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舞台ジャンヌ・ダルク@東京建物Brillia HALL

舞台「ジャンヌ・ダルク」を観てきました!

個人的には初のブリリア!

いや、もう本当にすごい舞台だった…
ド迫力。圧巻。壮大。
相変わらず語彙力はないけれど、この舞台を観て現時点で感じたことを忘れないように書いておこうと思います。


※ガッツリネタバレありです。まだ観てない方はご注意ください。
※小関くんのファンなので、主にシャルルのことを書いています





【第一幕】
果耶ジャンヌの第一声。
聞いた瞬間に『ジャンヌだ…』って思った。
私が知っている果耶ちゃんの声(といってもインタビューとか番宣のときに少し拝見しただけなのですが)は、落ち着いていて、どちらかというと柔らかい感じの声だと思っていたので、こんなに凛とした、時として尖った声が出せるんだってビックリしました。
この声があることでグッと物語に引き込まれる。

場面変わって小関シャルル登場。
第一印象が、"シャルル、背デカいな…"だった。
小関くんが180cmあることは知っているし、ハンサムライブとかでも近くで見たことはあったから背が高いのは分かってはいたけれど、なんかめちゃくちゃ大きく見えた。
でもこの背の高さが良い方に働いているなぁって感じた。衣装が映えるし、必然的に(ほとんどの)相手を見下ろす形で会話することになるから、自然と"圧"が出る。

そしてシャルル、面倒くさい男すぎるだろ…笑
卑屈で、捻くれ者で、周りの誰のことも信用していない。
『どうせ僕なんか…』って思ってる。その不満を周りにぶつける。ほんの些細なことで腹を立てる。こっちは怒らせるつもりなんて微塵もないのに急に怒りスイッチが入る。幼くて、人間として非常に扱いにくいタイプ。(ここまでくるとむしろ可愛いとすら思えてくる)(オタクなので許してほしい)

でもさ。シャルルって周りだけじゃなくて、誰よりも自分自身のことを信じていないんだよね。
自分は本当に父の子どもなのか?不義密通でできた子どもじゃないのか?自分は国王の座にいるべき人間なのか?
そんな状態で国王だと周りから言われても自信が持てるわけがないし、そりゃああいう性格にもなるよな…って気がした。孤独で、すごく可哀想な人。
この段階ではこんなシャルルだけど、これから二幕にかけてグラデーションのように気持ちも表情も変化していくんだからすごい(その話はまた後ほど)。

ジャンヌとシャルルが初めて出会うシーン
ここでのシャルルの変化。
最初は訝しんでいたシャルルが、ジャンヌにある"奇跡"を見せられることによって、ちょっと俄かには信じられないけれど彼女は只者ではないと思い始め、ジャンヌの言葉によって少しずつ前向きになって、気持ちが本当の意味での"国王"に一歩近づく。自然と声に張りが出る。
"神が(自分こそが)国王であると言っている"と知って嬉しさが滲み出ている表情。輝いている目。若干単純なところもある小関シャルル、あまりにも可愛すぎるんですが…(頭抱え)
誰のことも信じていないけれど、ジャンヌのことは信じたっていう対比がはっきりしているなぁと思った。
シャルルが欲しい言葉ど真ん中をジャンヌがくれたっていうのが大きかったんだろうな。だから信じた。シャルルにとってジャンヌは特別な存在なんだよね。


イングランド軍vsフランス軍
敵なんですけど、タルボット将軍カッコ良すぎません…??
一目みただけで"圧倒的に強い"ことが分かる身のこなし。マジカッコいいです。残念ながら敵だけど。

そしてこの最強将軍に勝つジャンヌよ。
イングランド軍からしたら絶望ですわ…この将軍で勝てないんじゃ絶対勝てん。ジャンヌこわい。

反撃シーンは圧巻でした。ずっと口開いてた。
客席降りなんてもんじゃないし、舞台の中に客席作りました!みたいになっているのヤバすぎる。
最前列で観ていたときは自分の足元50cmに兵士が転がってくるし(さすがにビビってちょっと避けてしまった)
個人的には初ブリリアだったんですけれど、足音が結構響く劇場だなぁって入った瞬間感じていて。でもこのシーンではそれが上手く作用していて、約100人が駆け巡る足音が地響きみたいになっていて臨場感がすごかった。

