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誤字を愛でる① 「とれま」のこと

大学生の頃、歩道に大きく白い字で「とれま」と書いてあった。

これは普通なら「とまれ」という表示である。
あの字をどうやって書いているのか知らないが、もしかしたら「と」「ま」「れ」の三文字がそれぞれ独立した型になっていて、それを使って一文字ずつ、ステンシルのように書くのだろうか。

書いた人は、間違いに気がつかなかったのだろうか。あるいは、意図的にこう書いたのだろうか。「とれま」の文字は長い間修正されることもなく、堂々と道路に書かれたままだった。

誤字は、日常に溢れている。
いつも正しいばかりではなく、ちょくちょく間違えるのが人間だ。大事(おおごと)にならないような小さな間違いは、人生の醍醐味の一つ。ちょっと笑ったり、気持ちを和ませるスパイスになる。

私は毎日、どうしても誤字を見つけてしまう。その度にイラッとしたり、「著者に知らせるべきだろうか」と悩んだりするのだけれど...。いっそ、誤字ウォッチャーとして、誤字を愛でる記事をいくつか書いてみようかと思う。

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