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縄文展のすすめ

昨日"縄文展「縄文 - 1万年の美の鼓動」"を見てきた。そしてここ最近ないほど心を動かされたので、noteを書くことにした。

縄文展「縄文 - 1万年の美の鼓動」

東京国立博物館で9/2まで開催中の展示。その名の通り、紀元前3000年は当たり前、中には紀元前10000年のものも含め、縄文土器、土偶などがたくさん見れる展覧会。
紀元前3000年で考えても、今から5000年前。それは想像を超える、とんでもない歴史のすごさを感じる展示だった。
それを私の心が動かされた3つのポイント「美」「複雑な造形」「機能性」で振り返りたいと思う。

今回、国宝6点を含む、200点以上の展示がされているが、このいずれもに、なにか引き寄せられるようなパワーを感じ、見ていて飽きない。とても繊細な美しさと、パワーのある立体感が融合された、他にない美しさを感じるのである。
そして、5000年前の人類が美しいと思って作ったものを、現代の我々が同じものを見て美しいと感じること自体にロマンを感じ、心を動かさざるを得ない。ファッションにしろ、美しさとは時代と共に移りゆくものだが、この普遍的な美とは何なのだろう。根源的なものは永遠な気がするが、根源的というには装飾されすぎている気もする。この辺を語るにはもう少し勉強が必要か。

複雑な造形

前節で「パワーのある立体感」と書いたが、これが特筆すべきもの。"火焔型土器"と呼ばれる炎を模した形状の土器がある。この形状が非常に複雑で、3Dプリンターの性能をアピールするために作られた造形と言われても不思議ではない。
今こんな豊かな形状を思いつくことも稀だと思うし、さらに同じものを同じ素材で今作ろうとしても、ずいぶん苦労することが、容易に想像される。
5000年前の人が、この形状を思いつき、そして作ったという事に感服する。

機能性

最後に機能性。"注口土器"と呼ばれるものがある。これは、その名の通り注ぎ口をもった土器で、中には、取っ手がついているものもある。
そして、その形状は現代のやかんや、土瓶そのものなのである。しつこいようだが、5000年前の人類が、素材は別として、現代のやかんと全く同じ機能性のものを作っていたということにたいへん驚いた。そして、5000年変化がない、つまり究極の形態を作り上げたんだと思うと、当時の技術の高さに一層驚くし、感動すらしてしまう。

↓web上で、リンクできそうな画像としては、私が伝えたかったthe やかん型の注口土器の写真が見つけられませんでした、、、

まとめ

美しさ、複雑さ、機能性を目の当たりにすると、5000年前の人類は今の人類と大して違いがなかったのかもと錯覚すらする中で、展示物の中には、現代の我々に想像できないような不思議な目をした土偶もある(例えば、遮光器土偶)。そういうものを見ると、我々と違う感性を持ち、生きた人たちが作ったものだと気づかされる。

そして、これらの作品が一握りのアーティストによるものではなく、様々な人が同じようにデザインされたものを使っていた時代ということに興味が沸く。どうやってデザインが伝搬したのか?流行の一環だったのか?どんな人がどんなことを考えて、どんな意味でデザインしていたのかなど、とても興味深く、もっと知りたいと思わせる展示だった。
みなさんに、ぜひオススメしたい展示だった。私は、期間中にもう一度見に行こうと考えている。

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