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silent 4話感想文(DC版含む)

silent放送1周年記念?木曜更新の各話感想文4話です。

まず、
東京ドラマアウォード『silent』“6冠”おめでとうございます!!!
連続ドラマ部門優秀賞『silent』
主演女優賞:川口春奈『silent』
助演男優賞:目黒蓮『silent』
助演女優賞:夏帆『silent』
演出賞:風間太樹『silent』
主題歌賞:Official 髭男dism「Subtitle」(『silent』主題歌)
素晴らしい!!!そうでしょう、そうでしょう!と誇らしい気持ちになりました。
もちろん俳優さん3人も素晴らしいんですが、演出賞が!素晴らしいですね。
またみんなで見返しましょう!


ところで。わたくしごとなんですが。今まで30本以上noteに記事を書いてるんですが、noteのスキ数最低記録を更新し続けています……笑。
最後にハートを押して下さると嬉しいです。
お手数おかけいたしますがよろしくお願いします。。


結局放送されたのが完成版では?という気もしますが、私はsilent制作陣を全面的に信頼しているので、課金して(しかもお安くない)円盤を買ったファンに届けようとしてくれたDC版を信じる。
放送されたのしか見てないよー、シナリオブックもDC版もネタバレしないでーという方はここで閉じてくださいね。よろしくお願いします。

トークインベントで村瀬Pが仰っていた「世の中の考察はほぼハズレ(でも楽しませてもらいました)」という言葉は常に胸に刻んでおきたい。
これは考察とかではなく、ただの私の偏愛の叫び集です。

※確認不足のシーンもあるかと思います。申し訳ございませんが、ご指摘下さると助かります。
不快に思われる方はどうかここで閉じて下さいませ。

4話は一番初見の時を覚えてる回で、他の回は見返し過ぎて初見の印象って結構上書きされてしまっているんだけど、
4話の日、その日何してたか何着てたか、どんなシチュエーションで見てどんな風に印象に残ったか鮮明に覚えてる……。
自分がどんな風に家のソファーに座ってたかも覚えてる。
それくらい、最初の衝撃が凄くて何もかもが脳裏に焼き付いてしまった回だし、私がsilentに本気になった思い出深い回です。

DC版の最初、いきなり未公開シーンから始まります。
これはTVerで配信されたやつ。
これ、ここに入って繋がってると本当に天才で。4話の解像度が爆上がり。
3話でカットされてたけど、いまだに湊斗が光に「車に気を付けてね」って言う理由、光が湊斗に執着する理由、想を避ける理由がめちゃくちゃ腑に落ちる。
ここで光がフューチャーされるのも天才。物語の多面性が増す。
制作陣、本篇に入れたかっただろうなあ……。
でもなかった事によって、想と湊斗と紬の世界がいい意味で閉じてそれがsilentらしさに繋がった気もするからどっちに転んでもsiletはヤバいドラマになってたと思う。

この未公開シーンでも高校生想くんの想らしい光への優しさが描かれているけど、紬が湊斗を追って部屋出て行ったところでもシナリオブックでちゃんとあの場面の想の光への優しさが描かれていて、ここすごく好き。

部屋で2人になった想と光。
光、机に突っ伏している。
想、光の肩を叩く。
光「(顔を上げて)ん?」
想、【帰るね】と書かれたスマホの画面を見せる。
光「……」
想、軽く会釈して、帰ろうとする。
光「だめ」
と、想の腕を掴む。
想「(振り返って光を見る)……」
光「多分2人、外で話してる。佐倉くん邪魔だから。邪魔しないで。」
想「(なんとなく理解して)……」

「silentシナリオブック p122上段」

あの状況でちゃんと光ともコミュニケーション取ってる想くん、良い。
本編では置いてきぼり感あったけど、ちゃんと光くんのこと見てるし構ってあげて良い。
光に対して回想シーンの高校生の時のままの、あの想くんって感じがすごくあって私はすごく好き。

そして湊斗と想が2人になって、想くんが湊斗に【青羽なんて?】ってLINEするの、そうか……ここまでの会話も流れも想くん1人だけその場にいても分かってないよねえってすごい苦しくなる……。
けどこの演出が入ることで、この後の想くんの置かれる状況がより身に迫ってくるので、やっぱりこの脚本はすごい。
ここを丁寧に描写してくれた事によって、このあと最終回までずっと想くんの気持ちに寄り添える。

想からLINEが来た時、ふっと振り返る鈴鹿くんの演技も素晴らしいです!

