#32 今を全力で【最高の生徒】

 先のことを考えて行動するのも大事なのはそうだが。

余命1年という残された時間が有限であると分かった時、今までの常識や大人が押し付けてくる当たり前に疑問が沸き、人は物を見る尺度、意識、立ち振る舞いが変わり、生き方が変わる。

この世界に正解がないことも教えてくれる。

逆に時間に限りがあるからこそ、怖いものなしで無我夢中に走り切れる最高の時間なのかもしれない。

公式サイトより

 主人公伴ひかりが遺伝性の病気により余命1年と分かったときから、その1年を、底抜けに明るく、葛藤もありながら全力で生きていくという話が中心だ。友人や恋、ダンスなど、すべてに全力をかける少女の姿がそこにはある。

 ある程度のネタバレになるかもしれないが、周りの友人たちはその病気をはじめから知っているわけではない。あることがきっかけで伝えることになる。そのときの各役者たちの表情や言葉には胸にくるものがある。

 ひかりだけでなく、その周りのキャラクターひとりひとりが抱える葛藤と、それを克服するところが描かれるのもとてもよい。
 ここでは特に愛未というキャラクターの描かれ方がとてもよいと思ったのでその話をしたい。4話だったと思うが、性格がよく、信頼があるからという理由で頼りにされることは悪いことではないのだが、一人がたくさんの秘密を抱えてしまうと心持ちも大変になってくる。見ながらああなるほどねーこういう子は少なくないだろうなーと思ったからこそ(これまで僕も他人の秘密をいくつか持ってたことはあるけども、仲間内だとまた違うから同じ気持ちといいきるのは少し違うと思うけど)、その回最後のシーンにはぐっと来た。他のメンバーにもさまざまな葛藤との闘いがあるのでそこも注目してほしい。

 このドラマの軸にダンスというのがあるがみんな上手い。藤原くん役の山下幸輝は実際ダンサーでもあるらしくキレだったり体の使い方が上手だなと思った。イコールラブ出身齊藤なぎさをはじめ、ダンスにも注目だ。

 Zドラマ(帯?)というのは日テレの枠でたくさん若い世代の俳優が出演する枠のようだ。齊藤さんのことは私の推しである乃木坂46遠藤さくらが地上波ドラマに初出演した「もしも、イケメンだけの高校があったら」という作品で知っていたが、他の俳優も大量に知ることができた。それこそ愛未役の志田こはくはスーパー戦隊シリーズ・ドンブラザーズの黄色だった。いろいろとまた調べてみてみよう。いい枠を知ったぜ。

 最終話のあるシーンは、演じる俳優たちが自分で考えた言葉がセリフの大部分を形づくっているらしく、とてもよいと思った。明日が約束されないという現実は何も僕たちも同じであり、今を全力で生きようと改めておもったいい作品だったように思う。


 「SWEET 19 BLUES」いい曲だな。最近よくきいています。

 

 


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