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レノファ山口 歴代外国籍選手列伝[後編]2017~2019

 みなさんこんばんは、ウィリバルト・ヨアヒム・フォン・メルカッツです。

 後編に続くとか言って放置していたらまさかのtkqさんが企画をパクってくるという。笑

 慌てて後編を書いたわけですが、あまりのボリュームの差に圧倒され前編も多少加筆修正しました。。。

 ということで千葉とは歴史も人数も大違いですが、レノファ山口版の後編をどぞ!みんなもやってみよう!!


■2017シーズン(J2)

◇パク・チャニョン(CB/2017)
 開幕前の宮崎キャンプで観た際はHonda FC相手になかなか良いプレーを見せており個人的な評価はわりと高かったが、いまひとつ活躍しきれずに退団となってしまった。
 10節に負傷交代によりリーグデビューを果たし、その後出場機会を増やしながらやらかしつつもまずまずのプレーを見せていた。「これはだんだん良くなってくるのでは?」と期待していたが、逆にだんだんとパフォーマンスが低下してくるという誤算。対人は相手ファードとの距離がだんだんと遠くなり、足元もわりと良さげだったのがどんどん怪しくなっていっていた。なぜだ。
 33節以降はルシアッティと入れ替わりでほとんど出番がなく、13節京都戦で闘莉王に競り勝ってゴールしたシーンと、ファン感での金髪カツラが唯一最大の見せ場となってしまった。
 シーズン終了後には契約満了となり、讃岐に拾われるがこれも2018シーズン限りで退団。いまどこで何をしているのか分からないが、まだ若いのでまだのびしろはあると思う。頑張れ。


◇アベル・ルシアッティ(CB/2017)
 
愛称はルシ、アリエッティ、あべちゃん、ルシアーノ4号、ルシファーズハンマー'17などと私が勝手に呼んでいたが、『あべちゃん』は意外と広まっていた気もする。チーム内では「アベル」もしくは「ルシ」と呼ばれているのだろうと思っていたが、練習見学に行ったら日本人からもアルゼンチン人からも「アベ!アベ!」と呼ばれていてちょっとびっくり。
 日本サッカーへの適応に苦しんだのか、J2デビュー当初は裏を取られまくりファールしまくりにオウンゴールまで決めてしまい散々な出来だった。しかしけんたろさん(佐藤健太郎)の「カバーしてやるからとにかく思い切って行け」というアドバイスに吹っ切れたらしく、途中からは(具体的にはホーム水戸戦の後半くらいから)突如好プレーを連発して戦力に。
 上背はない(公称180cmだがたぶんもっと低い)が空中戦に強く、スピードは無いが届く範囲の対人には強い典型的なアルゼンチン型ストッパー。足元は微妙で、オーバーラップしてもあんまり役に立たないところが可愛らしかった。アルゼンチン組は全員2017シーズン限りでお役御免となったが、個人的にはちょっと残してほしかった選手であった。


◇レオナルド・ラモス(FT/2017)
 アルゼンチン組第2の男。ルシアーノ3号。レノファ降格の危機を救うべく地球の裏側へやって来たセンターフォワード。デビュー戦でいきなりゴールを挙げて期待されたが、守備が出来ない、意外と収まらない、スタミナがない、肘打ちレッドなど収支的にはマイナスというか非常に使い方が難しい選手だったが、なんやかんやで彼の7ゴールがなければ残留は危なかっただろう。決定力に全振りしたような能力でゴール前での落着きは特筆すべきものがあった。サンキューラモ氏。
 しかしまあ熱い男で、チャントの歌詞を聞いてやる気マックスになったり、日本語の応援ツイートにも「いいね!」を付けたり、わいの勝手に書いた取説ツイートにも「いいね!」を付けたり、漫画倉庫でファミコンを見つけて興奮したり瓦そばを食べたりとファンサービス旺盛なナイスガイだった。
 ただ残すべきだったかというとやはり…。彼のゴールために犠牲になる人間がどれだけ必要か、というとやはり収支的にマイナスだったと思うのだ。しかしながらアルゼンチンリーグが終了してそのまま来日という強行軍だったたので、きちんとキャンプを経て準備が出来ればあるいは…とも思ったり。トゥイッターで不満もいろいろつぶやいたけど、メディコで買い物してる姿なんかを見ると、やっぱり頑張って欲しいと思ってしまう。

