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【選手権山口大会準決勝】西京高校vs小野田工業【レビューぽいもの】

 みだしの試合を観てきたので、簡単に感想を書いておきたい。小野田工の関係者の関係者と一緒に観ていたのでやや小野田より目線です。


 全国高校サッカー選手権山口大会もいよいよ佳境となり、本日はおのだサッカー交流公園にて準決勝2試合が行われたが、あいにくの同時刻開催。高川学園×聖光もかなり気になったが、どちらかというと選手を知っている西京×小野田工を選択。こちらの試合のほうが天然芝グラウンドで、観覧ゾーンに傾斜があるというのも大きかった。

スタメン

 出場メンバーは上記のとおり。下馬評としてはやはり、昨年の覇者でありインターハイでも躍進した西京が圧倒的有利である。小野田工がどこまで食い下がれるかが戦前の注目ポイントだった。

 試合が始まってみると、やはり優勢なのは西京。小野田工は西京のプレッシャーに四苦八苦で落ち着いて攻撃することが出来ずに、前線に苦しいボールを入れては回収されるという展開が続く。ただ西京も序盤は攻撃がスムーズでなく、また小野田のディフェンスラインはよく整備されており、組織的なチャレンジ&カバーにより決定機までは至らせない。

 そんな中、12分に早くもスコアが動く。西京の左コーナーキックから、ややファーサイドへ蹴られたボールは誰も触れずにワンバウンドした直後、唐突に跳ね返って小野田工のゴールに吸い込まれた。どうもオウンゴールだった模様。守備が概ね上手く行っていた小野田工としては手痛い失点となった。

 先制したことで動きが軽くなった西京は攻勢を強め、小野田は一層攻撃が難しくなる。余裕の無いロングボールを送ってはロストを繰り返すなか、ベンチからは「もっとグラウンダーで行こう!」の声が飛ぶ。少しずつ西京の圧力に慣れてきたのか、段々としっかりとボールを繋ぐ場面も増えていった。それでも「もう一手加えられれば」という攻め急ぎが見られ、全体的には西京にセカンドボールを拾われまくって前半が終わる。ただ、よく組織されたディフェンスラインは決定的な綻びは見せずに、劣勢ではあるがそこまで決定機は作られていていない、という展開だった。

 後半は開始早々に小野田が攻勢。ややふわっと入ってしまった感のある西京は左サイド深くに侵入を許し、クロスをGKがこぼしたところを叩き込まれ失点。試合は振出しに戻り、勢いに乗った小野田工のペースとなる。西京は前半ほどプレスがかけられずに、やや間延びしているようにも見えた。ただしばらくして修正を施した西京が再び盛り返す。

 後半序盤の構成の時間帯、小野田工はストロングである?右サイドからの展開が多かった。西京の左ワイド⑧米田大和はトップスピードに乗ったカットインで小野田DFに脅威を与えていたが、ここの裏のスペースを使われていた節がある。攻から守への切り替えにはやや難があるのかもしれない。
 そこを修正するためか、西京は左右のワイドを入れ替え。前半途中から入っていたMF⑨前田唯翔は左サイドのスペースをきっちり埋め、また攻撃への切り替えも精力的にこなした。個人的には、ここが試合のターニングポイントだったと思う。

 再び西京がペースを握り返しふた後半19分、MF⑦西谷嵩冴のスーパーミドルシュートが炸裂。これが決勝点となり、西京が決勝へ駒を進めることとなった。

チーム、選手短評

■小野田工
 個々の力では西京に劣っていたが、よく組織されたチームだったと感じた。ディフェンスラインは最後まで決壊せずに、2失点はしたものの「完全に崩された」というシーンは1・2度ほどだったと思う。
 また、選手交代でポジションを変えながらもチーム強度が落ちなかった。⑭勇次大希はFWとして先発出場し最初はポスト役をこなしながら、最初の選手交代からボランチに移行。MF⑦井上正之もボランチで先発出場しながら最後はFWでプレーし、⑩久富篤史は左ワイド→右ワイド→ボランチと3ポジションを移動した。これだけ配置を入れ替えて戦えるのも組織力のたまものではないだろうか。知らんけど。また、個人的注目株だった(過去に一回見ただけだが)⑫品川昇太は前線の起点として奮闘したが、ちょと引っかかるパスが多かった。今日は彼の日ではなかったか。あと⑰吉信海人と⑤吉信陸人は双子だろうか?陸と海でなんかカッコいいな。
 攻撃では攻め急いで「もう一手」を省いてしまいロストする、というシーンが多かったように感じた。西京クラスの相手にも落ち着いて「もう一手」かけてプレーできるようになればさらにやれるのでは。

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男子校のハンデをものともせずに戦った小野田工の面々

■西京高校
 小野田工の守備が決壊しなかったのは、西京の攻撃がやや単調だったこともあるのでは?とも思う。相手をずらしてずらして、というアタックも見られたが、全体的には攻撃に迫力を欠いたように見えた。決勝はどうなる。
 個人としてはやはり良い選手が揃っている。CB④原田廉はDFリーダーとして君臨。対人に強く足元もあり、ユースリーグでもレノファU-18を苦しめた。右SB⑥西﨑樹は立ち振る舞いがスマートというかエレガントというか、ちょっと内田篤人ぽかった。キャプテンMF⑤石澤海人は162㎝と小柄ながらパワフルで、攻守に効きまくっていたし、相方の⑦西谷嵩冴も正確なキック繰り出し決勝手も挙げる活躍。決定的な仕事はできなかったが、FW⑩水津彰太の見事なポストプレイは決勝点となるスーパーミドルを演出した。また⑨前田唯翔は前述のとおり試合の流れを変える活躍ぶりで、個人的にはマン・オブ・ザ・マッチに認定したい。全員は書ききれないのでこのへんで。申し訳ない。

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西京は共学なのに女子生徒の姿が全然見えなかった気がするぞ。明日はたくさん来るだろうから頑張れ。


 これまでの西京は、準決勝までは能動的なサッカーで押し切り、決勝は高川学園相手に受けに回ってチャンスを狙う、という形が続いてきた。はたして今年はどういう展開になるのか。山口大会決勝は明日10日(日)12:05キックオフ!!

※僕は14:00から町田×山口があるのでTV観戦が濃厚ですすみません。

※高川については今年1回も見れてないので何もコメントできませんごめんなさい!こちらを参照しよう↓



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