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レコードと幼少期の私

自分で言うのも本当にあれだが、私は小学校高学年まで、生まれつき髪の毛は金髪で、肌の色も透けるほど真っ白で、瞳の色もかなり茶系統だった。背丈は年齢なりで、赤ん坊の頃から外人に間違われることが多く、小学校高学年まで本当にそれがよく続き、見た目、お蝶婦人のようだった。

私は幼少期から、兄弟の影響もあり、音楽の聴く幅も広く歌うことも好きだし、お笑いもみんなより一歩先を常に歩いていた。

そんな私が自ら手に取り、レジに持って行き「これください。」と店員に差し出したのが、とんねるずの「一気!」という曲だった。私はその頃、とんねるずが好きで、とんねるずの番組は全部見ていた。
そんなとんねるずの曲がレコードになって、発売されると知り、母と訪れたデパートで「買うぞ!」と意気込んで、音楽売り場に行ったのだ。

ちびっ子お蝶婦人が、とても過激なジャケットのとんねるずのレコードを、差し出している。

店員はおじさんだった。

そのおじさんは一瞬驚いた顔をしながらも、私にこう言ってきた。
おじさん店員「本当にこれでいいの?もうすぐ次の新曲も出るよ!」

そうなのだ。

私は「一気!」を発売してすぐ買ったのではなかった。
幼少期から病弱だった私は、なかなかレコードを買いに行けずにいたのだ。
だから、新曲が出ることも知っていた。だが、私はどうしてもこの曲「一気!」が大好きで、何にかえても絶対に譲ることはできなかった。

だから、私はおじさん店員に、
「うん、知ってるよ。でも、これがいいの!一気でいいの!」

そんなやり取りの最中に、母が私の元へやって来た。

お母さん「どこ行ったのかと思った〜(焦)」

母はレコードを見て、そして店員を見た。

それから私に、

お母さん「これ買うの?」
私「うん!とんねるずの一気だよ!」
おじさん店員「本当に大丈夫ですか?新曲も出るよって言ったんですけど、、、。」
お母さん「笑、笑、笑、この子こういうの好きなんですよ笑、見た目と違うんです笑、笑、笑。」

こうして私は無事に、とんねるずの「一気!」を手に入れたのだ。

おじさん店員も、悪気があって発した言葉でないのは、その時私も理解していた。
「この子はとんねるずが好きだけど、新曲と間違えていないかな」と思ったのだろう。

なぜ、今になってこのことを書いたかというと、今日、久しぶりにとんねるずの「一気!」を聴いてみた。

ジャケット、リズム、歌詞、合わせてみるとかなりのディープインパクトだ。

社会でいうお蝶婦人は、やはり間違いなく聴く確率と買う確率は低いだろう。

そして、私がレコードを差し出している時、間違いなくおじさん店員は、若干悪気を含め発した言葉だったとも(笑)

だけども、やっぱりとんねるずの「一気!」は私にとって今も元気になれる、素晴らしい1曲だ。
間違いなくそう言える。