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【島で生きる皆さま・リトケイ読者の皆さまへ】リトケイより2021年の挨拶

明けましておめでとうございます。
離島経済新聞社統括編集長の鯨本あつこです。

2021年は新型コロナ感染の急増や、大寒波など
濃霧どころか、猛吹雪のようなスタートになりました。

いま現在、苦しい状況にある方も多くいらっしゃるかと思います。

膝を抱え、頭を抱え、
心が闇に埋もれてしまいそうになる時もありますが、
何より大事なのは、心とからだが健やかであることです。

恐ろしいニュースや、不確かな情報や噂話に気持ちが沈みそうな時は、
深呼吸をして、心にある島々を思い浮かべてみてください。

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利尻島は今頃、利尻山が真っ白に雪化粧しているでしょう。
小笠原諸島では、鯨がジャンプしているかもしれません。
瀬戸内海の島々は、みかんの収穫に忙しい時期でしょうか。
佐渡島の港では立派な寒ブリが水揚げされ、
隠岐諸島にはぷりぷりの冬牡蠣が並び、
長崎の島々にも冬の味覚があふれているでしょう。
奄美群島では島唄の音がひびき、
宮古島では鮮やかなブーゲンビリアが風に揺れ、
西表島ではヤマネコがこっそりあくびしているかもしれません。
そして与那国島では今日も、日本で最後の夕日が沈みます。

自然の美しさや壮大さがあれば、人の心は浄化され、
人の温かさにふれることで、
人は生きる勇気をもつことができるように思います。

不安がうずまく毎日だからこそ、
日本の島々のように、美しく、強く、温かい場所を
心に浮かべることができる人は(あるいは住んでいる人は)、
それだけでも幸せかもしれません。

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さて、
島を思い浮かべていただいたところで、本題。
リトケイから2021年に向けた思いを共有したいと思います。

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まず2020年のリトケイを振り返ると、
活動開始から10周年(!)を迎えるという
ビッグな出来事がありました。

さかのぼること2010年。
「日本の有人離島メディアを立ち上げる!」

と言い放ち、企画書を片手に
あちらこちらに説明をしていた頃は、
「で、どうやって続けていくの? 」

とあしらわれたことも多々ありました。
(今、同じような企画書を持ってきた若者がいたら
私自身も似たようなことを感じるかもしれません)

そんな無謀感たっぷりの地図(企画書)をもとに、
楽観的な私と大久保含む立ち上げメンバーは、
リトケイの旗をかかげ、そのまま大海原へ出発。
それから数年間、荒波をこえつづけ(苦笑)、
気づけば10年経ちました。

この間、
「この人たちは何者なんだろう?」
と思われていた島の皆さんや、
読者の皆さんも多かったと思いますし、
今もなおそう感じている方はいらっしゃるでしょう。
(追い追いこのnoteで説明していきたいと思います)

実際、私たち自身、
日々の活動に時間を費やすあまり、
私たち自身が何を志し、どんな活動をし、
どんな日々を送っているのかなどは、
たいして伝えてこれなかったので、無理はありません。
(メディアはつくっているというのに!)

ですから、2020年10月の10周年を前に一念発起し、
公式サイトをリニューアルしました(パチパチ)。

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このサイト(www.ritokei.org)には、リトケイが何を志し、
どんな活動をし、どんな日々を送っているのかをまとめています。

詳しくは、サイトをご覧いただけるとうれしいですが、
リトケイが何を志し、どんな活動をしているのか? の大元にある
リトケイのミッションステートメントを紹介します。

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リトケイの活動は
おのすべてが「島の宝を未来につなぐ」ことにつながるものであり、
そのために必要な活動を、都度、考えながら行っています。

「島の宝」の定義は人それぞれで、
島のそれぞれでも異なります。

島で生きる人、島を想う人など、
島を大事にする人がそれぞれ想う「宝」のなかから、
その存在を消しまいという動きを支え、
その存在の価値を伝える働きをすることが
リトケイの活動軸にあります。

島で生きる人、島を想う人をとりまく環境には
島を支えるさまざまな人や団体や取り組みや政策があります。

ですが、日本の海は広く、
数人から数万人規模の島が東西南北数千キロに点在しているため、
人知れず、消えそうな宝も存在しています。

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日本の海に浮かぶ
美しく、強く、温かく、儚く、愛しい島々は、
この先の未来に、どう存在していけるのでしょう。

2020年に開いたリトケイ合宿では(定期的に全スタッフで開いています)
全メンバーと今後の活動について語り合うなか、
「リトケイは小さくても大事な島の課題や価値に目を向けていこう」
という話題があがり、リトケイの活動指針にとりいれました。

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とはいえ、
島の未来をつくる主体は島に生きる人。
私たちリトケイは、そんな島々を想うひとりです。

ただ、リトケイを10年続けるなかで感じるのは、
島で生きる人(約100万人)に対して、
その何倍もの「島を想う人」が、
日本中(あるいは世界中にも)存在している実感です。

きちんと数えたことはありませんが、
少なくとも、数えきれないほど存在する島を想う人は
島で生きる人と共に、島を支える確かな存在になりえます。

どんな小さな島にも宝があり、
それぞれの島に、島を支える人々が存在すれば、
日本中の島々が持続可能になる。

そう信じて、
私たちは今年も活動を続けてまいります。

2021年もリトケイをどうぞよろしくお願いいたします。


離島経済新聞社 統括編集長
鯨本あつこ

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