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小さい本棚ひとつ分の本

先日大量の紙の本や漫画をブックオフした。断捨離のポイントのひとつとして、買い戻す事が可能かどうかというのがあると思うが、本や漫画は比較的それに該当するのでスムーズにLOVE PHANTOMが出来た。いらない、なにも、すててしまおう、そして生まれる段ボール15箱、へい。でもゼロにはならなかった。三つあった本棚のうち一番小さい本棚ひとつ分だけ残した。
 どんな本や漫画も読めば彼らは私達に何かしらを与えてくれる。そして時にその何かしらは買い戻せない付加価値を彼ら自体に与える。思い出や、思い入れや、大袈裟に言えば人生に影響を受けた、とかなんとか。それらを持っている一番小さい本棚ひとつ分に収まっている本や漫画の一部を備忘録として書き出しておく。

敬称略

1.真田太平記 全十二巻 池波正太郎

テレビドラマ版もこの小説も好き過ぎて聖地巡礼を一番やった作品。九度山も大阪も行った。一時期は上田市に毎年通っていた。とてもとても懐かしい。
お城の堀を散策して、刀屋で真田そば(小)を食べて、真田太平記館に行って、駅前のろばた焼き幸村でおたぐり(馬のもつ煮)食べて、大将と一緒に日本酒を飲んで、宿泊先の相鉄フレッサイン長野の部屋のベッド手前で力尽きて泥酔、チェックアウト後にカラオケで死屍累々、メロンクリームソーダで糖分摂取してからくも蘇生したりしていたこと…途中から真田は関係ないただの駄目人間だった!
この本はただそこに並んでいるだけで、そんな数々の甘酸っぱい(胃的にも)景色が次から次へと思い起こされる大事な本だ。ここ数年はコロナ渦やシャンシャン沼へダイブ事件もあって足が遠のいてたが、これからも新たな思い出を節度と礼節を保って刻んでいきたい。日本酒を飲むなら倍の水を飲んで下さい。それを和み水といいます。

2.影武者徳川家康 全三巻 隆慶一郎

SAKON(左近) -戦国風雲録-ではない。あれはあれでよいものだけど全くの別物です。あくまで世良田二郎三郎が主役のこの時代小説をどれだけ私達が愛し、何度も何度も何度も何度も執拗に読み返してきたか。言葉より実物でドン。

そもそもブックオフ出来るレベルじゃない

本を大事にする気持ちを大事にする読書家からは一発退場レッドカードを食らう事間違いないしの自信があるが、恥じる気はあまりない。YOUは影武者徳川家康何回読んだの?選手権があったら、入賞は堅いと思ってるからだ。学生時代から今に至るまでどんな年齢、どんな環境の時に読み直してもわくわく感が色褪せる事は一度もなかった。ただこれはこの作品に限ったことではないけれど、登場人物への思い入れの転遷はその時々で結構激しい。でも風魔小太郎パッパはずっと好き(*´-`)

3.小説十八史略 全六巻 陳舜臣

上の2作品が私達にとっての日本の戦国物の礎なら、こちらは中国物の礎。封神演義と三国志演義しか知らなかった中国史の世界の入り口がシリコンになってぐいぐい伸びた。なんかたとえがえっちだ。ここから早口で一息に。こちらの妲己の解釈は色んな妲己を知ってるけどもろにドストライクだし、武王は痔になれと思うし、霍去病と衛青という天然俺様最強甥っ子×寡黙根暗優秀叔父さんというどえらい性癖パンチも飛んでくるし、三国時代の司馬家滅亡要因の八王の乱が流石の陳先生もややこしさにお手上げなのか突然の年表でピューと吹くジャガーさんの最終回を思い出して毎回笑ってしまう。脳内で司馬懿が温めますか?って聞いてくるからボンッてする。

こちらもブックオフ出来るレベルじゃない

→そのうち次回へ(多分ない)

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