果耶ジャンヌの『行けぇぇぇぇぇぇぇ…!!』
迫力あったなぁ…こんな声も出せるんだ、スゴい。あれは士気が高まるわ。

あともう一つ感動したのが、あれだけ大人数の役者さんが出ていて、誰1人として手を抜いていなかったこと。
最前列で拝見したとき、"これは他の席からはほとんど見えてないだろうな"っていう位置にいる兵士もお芝居がとっても細かかった。
みんなが全力で、フランスのために命をかけて戦っている様を間近で見て、すごく胸が熱くなって気づいたら涙が出ていました。
自分もフランス軍の一員になったかのような気持ちにさせてもらった。気をつけないと自分も思わず声が出ちゃうくらいの熱量。本当に素晴らしかったです。

オルレアン奪還の知らせを受けたシャルル
『私の可愛い乙女よ、ラ・ピュセルよ…!』
ここのキラッキラの笑顔な…可愛いのは貴方なんだわ…(感想がオタクでごめん)

シャルルがジャンヌを個人的に褒めるシーン
後で明らかになりますが、シャルルがジャンヌの兄だと知った上でこのシーンを見ると、シャルルの表情が急に"お兄ちゃん"に見えてくるから不思議。
でもその後急にキレるのは解せん。
誰もシャルルのこと急き立ててなんかいないんだわ…ちょっと落ち着いてほしいぜ…

戴冠式のシーン
小関シャルルが美しすぎる。
これに尽きる。"美"という抽象的な概念を目に見えるようにしたらこうなるって感じ。
濃いブルーの羽織物が世界一似合う。キラキラの王冠を被る瞬間もとても神秘的で。
男性でこんなに"美しい"って言葉が似合う人はなかなかいないかも。

小関くん、改めて王が似合う。
キングダムのときも思ったけれど、ご本人が持ち合わせている品もあって、なんかとにかく似合うんだよね…(語彙力なさすぎて伝わらん)

『私はフランス国王、シャルル7世である!』
このときの小関シャルル、少しだけ瞳が潤んでいるんですよね。瞳がダイヤモンドとはこのことか…

ところで、なぜこのシャルル様の美ビジュ爆イケアクスタがグッズにないんでしょうか。誰か理由を教えてください。
あのブルーの衣装はどのメディアにも出てないですよね?あれが劇場に来た人しか見れないなんて世界の損失だろ…
せめてステフォが欲しい。あとで長文のアンケート(という名の嘆願書)を公式さんに送ろうと思います。


【第二幕】
無事に戴冠式を終えたシャルル
正式に国王になったことで、国を背負う責任感が増してジャンヌの進言すらも退けるようになる。
でもこの一見冷たい態度も心の底からそうしたいわけではないというか、葛藤の末こうなってしまっているのが分かるんだよな…なんなんだろうこの繊細さ。

レイモンとの別れ
おやっさん…(号泣)
坪倉さんのレイモン、すごく良かったです。
最期まで、ジャンヌが生きてフランスが勝利することを願ってた。
おやっさんがいなかったら、ジャンヌはもっと早く捕まっていたかもしれないし、命を落としていたかもしれない。まじで大好きだった。
このシーンのケヴィンの叫びも悲痛で、本当に胸が苦しい。

ケヴィン役の島村さん、稽古期間中盤での出演者交代で本当に大変だったと思いますが、おやっさんとのコンビ、必死にジャンヌを守ろうとする姿、とっても素敵でした。

出演者交代といえばスウィングキャストの田口さんと渡邊さんも。舞台を止めないでくれて本当にありがとうございます。
短時間で殺陣やセリフを完璧に覚えて実践できるってスゴい。お二人のお芝居も観れて良かった。

ジャンヌの秘密が明らかになるシーン
ここの小関シャルルの表情の変化、めちゃくちゃ繊細なので全人類見てほしい。
実の妹を、自分の王座のため、フランスのために見殺しにしないといけない葛藤。察するに余りある。
どんどん瞳が潤んで、ツーって涙を流すタイミングの完璧さ(涙のコントロール能力どうなっているんだ…?)。鼻を真っ赤にして泣くシャルルを見てこっちも泣いちゃう。
国王だけど、垣間見える"お兄ちゃん"の顔に号泣だよ…こんなにしんどいことがあるかよ…

