ピン芸人のヒガ2000さんをライブで見る方法が全く分からないところからスタートして、何とかして出演ライブ情報を突き止めて1ヶ月間集中的にライブに通って観察した記録です。

1.きっかけ

今年の5月下旬にミクチャという配信アプリ内で「サンミュージック所属芸人限定！『チバテレ冠番組争奪戦』」という企画があり、それにヒガ2000さんも参加されていました。配信サービスにはそれぞれ特色があり、ミクチャはホストクラブと同じで視聴者にいかに課金させるかという一点に全振りしています。そのため、配信者が発信したいことをやる場ではなく配信者が視聴者を接待する場と化しています。
争奪戦では芸人たちも各々の許容範囲内でミクチャ文化に適応していた訳ですが、どうやらヒガ2000さんだけはお笑いでは絶対にポイントが伸びないのに頑なにお笑いをし続けているという噂が流れてきます。さらに争奪戦終了後はどれだけ配信しても収益化できないにも関わらず「今ミクチャをやるお笑い」と言って毎日配信を続けている。ミクチャのユーザーにお笑いを求めている人なんて一人もいないのに…。
そんなの面白すぎるだろと思って配信を見に行くと、たかが30分の生配信のために設定を考えたり衣装を着たり音源を作ったりと準備に相当な労力をかけて凝った配信をしていてめちゃくちゃ面白い！！何でこんな面白くて気骨のある人を今まで知らなかったんだとショックを受けます。

2.本当にライブに出てる？

毎日ミクチャで楽しませてもらっていると当然ライブでも見たいという気持ちが出てくる訳ですが、ヒガさんのツイッターを見てもサンミュージックのホームページを見ても出演情報が全く出てきません。露出が多い芸人には有志のファンが出演情報を纏めて発信するインフォアカウントがツイッターに存在することが多いのですが、ヒガさんの場合はそれも無し。ツイッターの全ての投稿、お笑いライブ情報サイト「ワラリー！」、お笑いでよく使われているチケットサイト「TIGET」などでヒガ2000で検索するとやっと2、3件のライブ情報が出てくる程度。
私の他にも同時期にヒガさんのミクチャに集まってきたお笑いファンが何人かいたのですが、彼らとともに、ヒガさんって本当にライブに出てるの？とミクチャのコメント欄で問い詰める日々が始まります。ヒガさんは最初はライブの情報を全然教えてくれなかったのですが（何で？？）、根気強い聞き込みにより実はちゃんとライブに出ていることが徐々に判明していくのでした。

3.ライブ出演記録

ヒガさんの出演ライブの傾向を探るため、2022年6月21日から7月20日までの1ヶ月間のライブ出演記録を取りました。

6/22(水)ラスタ池袋昼寄席3部
6/24(金)下北GRIP２部
6/25(土)昨日の旅
6/29(水)ラスタ池袋昼寄席3部
6/29(水)みんツク！
7/1(金) 下北GRIP２部
7/3(日)キョウカ！ライブ
7/6(水)ラスタ池袋昼寄席3部
7/8(金) 下北GRIP２部
7/9(土) MAKERUNA！３
7/10(日)アラカクfest.１部〜３部
7/11(月)下北GRIP DASH１部２部
7/13(水) GETライブ2日目
7/15(金) キングオブコント１回戦
7/16(土)ショーゲキしもきたドォ〜ン！
計18公演

めっちゃ出てるじゃん！！！

4.レギュラーライブ

いくつかレギュラーで出ているライブがあったのでそのライブの情報をまとめました。

4-1.サンミュージックGETライブ

ヒガさんが一番見に来てほしいライブを聞かれた時にあえて挙げるとしたらGETライブと答えていました。ライブの情報は前の月の下旬頃にサンミュージックのホームページで発表されます。

サンミュージックの事務所ライブ「GETライブ」及び「プレGET」は月に3日間開催されていて、所属芸人はそのうちのどれか1回に出演します。一般的な事務所ライブと同様にサンミュージックでもピラミッドシステムが採用されていて、事務所ライブのネタの出来によって翌月のランクが昇格したり降格したりします。来場者による投票はあるものの順位や得票数が公開されることはありません。また客票とは別に社員さんか作家さんか分かりませんが内部の方の評価もランクの変動に加味される模様。おそらくランクが良いとテレビのオーディションが回ってきやすくなる等見えない部分での良いことがあるのだと思います、あってくれ。
ちなみに、ヒガさんが今出演されているGETライブ2日目はLINEライブで有料配信もされていますが、ヒガさんは音を使ったネタが多く、使用している音源の種類によっては権利上の都合で無音での配信になることがあるみたいなので要注意です。

