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silent 1話感想文(DC版含む)

もうすぐsilent初回放送から1年です。
ということは私がsilentに身も世もなくドはまりし、目黒連くん及びsnowmanに沼落ちしてから1年。早い、早すぎる。

いまだに読んでいただけていて嬉しい、当時書いたこの記事。
やっぱりこの時の気持ちはこの時にしか書けないから、書くって大事だなって思うし、1年たっても同じ気持ちの人いるのかなあって思うと嬉しい。

その時の気持ちはその時にしか書けないって書いたところですが、silent放送時は自分の中で感想を咀嚼して文字にできるような情緒では到底なく笑、
放送時は着地点が分からないまま見ていたドキドキもあったし(当たり前)、ほぼ絶叫のようなツイート以外何も残していなかったので1年じっくり熟成させた感想を綴ってみたいと思います。
ちなみに1周年記念なので(?)毎週木曜に1話ずつ進めたいと思っております。
季節の進み具合と物語の進み具合が相まって情緒おかしくなりそう……。
でもそう思うとこの先私の人生で秋から冬にかけては絶対に想くんの事を想うわけで、映画館に映画を見に行くのも一気見できる配信ドラマもいいけど、やっぱり何週もかけて進んでいくドラマをリアルタイムで追うことってすごいなって思う。生活に密着してしまう、こんなにも。

放送が終わってからシナリオブックが出て、かなり補完された部分もあり、何より先日発売されたディレクターズカット版は再編集!されているのでより制作陣の理想形に近づいたんじゃないかな、と思うので、今回はシナリオブックとDC版の感想も交えていこうと思います。
村瀬P曰く、放送時にカットしたシーンを入れ込んだだけでなく、1から編集し直してるらしい……音楽も全部付け直したんだって。やば。なにその手間ひま涙。

結局放送されたのが完成版では?という気もしますが、私はsilent制作陣を全面的に信頼しているので、課金して(しかもお安くない)円盤を買ったファンに届けようとしてくれたDC版を信じる。
放送されたのしか見てないよー、シナリオブックもDC版もネタバレしないでーという方はここで閉じてくださいね。よろしくお願いします。

あとトークインベントで村瀬Pが仰っていた「世の中の考察はほぼハズレ(でも楽しませてもらいました)」という言葉は常に胸に刻んでおきたい。
これは考察とかではなく、ただの私の偏愛叫び集です。

そもそも私はドラマや映画や小説が好きで、それも『人間』を描いたものが好きで、分かりやすい例として、こないだ目黒くんが主演した『トリリオンゲーム』もすごく楽しく見たんですが、
私が興味があるのはどうやってトリリオンダラーを稼ぐかというところではなく“ハルくんがどうしてトリリンダラーを稼ぎたいのか、稼ごうと思ったのか、興味を持ったのか”という点なんですね。
男のロマンでもいいんだけど、じゃあなんでハルくんは男のロマンを感じるの?ガクは?ってそういう『人間の心の動き、心理、機微』みたいなものに興味がある。
なのでsilentにハマったのは必然だったしリア友たちは「あー好きそう笑」と思ったことでしょう。
でもこれはほんとに好みの問題なので、世の中の人全員が同じ好みだったら怖いし、いろんな好き嫌いがあるのがいいなと思う。

ところでシナリオブックはこんな事になっておりました。
「(ドラマでカットされてて)えっ!それは言うてくれな分からん!なるほど!そういう事な?!」がピンクと紫
「?!ドラマ見直そ」がオレンジ
「わぁぁ!好き!」がその他(黄色青緑←付箋の在庫がなくなったため笑)

しかも2段組だからどこに付箋貼ってるのかもはやわからん


silentは文字で読みたい作品だったからシナリオブック出してくれたのも嬉しかった。
それに伏線……とまではいかないけど、それってあのシーンでこう言ってたから?というのが話数を越えて繋がっていくので、その都度遡って確認したくなる。長編小説読んでる時みたいに。
なのでドラマ放送時は新しい話が放送されるたびに1話から順に見直すというシャトルランを自発的に開催してまして、そりゃもう寝る時間なかったよね。単純に6話だったらざっと6時間かかるもんな。
でもそこまでしても寄り添いたい共感したい解き明かしたい分かりたい理解したい登場人物たちの細やかで繊細な切なく愛しい心の機微が描かれていて、一緒に泣いたり切なくなったりじんわりしたり、本当に幸福な体験ができたと思っています。

