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いなか暮らしと免許

田舎では車はひとり一台


車の免許を取って、見る世界が変わり
苦手に挑戦したら自信がついた。

一生、車は助手席だと思っていたのに。

東京から広島の田舎に引っ越してから
一番の課題は免許を取ることだった。

都会では移動手段は電車かバスになる
が、田舎では車での移動が必然だ。

車がないと買い物にも病院にも友だちの
家にも行けなかった。

田舎暮らしの最初は観光農園で働くこと
になり、社宅住まいで通勤は徒歩だった。

その時は免許がなくても何とかしのげた。

後に、そこを辞め社宅を出ることになり
免許がどうしても必要になった。

自動車学校は車で30分ぐらいの所にあった。

送迎バスが来るがそのバス停まで自転車で
5分ぐらいかかった。

一生車の運転などしないだろうと思っていた
のにとうとう免許を取ることになった。

主人には言わなかったが不安でドキドキして
いた。

主人は優等生だったそうだ。

何しろ、合宿で2週間で免許取得をやり遂げて

教官に・・
「お前の運転は眠くなる」(スムーズすぎて)
と言わせしめた憎たらしいヤツだ。フンッ

私はバイクにも乗ったことがなかったし・・
交通法規も知らず、スピード慣れもしていな
かった。

とにかくドライビングスクールは、始めての
ことだらけだった。

免許取得までのドキドキの毎日

近所で高校卒業すぐの女の子と一緒に通った。

同期には、キムタク似のイケメンもいて良く
話もした。

みんなは若い教官を指名するが、私は反対に
ベテランの先生を指名していた。

きびしいと評判の教官だが、大切なことを
もれなく教えてくれたので気に入っていた。

「甘い教官だったら楽だけど、卒業した後で
 困ると思うよ。厳しい教官は、後のことも
 考えてきびしく教えてくれてるんだよ。」

キムタク似の子に言ったら早速きびしい教官
を指名していた。

「りずさんの言った通りでしたー
 若い教官はただ優しいだけだったけど
 あの厳しい教官はいろいろ大切なことを
 教えてくれたから勉強になりました。」

教えてあげて良かった。

第一段階では一つ一つの課題を丁寧にやって
いった。あわせて学科の方も意味をよく理解
しながら覚えた。

S字や縦列駐車も何とか出来て坂道発進も練習
したら何とかなった。

学科の試験もほぼ満点だった。ひっかけ問題で
一か所ぐらい間違えただけだった。

第一段階は、まあ何となく苦労なく合格できた。

路上に出てからは、緊張する性格だったので
少し苦労した。

MTだったので、最初はシフトがリズム良くは
できなかった。

仮免で路上に出たときは、他の車が怖かった。

対向車が怖くて左に寄ったら、怒られた。

「自分の車幅感覚をつかんだら車線の中で動く
 必要はないんじゃけ」

教官は広島弁でそう言った。

「交差点は直線の時にブレーキを踏んで速度を
 十分落としてから惰性で曲がればええんじゃ」

「曲がっている時にブレーキは踏んじゃいけん」

「ウインカーを点けるのが遅い。曲がるところの
 30m前で点けるんじゃ。Uターンも同じく!
 車線変更は入る3秒前に点けること!」

大切なことは何度も言ってくれたので、わたしは
今でも覚えているし守っている。

第二段階に入り路上での日々も過ぎていった。

高速での教習が楽しみだったが、中国自動車道は
あまりに車がいなさ過ぎて(大笑)

教習車2台で行って交代で追い越しの練習をした。
・・があまり練習にはならなかった。

そうこうしているうちに卒検に日がやってきた。
ものすごく緊張していた。

本番に強いとはとても言えない性格なので。

「先生、きょうはよろしくお願いします!」

「頑張りんさいよ」広島弁で。

元気よく出たが大失敗をしてしまったのだ。

微妙なカンジで信号が黄色に変わり、ブレーキを
踏まねばならないのに進んでしまったのだー。

落ちました(泣)残念!

また次回ということになり・・
教官の路上でまたいろいろおさらいをした。

でも授業が増えて楽しかった。

「免許取ったら車は何に乗るんや?」
 ミッション車になるんか?」

「車はですね・・MINIですよ。小さくて可愛くて
 乗りやすい車なんです。もちろんMTです。」

「少し年代の古い車じゃったら教えとこか・・」

教官は、何と私にダブルクラッチを教えたのだ。
おーおー卒検に落ちてよかったわ。

リベンジの卒検は難なく合格!晴れて免許取得と
なった。
自分でも車に乗るようになるとは思わなかったので
嬉しかった。

一緒に通っていた女の子と、キムタク似の男の子も
無事合格した。
一緒に記念写真を撮っている。

かわいいMINIちゃんは、ディープグリーンのメタで
シートを薄いサーモンオレンジに張り替えた。

ステアリングもモトリタに替えて具合が良かった。

初心者マークを付けて走っていたら・・
MINIちゃんのおでこは丸いのでくっつきが悪く
風で飛んでどこかへ行ってしまった。

これで田舎暮らしがまた楽しくなった。
行きたいところへどこでも行けるから!


 










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