4-2.下北GRIP　金曜2部

下北スラッシュという会場で毎週金土日に開催されている無料のお笑いライブで、ヒガさんは毎週金曜日の2部（17:40開場/18:00開演）に出演されています。開演前は駅から会場への動線上で出演芸人が街行く人に呼び込みを行っているので絶対に芸人に鉢合わせたくないという人は伏し目がちに歩きましょう。会場の行き方が分かりづらいのでたどり着ける自信がない人は呼び込みをしている芸人さんに案内してもらうと安心だと思います。
ヒガさんはこのライブにはかなり昔から出ておられるそうで、他の金曜レギュラーメンバーともとても仲良しのようです。ネタだけの日とネタとコーナーの日があって、コーナーの有無はランダムらしいのですが、私が見に行った時はコーナーの和気藹々とした雰囲気が楽しかったです。
注意点としては、他の仕事と被った場合などは出演されない週もあるので、見に行く場合は前日くらいに出演されるかどうかご本人に直接確認することを強くお勧めします。
（追記）ブログで事前に出演者が発表されていましたのでご本人に問い合わせなくてもこちらをチェックすれば大丈夫だと思われます。

4-3.ラスタ池袋昼寄席　水曜3部

このライブも開演前に出演芸人が街行く人を呼び込むタイプのライブです。厳密には出演芸人の半分が呼び込みをして、残りの半分が黄ばみすぎたハッピを着せられて街のゴミ拾いをします。ヒガさんは毎週水曜3部（16時頃開場/16:45開演）に出演されています。料金は500円で、受付で誰を見に来たか聞かれたり聞かれなかったりするので自信を持ってヒガ2000さんです！！と答えましょう。バックとかはないと思うんですけど、主催者にヒガ2000は呼び込みをサボっていないと思わせることが出来ます。終演後に好きな芸人と400円でチェキが撮れるらしくそちらはバックありだと思われます。
注意点はGRIPと同じで、見に行く際は事前に今週は出るかどうか確認した方が良いということです。
（追記）ラスタ池袋公式LINEがありそこで昼寄席の出演者が事前に告知されていることが判明しました。下のリンク先のページをスクロールしたところに登録方法が記載されています。

4-4. ショーゲキしもきたドォ〜ン！

毎月第3土曜日に開催されているライブ。このライブは本編と若手枠があって、ヒガさんは若手枠に出ておられます。若手枠に出演するためには毎月のネタ見せに合格する必要があるそうで、ネタ見せの合否が発表されるのが結構遅めで7月はライブ開催日の一週間前くらいでした。ヒガさんは若手枠の中ではベテラン扱いされていてネタ見せに落ちることもほぼ無いようです。
ライブを実際に見に行って驚いたのが、若手コーナーなんて数組がばばばーっと出て終わりなのかと思っていたら、ネタの持ち時間は長めだしネタ終わりに一組一組に話を聞く時間も設けられていたこと！とても芸人に愛のあるライブだと思いました。
このライブには元フォークダンスDE成子坂の桶田さんが関わっていたとのことで、桶田さんが亡くなった後も同じチームで続いているそうです。ヒガさんと桶田さんの関係は詳しくは分かりませんが、ヒガさんのツイッターの固定ツイートが桶田さんであることなどからも縁が深いことが伺えますね。
ライブの情報は主催者の浦口さんのチゲットアカウントをチェックするのが一番正確かと思います。ツイッターだと「しもきた/下北」「ドォ〜ン/ドォーン/ドーン」など表記揺れが激しく検索しづらいです。

5.告知をしない理由の考察

呼び込み制のライブの目的は、普通のお笑いライブだとお笑いマニアしか見に来なくてお笑いマニアウケに偏りやすくなるところを、普段お笑いライブを見ないような一般層に見てもらってフラットな感覚を取り戻すということだと思います。
ヒガさんがライブの告知に積極的ではないのも、ヒガさんを知ってる人の反応より知らない人の反応を見たいというのが理由の一つとしてあるみたいです。
もう一つはネタ作りのサイクルの問題もあると思います。ヒガさんのスタイルだとどうしても一つのネタを微調整しながら短期間に何度も披露してブラッシュアップしていくことになるので、折角見に来てもらってもまたこのネタかーってなっちゃうのが申し訳ないのだと思います。

6.私見

ではファンはヒガさんの言葉を額面通りに受け取って見に行くのを控えた方が良いのか？というと私は絶対にそんなことはないと思っています。だって、今一番面白いものを自分の目でちゃんと見ておきたいじゃないですか？

多くのお笑いライブにおいて、芸人に出演オファーをするかどうかって面白さと同時に集客力も見られていると思います。そして私はヒガ2000さんのお笑いを面白がる人ってこの世の中に全然まだまだめちゃくちゃいると思っています。だからもっと出演ライブの幅が広がって色んな人に見てもらう機会が増えればすぐ人気者になると思うんですよね。もしヒガ2000さんのライブを見に行きたいと思ったけど行き方が分からなくて諦めちゃった人がいたとしたら、そういう人にこの記事が届いてほしいですね！！！