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#43【ハイプレスの復活】【23/24 コッパイタリア ベスト8】ユベントス×フロジノーネ マッチレビュー

試合前

両チームスタメン

【ユベントス】
✔︎前節終了間際の逆転劇。リーグ前半戦を2位で折り返す。
✔︎2023/9/24セリエA第5節サッスオーロ戦以来無敗継続中。直近4連勝中。
✔︎フロジノーネとは前回(23/12/23)敵地で2-1の勝利。
✔︎キエーザ、ラビオ欠場。ヴラホビッチ、カンビアーゾはベンチスタート。
✔︎18歳イルディズ5試合連続スタメン。前回のフロジノーネ戦では先制弾を決めている。

【フロジノーネ】
✔︎リーグ戦では19試合19ptで15位。
✔︎ 直近3連敗中。リーグ戦では直近6試合5敗1分。
✔︎得点数リーグ9位、失点数リーグワースト2位。

ハイプレスの復活

読めない男

シーズン開幕当初は「高いインテンシティによるハイプレス」とカンビアーゾ・ウェア加入を契機とした「流動的なポジションチェンジによる攻めるサッカー」にチャレンジ

開幕戦のウディネーゼ戦こそ快勝して新しいチームの形に心躍らせたが徐々に雲行きが怪しくなり、第5節のサッスオーロ戦では初黒星。

そこから昨季同様のベタ引きサッカーにより勝ち点を取りにいく勝利至上主義スタイルに転換。

苦しみながらも勝ち点を積み重ねて現時点ではインテルに次ぐ2位に付ける。

というのがざっくりとした今シーズンの振り返りになるが、インテルとの首位攻防戦以降ある程度自信がついたのか「流動的なポジションチェンジによる攻めるサッカー」は徐々に形になりつつある印象。

💡最近のユーベの傾向
✔︎保持時はウイングバックが高い位置を取り4−3−3システムに可変
✔︎後方からの組み立て時は3CBの内1枚が高い位置を取り2CB+ロカテッリの形で前進。
✔︎撤退守備時は5−3−2システムでブレーメルを中心として強固なブロックを築く。

ただし、ハイプレスについては限定的。

2チーム組めるほどの選手層があれば毎試合多くの時間帯で強度の高いプレスを仕掛けられるのだろうが、薄い選手層に加えて前線のヴラホビッチとキエーザが怪我がちのため、ハイプレスを仕掛ける相手と時間帯は選んでいた印象。

前書きが長くなりましたがそんな前提があったので今日の試合ではあらビックリ。

珍しく試合開始直後からテンション高め。負けてる60分過ぎみたいな勢い。ロカテッリもどんどん前に行く。

👉1点目のPKも序盤のハイプレスによりボール奪取後のショートカウンターでPKゲット。

システム上の優位性

ユベントスがこれだけハイプレスを仕掛けられたのはフロジノーネのシステムが噛み合わせ的にハマりやすかったことも大きく影響した。

・フロジノーネのフォーメーションは「3−4−2−1」ユベントスは「3−5−2」
↪︎フロジノーネの後方「3-4」に対してユベントスの前線「5-2」がプレスに行く構図

フロジノーネが最終ラインからボールを繋ぐ場面。

①オコリがボールを持つとミレッティがプレス。
②イルディズがロマニョーリのコースを切る。
③リローラにはコスティッチが、ハルイにはダニーロが、ブレシアニーニにはロカテッリがそれぞれビッタリマーク。
▶︎逆サイドのCBルスアルディが消えている分ユベントスが1枚多い状態でプレスを仕掛けられる。
👉結果的にオコリのパスコースがなくなりボールの回収に成功。
試合を通じて横スライドからの同サイド圧縮でボールを回収できていた印象。

この男は欠かせません

この試合で目立っていたのはロカテッリ。
背後にマークがいなかったため、いつもより伸び伸びしていた印象。
高い位置までプレスに行ってミリクの3点目をアシストしたと思えば、自陣最終ラインまで降りて組み立てにも大きく貢献。
(プレミア勢に狙われないか心配です。)

若手育成型クラブの弊害

可能性は無限大

今シーズンのフロジノーネの特徴として、ビッククラブに所属する攻撃的な若手タレントをレンタルして攻撃の軸にしている点が挙げられる。
↪︎マティアス・スーレ(ユベントス)、イブラヒモビッチ(バイエルン)、レイニエール(レアルマドリー)

それにより、
•若手タレントが輝けば点が取れるが個で打開できないレベルだと厳しい。
•前線からの守備が得意ではないため守備の強度が保てず失点しやすい
というチームの傾向が生まれる。

実際に得点数こそリーグ9位であるが、失点数は最下位のサレルニターナに次ぐリーグワースト2位である。

「失点しやすい」というのをもう少し掘り下げると、
✔︎タレントを活かすために攻撃に人数をかけるサッカーを行う。その分被カウンター時の戻りが遅くなる。
✔︎主に5バック+2センターの7枚で守ることになる。後ろには人数がそろっているが中盤でプレスが掛からない。

という状況に陥りやすく、2点目のロングカウンターも戻り切れず大外のミリクをフリーにさせてしまった。

戻りながらの守備は難しい

攻撃的なスタイルで若手が躍動するチームなので見ていて楽しいチームではあるが、残留争いに巻き込まれないために守備面の再構築は必至。

一方でカウンター時に人数を掛けて相手の弱点を突きつつ攻め切れたユーベの方が上手であった。
👉人数を掛けて攻め切れたユーベと攻め切れなかったフロジノーネの差が現れた。

試合後の雑感

5連勝!

•試合は4-0で勝利。ベスト4進出。
•ミリクハットトリック👏
•スター街道を歩み出したイルディズ。どうするキエーザ。
•18歳ノンジェも3試合連続途中出場。未来明るすぎる。
•若手と中堅、ベテランが上手く融合して良いチームになってきてるなとしみじみ。
•1月も大きな補強は無さそうなのでこのメンバーで今季どこまで行けるかかなり楽しみ。
•次節は今季唯一黒星を喫しているサッスオーロ戦。リベンジ期待しております!!

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