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星、指し示すみち。



天井の低い田舎町。毎日どこか遠く、謎の光の道が星だらけの夜空を旋回し照らす。

「今日こそあの光の根元を探しに行く」

母は遅くなったら電話しなさいと軽く敬礼した。

空気を入れたばかりの、わたしの相棒の足取りも軽やか、秋の夜風を従者に、いざ出発。

星の瞬きを吸収しながら輪旋する、遠くの光を仰ぎ目指す。

(これは一体なんだろう…)

もし異世界の扉が開きそうとかだったら…。世界を救う展開だ。ワクワクの大冒険、始まりの鐘。それとも誘蛾灯に誘われる。名も無き羽虫の物語…。

汗ばんだ熱気がなびく髪を伝い、焔の尾引き連れ、藍の夜翔けた。

何かのサーチライトだろう。というのは思いついていた。

どうして出発したかって──

(知りたかったから…)

**

へとへとになり辿り着いた根元。

「もしもしお母さん、パチンコ屋だったよ」

電話の向こう、あっはっは、なんかあんたを生んでよかったわ〜と。
───19歳の頃、初めて漕ぎ出した、探究の冒険。


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