誤字を愛でる⑩ 本日の脱字『しゅんかん図鑑』

今年も課題図書の季節がやってきた。
今年の読書感想文の課題図書で、小学校中学年向けのもののうちの一冊が、こちらの本。『そうだったのか! しゅんかん図鑑』だ。


図書館でこの本を見つけて読んでみた。
これが、とにかく面白い!
ものが消える、落ちる、割れる、こぼれるなどの「瞬間」をハイスピードカメラで捉えた写真集だ。子どもだけでなく、大人も楽しめる。長女(高一)や三男(中二)にも読んでもらったが、二人とも面白がっていた。

例えば、シャボン玉を指で割る瞬間の映像を、連続写真で見ることができる。まず、指が触れたところからシャボン玉の膜が破れて、球の形を留めたまま反対側に縮んでいく様子がわかる。

水入り風船が割れるときの写真では、風船のゴムが裂けて縮んだ後も、中に入っていた水が風船の形を保っている様子を見ることができる。普段は見ていてもわからない物体の高速の動きが、瞬間を捉えた写真を見ると、とてもよくわかるのだ。

こんな風に、ものすごく面白い本なのだが...。
あった。この本の中に、脱字が。

卵を割るときに、白身と黄身のどちらが先に落下していくかを捉えた映像が載っている16ページ。

最初に白身が殻から飛び出して落ちていくのだが、後を追いかけるように殻から出てきた黄身が、白身の中を通りながら落下し、白身より先に落ちてしまうのだ。

そのページに、こう書いてある。

アレレ
黄身が下に
なちゃった!

なちゃった。「なちゃった」ですよ。可愛いねえ。
なっちゃった、だよねえ。

奥付を見たら、初版の第2刷になっている。
ああ、増刷する時に、気づいて直せなかったのかなあ...残念。

読書感想文の課題図書は、全国の小学校や図書館で購入される。ものすごく多くの子どもたちの目に触れることになる。この本は特に面白いから、たくさんの子どもたちに読まれるだろう。その前に、この脱字を直しておいてくれたら、もっとよかったのになあ。

そんなこんなで、可愛い脱字もありますが、この本、オススメです。読んでみて!

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