また会おう、レオ。


◇マルセロ・ビダル(DM/2017)
 上野監督の(事実上の)解任により新監督に就任したカルロス・アルベルト・マジョールが呼びよせた最初の助っ人。ルシアーノ2号。
 マ将がユース時代から注目していた選手とのことで、YouTubeで見る限りはたいへんすごい選手に感じられた。しかして来日したビダルを観たマジョールは開口一番、「君写真と違わない?」と言ったとか言わなかったとか。
 確かにYouTubeでも、少し前のインディペンディエンテ時代の動画はハッスルプレーの連発だったのだが、直前の2016年版動画ではえらくもっさりしていた。来日したのはもっさりしたほうのビダルだったのだ…。
 それでも、練習では時折光るプレーを見せていたので「これはコンディションが上がってくれば活躍するはずや…!」と思っていたがその時はついに訪れずに、僅か2試合(先発は1試合のみ)の出場でシーズンが終了してしまった。

かくして彼は「平成の巌窟王」となったのである。アディオスビダル。


■2018シーズン(J2)

◇ジェルソン・ビエイラ(CB/2018)
 
人呼んで「長州のスコフィールド」。U-15、U-17、U-18と各年代別のブラジル代表に選ばれてきた輝かしい経歴、25歳の若さ、なのにインドリーグからの加入という謎のブラジル人。
 加入当初はコンディションがまだまだ(こんなんばっかりなのは何でだ)といった感じで、スタメン出場は22節まで待つことに。この試合でまずまずのパフォーマンスを見せ活躍が期待されたが、突如としてインドリーグへの脱獄が発表されグッバイ。
 出場機会は僅か4試合だったが戦力としては期待されている感じで、ようやくこれからといったタイミングでの謎のプリズンブレイク。出場機会の少なさを嘆いた代理人なりの動きがあったのでは…?と推測されるが、真実は不明である。



◇ヘナン(CB/2018~)
 開幕戦の翌日に加入が発表された左利きのザゲイロ。どうもタイキャンプから帯同していたらしく、なにげにクラブ史上初のブラジリアンである。
 豊富なヒゲとまずまずの強さ・高さ・足元を兼備し、スピードはやや不安だがそんなに遅くもない。キック精度を活かすためか左サイドバックで起用されたこともあったが、あまりにスリリングだったため1回きりで封印された。
 スーパーな外国籍助っ人というランクではないが、真面目で負傷交代時に涙する熱い漢。年齢的にもまだまだこれからという判断か無事契約更新される。レノファの外国籍選手が複数シーズン所属するのは実に2012-2013のキム・ドフン(地域時代、前篇を参照)以来で、外国籍Jリーガーとしては初である。まあ国籍に関わらずバッサリ切るクラブなので…。
 今季はずっと出番がなく忘れ去られていたが、13節大宮戦でドストンの負傷によりようやく出場機会を得た。しかしてハッスルしすぎたのか、その試合で大怪我を負ってしまい長期離脱中。頑張れ。


◇ジュリーニョ(OM・SM/2018)
 夏の移籍期間に札幌からローン移籍でやって来たが、2016年に2試合で2ゴールを決められて「いやあ札束で殴られたなあ…」なんて言ってた選手が来るとは隔世の感である。なかなかフィットした感は無かったが、テクニックにTシャツのセンスと個人能力の高さは見せつけてくれお釣りは貰ったと言えるか。
 最後の出場となった横浜FC戦では、途中出場でフリーキックを楠本へバッチリ合わせて追加点、その後すぐに負傷して14分で交代という「残弾1のMAP兵器」みたいな活躍だった。治療のためブラジルへ帰国していたが、そのまま期限付き移籍の終了と札幌の契約満了がリリースされて物悲しい。またどこかで会おう。


