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やまぜめ

11月+休日=山
ということで、先日高尾山を攻めてきた。

2年ほど前にご近所で出会ったお嬢ちゃんのお誕誕に祝電祝辞をお送りした際、山攻めをしようという運びとなり今回催された。

12:30に集合をし、馴染みの京王線で高尾山口駅に向かった。

前日に雨が降っていた為、お天気が心配だったが完璧な秋晴れで山攻めにもってこいの天候だった。


13:42にいざ山攻めを開始した。

僕は1度高尾山を登ったことがあった為、お嬢ちゃんに先輩面をして
”まあこの気温と天候なら到着予想は14:51かな?”と高尾山のことなら知ってますよを醸し出した。

するとお嬢ちゃんは先月に高尾山を登ったらしく
”大体1時間ぐらいで山頂まで行けるから、それぐらいかもね”と僕よりこの山を知っていた。

マウントでマウントを取られた。

いざ山攻めを始めると、いきなり思っている以上の傾斜がありこんなにしんどかったっけ?となった。

2年ほど前に当時の相方と夜中に山攻めをしたことがあった。

当時は今よりも若く、まだ坂道というものを知らなかった為ドンドン進んでいけたが、今は年齢も重ね、多少の教養も身につけてしまったので、坂道がキツイものという常識も持ち合わせていた。

僕が訪れていなかった2年間で高尾山はしっかり山となっていた。

僕たちが登っている最中に下山して来る多くの人とすれ違った。
小学生の集団ともすれ違った。
まだ掛け算もままならないであろう子供達が何十人も笑顔で下山していた。
引率している先生が1番しんどそうにしていた。

この歳で高尾山を笑顔で下山できるとは末恐ろしい。
この子達は中学生になったら富士山だって完登するだろう。

この子達が大きくなるまでに、富士山より高い山を日本に作れるかが、今後日本社会が発展するかどうかの鍵となると思った。

そんな子供達とすれ違いつつ、ひたすら登っていくと、途中で男坂・女坂という別れ道が出てきた。

男坂はいきなり何十段もの階段があり、ちゃんとしんどそうな道だった。
女坂は緩い登り道で男坂に比べれば、比較的難易度の低いそうな道だった。

僕に漢気というものがあれば迷わず男坂を選んでいただろうが、ポケットを確認してもあいにく漢気は持ち合わせいなかった。

ここはお嬢ちゃんのことを気遣ってる風を装い、女坂一択で道を進んだ。

山攻めをスタートしてからずっと下山する人とすれ違っていた。
高尾山ってこんなに人気なん!?ってぐらいに人がいた。

そういえば以前ライブで一緒になった先輩から生年月日と血液型を入力するだけで、その人のパワースポットを検索できるサイトがあると教えてもらった。

そのサイトで僕は風属性と書かれており、パワースポットにこの高尾山が入っていたことを思い出した。この属性というものは6種類しかなく、おおよそ6人に1人のパワースポットが高尾山になっている。

そりゃあこんなに人がいるわけだ。
なんなら、少ないぐらいだ。

そんなことを考えつつ、2人でお喋りをしていると、ぬるっと山頂に着いた。

到着は14:51と予想していたが、到着時間を見ると14:51だった。

めっちゃドンピシャだった!!

変なところで変な運を使った。
これがパワースポットの力なのか。

山頂に着いたがすごい達成感があったわけでもない。
気付いたらついていたって感じだった。


せっかく山頂に着いたのだから、と座れる場所を探し雑談をした。
山頂の景色を楽しみたかったが、普通に風が強く寒いでしかない。
与・野党満場一致で帰ろうとなった。
山頂には30分ほどお世話になり下山を始めた。

山頂までの登りが69分だったため、下りはそれよりも早いだろうと予想した。
15:26に下山を開始したので、麓に着く予定は16:20と予想。

下山中もお互いの近況報告やSTAP細胞があるかどうかの話で盛り上がった。
あと、このnoteを立ち読みしてくれていると嬉しいことも言ってくれた。


途中でトイレに行こうとなり、ケーブルカー乗り場のある中腹でお花摘みにおしっこ休憩をした。
ケーブルカーを待っている人で長蛇の列ができていた。
案の定、男子トイレは空いていたが、女子トイレは多少の列ができていた。

お嬢ちゃんを待っている間、ケーブルカー乗り場の案内アナウンスを聞いていると、現在1時間15分待ちだと言う。
ケーブルカーに乗るには490円の切符と整理券が必要だと言っていた。

ここは高尾山の中腹なのであるから、あと20分〜30分下れば下山できる。
それなのに、490円を払って1時間15分待つ価値があるのかかなり気になった。

運賃一覧表を見ると、ケーブルカーの通勤定期があった。6ヶ月で45,820円だった。
ちゃんとした金額だった。

山頂でお仕事をされている方は、この通勤定期を買って山頂にお仕事をしにいっている。多くの人がイベント会場と思っている山頂もその方達からしたら職場でしかない。
山頂でお仕事をされている人の中には、風属性でこの高尾山がパワースポットになっている方もいるだろう。たまたま職場がパワースポットになっているのか、パワースポットだからそこを職場と選んだのか、興味が尽きなかった。

そんなことを考えていると、無事お嬢ちゃんが戻ってきたので、そこから残りの下山を開始した。

そこから麓までは、SNSで見たことのある宙に浮いてる様に見えるステップを練習しながら下山した。
習得はできなかったが、コツは掴めた気がする。

無事、麓に到着した。

時刻は16:35だった。
登りより時間がかかっていた。

麓ではパワースポットの力はもう働いていなかった。
絶対ステップのせいだ。あんな練習を飽きずに麓までしたからだ。

だが、久しぶりに自然と触れ合えた。途中で野生のシカも見れた。

高尾山口駅から都心へと戻った。
久しぶりの運動で体も疲れていたのだろう。
電車の中でウトウトしてしまった。

気が付いたら、真っ暗だった景色が、街の明るい景色になっていた。

いつもの生活に戻ってきた気がした。
普段気にかけずに乗っている電車が、急に現実を感じさせた。

東京の街に戻り、京王線の笹塚駅付近でご飯を食べることにした。
健康に前向きな時にしか行くことのない大戸屋で胃袋を満たした。
チキン南蛮定食を美味しくいただき、気付くと19時ごろとなっていた。

さてさて、この後どうしようかと考えた。
いい大人が昼間に山登りをして終わりは青少年すぎる。

ここは2人で飲みにでも行って、、と思っていたら
”ほな、あざした!”とお嬢ちゃんが帰って行った。

健全な山登りだった。

くそぉぉぉお!!
笹塚駅はパワースポットじゃなかった!!
笹塚は神秘の力が働かず実力社会だった。

笹塚駅から1人最寄り駅まで帰った。
いつもの生活に戻っていた。

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