ファミレスでごはん食べてる紬と光の会話の中で、

光「わかってるよ、佐倉くん、普通に良い人だって。ただ、俺は湊斗派ってだけ。湊斗推しだってだけ。」
紬「うん……わかってる」

「silentシナリオブック p124下段」

って言ってるのも好き。
光くんのシーン全部カットされてきてるから分かりにくいけど、ちゃんと想くんから自分に向けられてる優しさも分かってて本当にいい子。
李光人くんの演技も好きです。

この後の想くんと湊斗くん2人のシーン。
何回見ても泣くよね……。
とにかく音を消す演出がうまくて、この間の取り方がすごい。
なんとか時間をやりくりして最初のシーン入れたかっただろうに、でもここでたっぷり時間を使って『聞こえない想の感覚』を描くのほんと凄い。
ドラマって役者さんがメインな気がするけど、やっぱり脚本と演出が重要なんだなあ。いや、全部重要。どれが欠けてもだめだし、全部が揃うなんて奇跡的なことで、私たちはこの時奇跡を見せてもらったんだと思う。

話を戻して、そしてここで、立って湊斗のところに行けばいいのに座ったまま声かける想くんもすごく良くて。
2人の変わらなさというか、関係性が瞬時に伝わる。
(7話で説明してくれるけど、でも逆に言うと7話まで説明してくれないのも凄い)

3話の萌ちゃんの時もそうだったけど、声出す前の想くん、目黒くんのお芝居がものすごく繊細で素晴らしいんだよなあ……。
想にとって声を出すのがどれだけハードルが高いか一発で伝わって心臓ちぎれそうになる……。そしてこの感覚が7話まで繋がっていくの凄い。
目黒連くん、本当に良いお芝居です!!!

ここで「青羽にもちゃんと謝りたくて」って言う想、湊斗に青羽いらないあげるって言った事後悔してるのかなって後から分かる仕掛けがうまい。
でも湊斗には「想の心配なんかいらない」紬には「今は佐倉くんじゃない」って言われるの、想くーーーーーん!!!ってなっちゃう笑。
それでも2人に心を開いていく想、尊い。

この後、コンビニの前でばったり会っちゃう想と光。
最後光が想に
「じゃあ車に気を付けて」
って言うの、本放送時は取って付けた感があって“なになに?なんかの伏線?想事故にあっちゃうの?”って思ったけど、DC版とシナリオブックで補完されるとなるほどな、ってなる。
いらないセリフというか、繋がってないセリフがないsilent、どうやったらこんな脚本書けるんだろ。完璧。

そして萌ちゃんが家に帰ってくるシーン。
ん?萌ちゃんが想くんの部屋に行って謝りなよって言ったのが夜で、想が謝りに行ったら湊斗と熱い再会になったの昼間だったから別日だから、萌ちゃんいつ帰ってきてる?時空遡ってる?ってちょっと混乱しますが、まあそこはそこまで重要じゃないので!
ここで重要なのは、想くんのお父さんも手話ができる事です。
萌とお父さん、2人で内緒話みたいに手話で会話してるの可愛い。
萌ちゃん可愛い。

場面が変わって、紬の部屋に会社帰りの湊斗が来てて(余計なお世話だけど、この2人常に会社帰りどっちかの家にいるから君たち早く同棲しな?ってなる笑)拓実たちとも会わせたいんだ、じゃあサッカーした方が良くない?って話するところ、

紬、湊斗、光、夕食を食べながら話す。
湊斗「明日ね、」
紬「うん」
湊斗「想とご飯食べ行く。2人で。」
紬「(ニヤつくのを堪えて)お、いいね」

「silentシナリオブック p133下段」

ちょっとー!!!2人でご飯食べに行くとか聞いてないんですけど!!!
あの可愛い焼肉が最初じゃないってことだよね!?
なにもう……めっちゃ仲良しなってるやん。
シナリオブックにもないけど、その1回目の2人ごはん、映像化してください(無茶)
そんで?想が仕事してるワーキングスペースまで会いに行っちゃって?
あーもうほんとうに、想と湊斗仲良くていい。
ここが仲良く戻れば戻るほど、湊斗くん辛くなっていくの辛いけど、でも男の子2人が仲良くしてるの、愛しい気持ちになる。

このワーキングスペースで会ってる時の、
【みんなに気遣わせるから】
って困ったように笑う想くん、胸がギュっとなる……。
喋らない分粗が出ないと言ってしまってもいいんだけど、でもこういう繊細なお芝居ほんとに目黒くん素晴らしいよね。

湊斗と分かれて紬からLINE来る時のト書き。

想、駅を出て歩いていて、ふと紬と再会した場所だと思い、立ち止まる。
なんとなく振り返ってみるが誰もいない。

「silentシナリオブック p134下段」

そうか、想の中でも紬の存在が大きくなってきてたんだなあ、ってこれはここ読んで分かった。
そこでLINEくるんだもんね……。
ここの
“想、小さくため息”
ってト書きも好きです。どんどん気持ちが一筋縄ではいかなくなってくるの、物語のだいご味……!

