誤字を愛でる⑧ 外国人の書いた日本語を添削する難しさ

Lang-8というサイトをご存知だろうか。外国語を勉強している人が利用する相互添削サイトだ。

Lang-8ってこんなところ

Lang-8では、自分が勉強している言葉で日記などを投稿して、その言語ができる人に添削してもらうことができる。
自分も、自分ができる言語で、他の人が書いた文章を添削してあげると喜ばれる。

様々な国から、様々な言語を学ぶ人たちが集まって、毎日賑やかに文章を投稿したり、添削したりしている。中国の人が考え出したシステムだそうだ。賢い。

私も、英語やポルトガル語で拙い文章を書いて添削してもらったことがある。
添削してくれる人は、日本語を勉強している外国人が多い。みんなとても親切で、丁寧に添削してくれる。記号のつけ忘れ、単語の間違い、言い回しをこうすればもっと自然になる...など、色々指摘して助けてくれる。
「すぐ上手になりますよ!」と日本語で励ましてくれる人。参考になる本を紹介してくれる人。優しい人がいっぱいいる。

日本語を勉強していて、日本語で投稿する人もたくさんいる。日本語のレベルは様々だ。簡単な文を練習している初級者もいるし、物凄く滑らかな日本語が書ける人もいる。日本語が母語の人と肩を並べるくらい上手だから、日本の会社で働いているのかと思ったら、「日本語は趣味で勉強しています」なんてこともある。趣味のレベルの高さがすごい。

私もたまに、日本語投稿者の文章を添削するのだけれど、これがなかなか難しいのだ。

添削の時に悩むこと

文章の中から、誤字、脱字を見つけるのは簡単だ。助詞の間違いなどもすぐに訂正できる。単語の間違いも多いが、これも直しやすい。
文章にどれくらい手を入れてあげればいいかは、難しいところだ。日本語のレベルも人によってバラバラだし、あまりぎゅっと堅苦しく細かくチェックしても、本人のやる気を削ぎかねない。意味が通じればいいという場合もあるだろうし、人によっては、きちんとした文章に整えてほしいと思っている場合もある。

添削をする中で、「日本語としてこれは合っているのか?」と悩むことも多い。私は日本語の専門家ではないし、特別な知識もない。この直し方でいいのかな。

自分が普段何気なく使っている日本語を、どう使えば良いのか。どんな表現を使えば日本語として正しく、この投稿者にとってもわかりやすいのか。色々考えさせられる。

何を書いているのかわからない

しかし、それ以前に「添削まで辿り着けない」ケースも多い。それは「何を書いているのかわからない」文章だ。

「何を書いているのかわからない」には、大きく分けると2通りある。

一つ目は、日本語の力が低い場合だ。まだ初心者の方なのだろう。文章の意味が伝わらず、何を言いたいのかわからない。添削してあげたくても、添削できないというパターンだ。

Lang-8では、投稿の時に、投稿者の母国語で同じ内容を併記することができる。例えば、英語が母国語の人が日本語で文章を投稿する場合、英語で同じ内容を併記しておくことができる。

併記してある場合は、その言語がわかる人が、投稿者の意図を把握した上で、添削してあげることができる。日本語の力が低くて内容が伝わらなくても、母国語で書いてある内容を見れば、何が言いたいのかがわかるのだ。
だが、日本語投稿者の母国語は、私にはわからない「英語以外の言語」であることも多く、読んでもわからない。その言語ができる人にお任せするしかない。

もう一つの「わからない」パターンは、日本語の力は非常に高いが、書いている内容が高度で専門的な場合である。
留学生(大学院生もいる)や、日本と関わりのあるビジネスに従事している方に多い。

これは、その分野に精通している方に添削をお任せするしかない。進学、就職、論文発表、ビジネスでの連絡メールなど、重要な場面に使う文章を投稿して、間違いをチェックしてもらおうとしている人も多い。知識がない私は、なかなか手を出せない。

というわけで、私が添削できるのは、こういう文章だけになる。
・日本語の力が高く、意味の通じる文章が書けている
・日常的な内容である

本当はもっと下のレベルで(私の外国語と同じレベルで)もがいている人を助けてあげられたらいいな、と思うのだけど...。

素人が集まって添削する難しさ

Lang-8に集まるのは、ほとんどが普通の人だ。学生だったり、社会人だったり。中には英語教師の経験のある方などもいるようだが、そういう専門知識のある人はかなり少数のようだ。

素人の感覚で添削し合うので、添削が必ずしも正確かどうかはわからない。(何をもって「正確」と呼ぶのかも難しいところだが...)Lang-8を利用するときは、その辺りは割り切って考える必要がある。
添削者の感覚も様々だ。私が「これくらいなら意味も通じてるし、いいんじゃない?」とスルーした文章を、細かく直している人もいる。逆の場合もある。

他の人が同じ文章を添削したのを見て「なるほど、そういう直し方もあったか!」「こっちの方がいい!」と感心することもある。「スキ」のようなボタンがあるので、いいな、と思った添削を見たら押しておく。

見ていて一番腹が立つのが、間違った添削をしている人がいることだ。そんな人が先生気取りでたくさん添削をして、日本語学習者に感謝されたりしている。
いや、そこ違うから!間違ってますから!

...

こんな感じで、誤字脱字が気になる私にとって、Lang-8は楽しい場所だ。久しぶりに添削をしてみたら、お礼の反応がたくさん来て嬉しくなった。私もまた、外国語で文を書いて投稿してみようかな。

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rmia

絵を描いています。子育てマンガ「4きょうだいデイズ」も、ゆっくりペースで連載中。読書と、子どもの本を扱う仕事が好きです。大学1年から中学2年までの、三男一女の母です。ストックイラスト始めました。

誤字を愛でる

しょっちゅう誤字を見つけてしまう私が、町や本やWebで見つけた誤字を楽しむ記事です。
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