してみたいな、とか思うだけでできなかったり、勢いにまかせてコメントしちゃったり。

いきなり長いコメントを送られてドン引きされたりもしてるかもしれない(笑)

でも。
一期一会だと思って。

ネタ切れになったら、や~めた、ってやめちゃうような人間だから(笑)ふっと愛を感じたら、ふっとすくい取って、消えないうちに、送らせてください。


見ず知らずの人からふっともらった、思いがけない優しさって、ずっと心に残る。

その時は突然で、うまくお礼を言えなかったりしたとしても、後になってから、あの時はありがとう、って心から思ったりする。
そうして、私もそんな優しさをいつか別の誰かに手渡せたらな、って思ったり。

多分、世界はそんな無数の優しさで周ってる。

恩送り、って言葉があるように、誰かの優しさが、次の誰かへの優しさへとつながっていく、多分。

おんなじように、誰かの作品が、誰かの心を動かしたら、今度はその誰かが、その人なりの表現で、別の誰かの心を動かしていくかもしれない。

人の心を、魂を動かす、ってすごいことだ。

話題性とか、人気とか、そういう基準だけでは計れない、でも、確実に、誰かの心を救ってる、照らしてる、そんな、あったかい力。

そんなあったかい力を持つあなたの作品が、あなたの眼差しが、私は大好きです。






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