さて、ようやく1話の話をします。
放送時1話は普通におもしろそうなドラマ始まったなあ、でも若い人向けの恋愛ものなのかなあって横目で見てる感じだったんですが。
ちなみにこの時点で私目黒くんは初めて見た人だったし(この時まではジャニーズにまったく接点のない人生を送っていたので……嵐って7,8人くらいいるんだと思ってた頃)新人の役者さんなのかなあくらいに思っていた。

で、うわああああなに!?この人のお芝居やばいかも、てゆうかこれ誰!?って鳥肌が立って前のめりになったシーンは、あまりにも有名になった最後の想が紬に手話でまくし立てるシーンではなく、
その直前の紬から逃げようとして信号機のない横断歩道を渡る時に何回も左右を確認するところ……。
きっとものすごく焦ってて急いでるのに、聞こえないからもどかしいくらいに車が来てないか左右を目視で確認していて(演出だったのか目黒くんの自発的なお芝居だったのかは分からないけど)
それだけで今の想の状況、紬と別れてからこれまでどうやって生きてきたかがめっちゃ伝わって、ああこの人のお芝居は信頼できる、最終回までついていこうって思ったのでした。
ここ、紬ちゃんは一切左右も見ずに想くんについてきてるのがまた。しんどい。しかしこういうしんどさの連続でsilentは紡がれていくのでした。ふふふ。

しかし、さすがに川口春奈さんは髪型変えてるけど、髪型もビジュもそのままで高校生役する男子2人すごいよね……笑。
そして、もう、高校生想くんの輝きがすごい。今となっては、そりゃ目黒連の学生服姿なんてやばいに決まってると思えるけど。
その高校生の想くんと紬ちゃんの印象的な雪のシーンから物語が始まるので、開始3秒で世界が想くんに恋してしまう。
だからこそ、紬と一緒に“今の佐倉想”に会いたくてたまらなくなる。うう、うまい。

1話の湊斗くんもすごく良くて、この時点では湊斗くんの気持ち的には紬>想って見える。先にけん制したいから想に会いたいのかなー、って。
みんなで居酒屋にいるシーンで「再会されんのは困る」って言うし。
でも後から見直すと、その優しさゆえその場のみんなに合わせて言ってるって分かる。
でも3話のあのシーンまでこのミスリードがめちゃくちゃ効いてる!
この時点ではまだ湊斗くんらしいって思えるほど人となりが分かってないし。
友達の「湊斗が知らないなら知らないっしょ」ってセリフも、高校時代どれだけ想と湊斗がニコイチだったか一発で分からせててすごい。うまい。

silentってこういう会話の中の何気ないひと言で状況を分からせたり、その後の人物の行動に説得力を持たせたりするのがほんとにうまくて、注意深くみていないと気付かないし、だからそれにハマる人はほんとに熱中したんだと思う。
そこまでドラマに集中力を割けないタイプの人(その気持ちも分かる)がさらっと見てても絵がきれいだし音楽もいいし“なにかいいものを見てる気持ち”になれるし、流し見してても話は分かるし、そりゃみんな見るよなあ、って改めて思う。

あと1話で好きな展開は、紬が光に引っ越し前に荷物片づけなよって言われて押し入れを片付けてて、カンカンの中にイヤホンを見つけて、たまらなくなって想くんと会った駅に行くシーン。
これ、自分だけの気持ちだけだと若干気持ちが強すぎるというかもう想の方が好きやん、となりそうなんですが、
その前に真子ちゃんに「(偶然見かけた今日も)約束してた訳じゃないんでしょ?(でも会えたんでしょ?)」って言われた言葉がめっちゃ効いてるんですよね。
この言葉があるから、見てる側も“行ったら会えるかも”って思える。
silentの脚本って詰将棋みたいに一つずつ着実に効果を発揮しながら進んでいくのが物語としておもしろくて、これぞドラマを追う喜びって感じがする。

※以下取り消し線の部分ですが、Tverで見られるとのご指摘をいただきました。確認の上、訂正して謝罪いたします。確認が甘く申し訳ございませんでした。

このシーンに補足すると、DC版にもなくてシナリオブックだけにしかないシーン(p,20上段)で、紬が駅にいる時に、別空間でなんとなく足を止める想くんのシーン!で、気のせいかな?って歩き出す。
これ脳内補完完璧にできるけど、撮影して欲しかったなあ!

