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”サルスベリ”に日本語の豊潤さを思う

あまりの暑さでは植物も参ってしまう。
そう思いきや、街中で目にした紅がこちら。

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そう、さるすべりである。
さるすべり。なんともユカイで奇矯な言葉ではないだろうか。

このユカイな名前は、その幹の特徴から来ている。
木登りの上手なサルでさえ手足をすべらせてしまうくらい、幹がつるつるなのだ。もちろん実際に滑るかどうかは、別の話だ。
この写真ではわかりにくいかもしれないが、確かに普通の樹木のようなざらざらした木肌はない。加工された木の棒のようだ。

そしてこのさるすべり、漢字で書くと百日紅となる。
まさにこの真夏でさえその花を咲かせ続ける、鮮やかな紅をつけ続けるという、もう一つの特徴を表している。

どうだろうか。
カナと漢字とで、この植物の二つの特徴を言い表せているのである。
日本語の幅の広さに脱帽である。表音文字バンザイだ。

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