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いつかが来る前に終わることもある

中学生のころスネイプ先生(アラン・リックマン)にガチ恋していた。

いやもう本当に好きで好きで、毎日スネイプ先生の動画をYouTubeで見漁っていた。

ハリーポッターは映画も原作も繰り返し見た(読んだ)し、夢小説にハマって読むだけに留まらず自分で書いていた黒歴史すらある。
(ランキングとかキリ番とか懐かしいね)

そんな私はなんとかアラン・リックマンに接触できないか考えた結果、ファンレターという答えに行き着いた。

どうやら彼はファンレターに律儀に返事をする人らしい。ファンレターを送って数年後に返事が来たという話をネットで見たのだ。

当時中学1年生だった私は英語もわからないし、国際郵便の出し方もわからない。

というか数年後もまだアラン・リックマンを好きな可能性ある?私飽きっぽいのに?
そう考えた結果、めんどくさくてファンレターを出すのをやめてしまった。

いつか英語がもっと得意になって、まだ好きだったら出そう。そう思って。


そして中学校卒業間際に彼が亡くなった。

悲しくて悲しくて、レンタルショップにある彼の出演作品をすべて借りて、1週間かけて全部見た。
(ちょうどその頃、遅めにかかった水疱瘡が重症化して2週間くらい学校を休んでいた気がする。)

映画を見ながら、気分は喪にふくしていた。

そして、ふとファンレターのことを思い出したのだ。
いつか、そう思っていたけど、そのいつかは来なかった。

あのときファンレターを送っていれば、もしかしたら返事をもらえていたかもしれない。
もう3年近く経っているのだから。

そう思うと後悔が止まらなかった。

もう私のファンレターは、一生彼に届くことはないのだ。もちろん返事も来ない。

やらずに後悔よりやって後悔とはいうが、まさにその通りだ。

あのときファンレターを出さなかったことを未だに思い出すくらい、後悔している。
(亡くなってもう8年も経つのに!)

彼から返事が来ていれば、一生の宝物だっただろう。

私はなにかに熱中できるタイプの人間ではないから、推し活やガチ恋なんてするのは、きっと後にも先にもアラン・リックマンだけ。

オタクたちが「推しは推せる時に押せ」と言っているのを聞くが、その通りだよ。

今推しがいる人たちは、心ゆくまで、推せるうちに推しときなね。

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