そして後々効いてくる大事なシーンとしては、高校生の時想くんに告白されて「録音するからちょっと待って!」って焦ってスマホ触る紬を愛おしそうに笑って見つめる想くん……。
スマホで録音するから!って女子高生が言うかな?変わった子だなあって思ったけど、ああ、そう、そういう事ですかって後から食らった大事なシーンでした。

そんでタワレコの視聴機で仕事中の紬が聴いてるのがスピッツのアルバム『フェイクファー』の6曲目、つまりあの名曲『楓』なんですよね。

さよなら、君の声を抱いて歩いてく
ああ、僕のままでどこまで届くだろう

スピッツ『楓』

この曲をリアルタイムで聴いてた人たちには一発で伝わるこの歌詞と世界観。
当時もものすごい切ない気持ちになったものだけど、その気持ちで何かを創作したかった人が作ったドラマなんだろうなって思った。
誰かが生みだしたものがまた誰かの何かを生みだすところを見た。

そしてsilentが圧倒的説得力を持ったのが一番最後のワンカットだと思っていて。
村瀬P曰く最後のカットは本当は想くんだったらしいんですが、紬の泣き顔で終わることで見てる側がまた一段と物語を感じられるようになってる。
あの手話で想くんが紬にまくしたてるシーンで、想くんの切ない言い分と、それまで小出しにしかなってなかった目黒くんの演技の爆発力への感動で想くんに同調しかけるんだけど、
見てる側は字幕で想くんが何言ってるか分かっている中、あそこで一人だけ分かってない(置いて行かれてる)の紬だけで。
その紬ちゃんの泣き顔があの場でアップになることで、ドラマ冒頭の紬と一緒に想くんに恋をして振られて、でも会いたくて探してる……あの気持ちに引き戻される。
なのでまた紬と一緒に想くんのことを想えるわけです。
ううううう、うまい、うますぎる。

このシーンの撮影風景がメイキングにあったんですが、いや―ほんとに役者さんってすごいな!って思った。
そりゃそうだ、あんなに真っすぐアップで見れてるってことは、カメラの真ん前であの演技をしているわけで。
でもドラマを見てる最中はもちろんそんな事考える必要もなくて、自然に紬ちゃんに寄り添う気持ちになってる。
ものすごい職人技を見せてもらってるんだなあってありがたい気持ちになりました……。

しかし私はこの時点ではまだ男女の過去と現在の三角関係的な恋愛ものなのかなあ、よくある男女の面倒くさい事にならないといいけど、なんて思ってた。
役者目黒くんには撃ち抜かれたけど、本当の意味でドラマsilentにハマるのはもう少し先なのでした。

そう、そして忘れてはいけないOfficial髭男dismの『subtitle』
ドラマの主題歌に命賭けてるのもフジのドラマっぽいけど、いやしかし。こんな天才主題歌ってありえるんですか。
藤原くんの伸びやかで切ない歌声が見事にsilentの世界観を“盛り上げてる”。
寄り添うとか表現するとかそんななまぬるい事じゃなくて、腹くくってこのドラマと心中するつもりの曲だなって思った。
そしてこの先何回この曲に涙することになるか。ほんとに天才。

余談。
紬ちゃんのおうち、ハイレベルすぎない?紬フリーターだし光学生でしょ……?って思ったけど、主人公がみんなの憧れを詰めこんだおうちに住んでるのもフジのドラマの伝統だよね……笑。
湊斗くんのおうちもすごい。若いのにエライ。
そして想くんだけが身の丈っぽくてズキズキする事になります涙。


最後に
初回を見た私のツイート。永瀬廉くんは朝ドラ見てたから知ってた。

【ジャニーズって永瀬廉くんと目黒蓮くんがいるのか…………
午後11:07 · 2022年10月6日

目黒くんがsnowmanだってことに気付いた記念すべき10月6日の23時7分(見終わってすぐググったんやな)!

ではまた来週お会いしましょう!

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