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エッセイが好きだ

ここ最近、エッセイばかり読んでいる。
浅生鴨さんの『どこでもない場所』、
高木正勝さんの『こといづ』、
そして、今日読み終わったのが、西加奈子さんの『この話、続けてもいいですか。』。

エッセイはノンフィクションで、筆者自身の身の回りで起こった出来事が綴られている。
一人の人間の日常であるはずなのに、私が直近で読んだこれらのエッセイ集は、どこを切り取っても、本当に面白い。
一口に面白いと言っても種類があって、その面白さは三者三様である。
私の周りにもありそうな日常を筆者ならではの視点、考え方で綴っていて、参考にしたくなるような面白さ。私とは全く異なる生活環境の中での日常を綴っていて、新たな気づきをもたらしてくれる面白さ。お腹を抱えて笑ってしまう面白さ。
どの面白さも、私がエッセイを書けと言われても出せないだろうなぁと感じてしまう。
エッセイを書く人の周りで面白いことが起きやすいのか、普段から面白い出来事によく遭遇する人がエッセイを書くことになるのか、平凡な日常を面白く書く筆者の腕前なのか…
とにかく、上で挙げた3冊のエッセイ集はすべて当たりで、エッセイって良いな〜〜という気持ちが今、爆発しているのである。

このnoteでは、読後の熱がいまだ冷めやらぬ、西加奈子さんの『この話、続けてもいいですか。』のことを書こうと思う。

私の好きな作家ランキングで5本の指に入るくらい、私は西加奈子さんの小説が大好きなのだけれど、エッセイは今まで読んだことがなかった。
テレビで拝見したりして、西さん、絶対面白い人だろうなぁとは思っていたけれど、やっぱり面白かった。

まず、バカみたいに面白いので、公共の場で読むのは避けた方がいいです、とこれから読む人にはアドバイスしたい。
西さんの身の回りの面白い人たち、面白い出来事、西さん自身の面白い目の付け所が生き生きと書かれていて、読んでいるこちらの方が恥ずかしくなるくらい正直で、読者を笑わせようと全力な文章。終始笑いっぱなしで読んでいた。

…かと思いきや、エッセイ集が終わりに近づくにつれて、ことばや文章に真剣に向き合うプロの小説家としての西さんが顔をのぞかせるのである。お腹を抱えるほど笑わせておきながら、急に、泣けるほど真剣で美しい文章を突きつけてくる。
西さんの読書観を変え、小説家になりたいと思うきっかけとなった『青い眼がほしい』のことが書かれたエッセイ「青い眼がほしい」では、私もこの小説を読まなければ、と思わされるほど惹きこまれた。
31歳のお誕生日に、生まれた日のことが書かれた手紙をお母さんからもらった話が綴られたエッセイ「手紙」では、当事者でない私まで泣きそうになってしまうほどの圧倒的な文章のパワーを感じた。
ふっと、真面目な顔をのぞかせる西さん、ずるい。

中島たい子さんによる解説も秀逸だった。私がここまで熱く語ってきたことを、過不足のない、しかも愛のある文章で表現している。
これから本文を読もうとして解説から先に読む人への配慮もあって素敵。

これで私はさらに西さんのファンになったし、エッセイというもの自体が大好きになった。

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りさ

1997年生まれ。 ことばと音楽と旅が好きです。 2019年4月〜モロッコ。
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