最前列で見てた時もこのシーンはがっつりオペラ構えました。こんな至近距離でオペラ構えるオタクで申し訳ない。でもこの泣きのお芝居は絶対見逃したくなかった。

今回の再再演でシャルル役の年齢を下げた意味。
小関くんが『シャルルとジャンヌの年齢が近いことでいろんな風に見える。男女だし』と言っていた理由。
前回と前々回の舞台を私は見ていないのであれですが、このキャスティングはきっと間違ってなかっただろうなって思いました。

異端審問
なんだこの胸糞悪い裁判は……
唯一の救いはベッドフォード殿下がまだ人間の心を持っているところ。

コーションのやり方に異を唱えて、敵ながらジャンヌに寄り添おうとする姿。
最後、ジャンヌに十字架をかけるシーンとか涙で視界がぼやけまくりだった。
『そなたがイングランドの旗を振ってくれていれば、良かったのだがな』
なんでこうなってしまったのか…苦しすぎる。

果耶ジャンヌ、最期まで凛としていてカッコよかったなぁ…
あの意志の強い瞳を見たから、ベッドフォード殿下も心を寄せたんだろうな。

ジャンヌの死を知ったシャルル
『私ができないことすべてを、せめて彼女に叶えてほしかったんだ。それなのに、なぜ!なぜ彼女が死ぬ…!』
ここの悲しみと怒りのお芝居、凄かった…
こんなに感情を露わにして、大声で怒鳴る小関くん初めて見たかも。
でも怒鳴っても品が完全には失われないのが不思議なんだよなぁ…あれは小関くん由来の品もあるのかな、なんて。

そしてここからの切り替えがまた圧巻で
『今更ではない、今からだ!フランスは滅びない。このシャルルが王である限り、滅ぼしてたまるものか。彼女が描いた明日を、この手で作る。それが私に示された道だ。そうだな、ジャンヌ。我が愛しき乙女、ジャンヌ・ダルクよ…!』

出自のこと、自分を裏切った母親のこと、王族であることを嫌い、自分で自分を信じられなかったシャルルとはまるで別人で、ジャンヌの死を絶対に無駄にしない、絶対に戦争を終わらせるんだと力強く宣言する姿に胸を打たれた。この国王なら大丈夫だと思えた。

シャルル7世、難しい役だったと思うけれど小関くんが受けてくれて本当に良かった。
この役を経て、小関くんが得たものをまたいつか教えてくれたら嬉しいな。

ラスト0番で、堂々と立って未来を見据えるシャルル様、最高にカッコよかったです。
後に"勝利王"って言われる理由がよく分かる。


カテコ
マントを翻すシャルル様、最後まで所作が美しい…
小関くんが胸に手をあてて礼をするの好きなんだよなぁ
果耶ちゃんも、小関くんも、深々と礼をしていたのが印象的でした。
お二人とも、最後までジャンヌで、シャルルだった。


Xの方にも書きましたが
現代ではお芝居として観れているけれど、これ史実なんだもんな…
実際に10代の1人の少女が政治に、時代に翻弄されて命を落としたんだもんな…
10代だぞ…人生まだまだこれからじゃん。(時代は違えど)本来なら勉強して、部活をして、恋をして、キラキラしている歳のはず。
そう思うと、彼女の人生の意味を考えずにはいられない。どうして命を落とさなければいけなかったのか。

今この瞬間も世界のある場所では戦争が続いているわけで。それに巻き込まれて命を落としている人が実際にいるわけで。
そんな現代にこの舞台が上演される意味って絶対あると思う。

私が信じたい"声"はなんだろうなぁ…
難しい問題でなかなか答えが見つからないけれど、少なくとも誰かに恥じることのない選択をしていけるように、周りの声にも耳を傾けることを忘れず、でも自分の気持ちも大事にしながら生きていきたいなぁって思っています。

本当に素晴らしい舞台でした。
心の底から、観て良かったです。

全然まとまりがない感想で、しかもめちゃくちゃ長くなってしまいましたが…
最後に。どうか大千穐楽まで怪我なく、無事に駆け抜けられますよう祈っています。

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