あとsilentですごく大きいのは、春尾先生を風間くんがやってくれる安心感ですよね!
風間くんってお芝居もすごくいいけど、声がめっちゃ良くないですか。
正論言ってても切なさがにじむような声のトーンが春尾先生にめっちゃ合ってていちいち説得力がすごい。
教室で同僚の先生と話してるシーンは特にその良さが活かされてて良い役者さんだなーと改めて思った。

湊斗と拓実、紬と真子のシーンでもお互い友達だから辛辣なことズバっと言うのもすごくいい。
そうそう、それ言ってあげて!ってなる。
拓実から湊斗に
(想サッカーに誘おうと思ってるんだって相談してた居酒屋で春尾先生今日来ないよって声かけられて)
「そんなとこまで繋がってんの?お人よし甚だしいな」
って言ったり、
真子が紬に
(紬寝取られないか心配じゃないんかって話してるところ)
「いや、湊斗、あいつまじでなんであんな自信ないの?佐倉くんと一緒にいすぎたせい?」
って言ったりするセリフめっちゃ好き!
真子ちゃーーーん!!!好き~!笑。
高校時代の想くんの感じがものすごく伝わる貴重なご意見、ありがとう笑。

光が湊斗と電話してるシーンで(寝てる紬ちゃんが生々しくて良い。大人のお付き合いが垣間見える)
光がなんで手話覚えろとか言うの?って言うの、
ああ光くんはやっぱり弟だから、想くんが出てきたら紬の心がどうなるか分かってるし、今どうなってるかも分かってる……きっと湊斗くんが別れようと薄々思ってる事も分かってる……本当にいい子だなあ。
本放送の時はでも、ここの最後で別れようって湊斗が言ったのびっくりしたから、実際この時は光すねてるのかなくらいにしか思ってなかったのかも。
やっぱり全シーンが補完されると一言の重みが変わる……。
それだけ脚本が緻密ってことだな。

さて、ついに運命のフットサルの日。
DC版には一瞬だけ、ためらいながら駅から歩いてくる想くんのシーンがあって、あの数秒があるだけでずっと気乗りしないけどなんとか来た想くんがより心に迫ってきて素晴らしい。
そしてもう、コガセンの気持ちになっちゃう~!!!
あのキラキラしてた高校時代の想くんを知ってるからこそ、何もしてやれなくてごめんって言葉がめっちゃ刺さる。
そしてみんなでハイタッチしてる想くんにコガセンと同じくらい泣けちゃう。

シナリオブックにしかないシーン。
湊斗が想に飲み物買いに行こ、って誘って2人がコートを出てから。

拓実、スマホを見て
拓実「……お」
【H26年度卒高崎南サッカー部】というLINEグループに、
【戸川湊斗が佐倉想を招待しました】と。
拓実、トーク画面を見たまま待っていると、
【佐倉想がグループに参加しました】と。
拓実「(嬉しそうに)参加しました!」

「silentシナリオブック p147上段」

良かったねえー!ってここでもまたコガセンの気持ちで泣いちゃう。

そして更衣室で自販機買おうとしてる湊斗に想くんが後ろからコンポタ押すじゃないですか。
この無自覚の想のコンポタ(しかも自販機の缶のやつ)って結構残酷だと思っていて。
ここまで紬が何回も『コンポタ』って言うのを聞いてる我々としては、え?想がコンポタ好きだからいつもコンポタって言ってたの?って思ってしまう。
もしくは、2人の思い出の缶のコンポタが忘れられなくて、コンポタって口から出ちゃうのかなあ、とか。
湊斗がどこまで決めて更衣室に想誘ったか分からないけど、可愛い2人のじゃれ合いと見せかけて意外と湊斗は刺さったのかもしれないなあ、と私は思ったのでした。

全話通してもかなり重要なシーンの更衣室での湊斗と想のシーン。
湊斗が想がスマホを出そうとするのを止めるのがー!
このドラマが優しそうな見かけをしつつ痛いところを突いてくる、だからこそみんなの心に爪痕を残したところで。
出てくる人が必ずしも優しいとか正しい行動をするとは限らなくて、それって私たちのリアルで。
想の言うことは聞かずに(そしてスマホを使って喋る想にそれをするのは簡単)言いたいことだけ言う、決めたことを実践する湊斗。
いいぞ、やれやれ!って思ってしまった。
主成分優しさだけど、優しいだけじゃない、ちゃんとずるくて自分の気持ちを持って(そりゃそうじゃないとあんな田畑くん流に言うと“大手でめっちゃ稼げない”)だからこそ好きな女の子には甘くなっちゃう湊斗くん、ますます好きになれるシーンでした。

そしてここでも湊斗が本心を打ち明けるのは紬じゃなくて想くんで。
また好きな人がいるって振られる紬ちゃんよ……。
でもこの紬だけ蚊帳の外に投げ出される感じが、二股だったり三角関係だったりする時に感じる嫌な感じを感じさせてなくて、ううむやっぱりsilentってすごい。と思ってしまう。

5話に続きます!

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