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アプリ選択の自由

これまで音声UIやAIスピーカーについて何回か書いてきました。
そのためにいろいろ調べたり、考えたりするうちに主にアプリ開発者にとっての危機に気づきました。今日はそれについて書いてみたいと思います。

ユーザーがアプリを選んでから、使うまでの流れを今と将来で書いてみます。

今のスマホアプリ(タッチUI)の世界

みなさん、スマホで天気をみるためにどんなアプリ使ってるでしょうか?買った時に入っていたものをそのまま使ってる人もいれば、ダウンロードしてきたアプリを使っている人もいると思います。

私の場合、いくつかアプリをダウンロードして試した結果、Yahoo!天気というアプリが機能的にも、見やすさ的にも良いと思って、ここ数年使っています。使い方は、ホーム画面中央付近に置いてあるアプリアイコンをタップして起動しています。この時、特に"Yahoo天気"を立ち上げるという意識はなく、天気を知りたいから天気アプリをたちあげようと思ってるだけです。

少し抽象化してみると、ダウンロードする時や、いくつかのアプリを試しているなど選んでいる時=「手段を選んでいる時」には、具体的にどんな手段か(アプリ名など)を意識するけど、実際に機能を使う時には手段は意識せず、目的を達成すること(天気を知ること)に集中していると言えると思います。

これからのAIスピーカー(ボイスUI)の世界

AIスピーカーでもアプリが動いている訳ですが、指で選ばず、会話の中で利用されます。そして、基本的にAIスピーカーの世界では、ユーザーは知りたいこと、したいことを話せば結果が得られる世界になります。「今何時?」「J-WAVEを聞きたい」みたいな感じです。ユーザーにとってストレスなく、やりたいことを口にすれば良いという世界がやってくる訳です。

スマホアプリと比較して非常に直感的な世界がやってきます。

その一方で、、、これってアプリ開発者にとってみれば、ユーザーにアプリを手段として選んでもらえない世界がやってきそうなのです。天気アプリの事例で言えば、「Yahoo天気で、明日の天気を教えて」みたいに言ってもらえれば手段を選んでもらえている訳ですが、普通こんなこと言わなさそうですよね。。。

ユーザーは素直に「明日の天気は?」と問いかけると思います。そして、このように手段を明確にしない場合は、AmazonやGoogleが、最も適切だと思う手段を自動的に選んで対応するのです。天気は基本機能に入ってると思いますので、わざわざサードパーティのアプリが起動されることなく終わってしまう訳なんです。

この話を抽象化すると、AIスピーカーの世界では、ユーザーが手段を選ぶタイミングと、目的を達成するために機能を使うタイミングが同時にやってくることになります。目的を達成することに集中したい時なのに、(選びたければ)手段も考えなければならず、ユーザーの負荷が高くなります。

結果として、多くの場合は、目的達成にのみ集中し、手段を選ばない状況になると考えられます。そして、AmazonやGoogleが選んだ手段が優先的に選択され、その他の開発者がつくったアプリが使われない世界がやってくるという訳です。

どうすれば良いの?

この状況をどのように打破すれば良いか考えてみたのですが、中々その答えが見つからないのです、、、amazonやgoogleが仕様を変えてくれない限り、難しいのかなと思っています。そうなると、開発者としては、天気みたいなありふれたものではなく、みんなが作らなそうなアプリ開発に集中するなど、今までとは狙い所を変えるしかないかなと思いました。

アプリ開発されているみなさん、この危機をどう考えられますか?そして、どう乗り越えられますか?

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