◇ワシントン(DM・CB/2018)
 夏の移籍期間に加入。名古屋退団後もそのまま日本でトレーニングしていたらしい。
 加入当初は放牧明け状態で、一緒に観ていた人から「ちょっと太くないです?」と聞かれて「いやーもともとがっしり体型ではあったけど…」などと答えていたら最終節で「7キロ痩せた」情報が。とにかくよく食べるそうで、食事制限のためユース寮に幽閉されてユースっ子とめっちょ仲良くなってたとかなんとか。
 突撃しまくり、裏取られまくりのCB起用は物議をかもしたが、ベンチメンバーの構成を見るに怪我人続出という事情があったのだろう。名古屋はああ見えて守備はリトリートが基本だったので機能していたが、突撃守備のレノファでCBというのはちょっと合わなかったか。
 34節大分戦で負傷交代?したのち一時フェードアウトするが、39節にボランチとして復帰。7キロの減量果たした「最高のワシントン」は素晴らしいパフォーマンスを発揮し、ラスト4試合はまさしくワシ無双だった。最初からベスト体重で来てくれていたらプレーオフに滑り込めたのでは…などという気がしなくもなくもない。12月には契約満了が発表されたが、年齢とお給料がネックだったのだろうか。

 さらばワシ、またどこかで会おう。というか今ちょっと大変なんで帰ってきてくれないか?


◇ミン・キョンジュン(CB/2018)
 個人的には評価の高い選手だったのだが、地域リーグ(東海1部)のFC刈谷へ期限付き移籍して例のごとく片道コースに。岐阜戦とハシゴで刈谷の試合を観に行ったら怪我で欠場していて物悲しい…。
 本人にも問題はあったのだろうが、一昨年の経過が経過だけになんというかその、その、いややめておこう。とにかく、そろそろ選手をぞんざいに扱うクラブから脱却して欲しい。


■2019シーズン(J2)

◇ドストン(CB/2019~)
 フルネームは「Достонбек Турсунов」で今季から加入したウズベキスタン代表CB。アジアカップではまったく出番がなかったため実在しない疑惑が持ち上がったが、タイキャンプにて無事確認された。名将エクトル・クーペルに見初められて代表抜擢されただけのことはあり、ウズベクリーグでは断トツの最下位クラブ所属だった選手ながら能力は高い。高さ強さ、特に前へ出ての潰しについてはかなりのもので、足元に自信があって縦パスを入れることも自ら持ち上がることもでき、両足でサイドチェンジも蹴れる。問題はちょっと食いつきすぎるところと、とにかく言語が特殊な故の意思疎通である。偉大な先人であるユン兄貴の例に習って、なんとかスラムダンクで日本語を習得して欲しい。


◇マルシーリオ(SB/2019)
 開幕直前に緊急補強?された左サイドバック。
 序盤に少しベンチ入りした以降は音沙汰なしだったが、トレーニングマッチでは得点を挙げていたり、練習を観ていても「コンディションはあれだが夏以降くらいにはけっこう戦力になったりするのでは?」とか思っていたが、唐突にグッバイとなった。まあ川井を補強したということは見切られ気味ではあったのかもしれないが、ジェルソンビエイラ方式(憶測)で「出番ないならほかのところにやるで~」という代理人の動きがあった可能性もある。知らんけど。

なんかシュールな構図


 以上です!
 歴史の浅いレノファですら、振り返ってみるとこれくらいの人数がいてびっくり。せっかくtkqさんという大物が乗っかってくれたので、みなさんもぜいひ推しクラブでやってみてください。疲れるけど楽しいぞ。

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