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空撮:地学:亀岡断層(京都府亀岡市)

亀岡盆地東縁の山麓をたどっていくと直線が浮かび上がってくるが、これが亀岡断層である。亀岡断層の活動によって、亀岡盆地と京都盆地を隔てている山地が隆起したと考えられている。大堰川(保津川、桂川)はその山地を貫通して流れている先行河川である。

亀岡盆地東縁のリニアメント(直線的な地形)は地上からでもはっきりと観察できる。

亀岡断層は1本だけでなく、亀岡盆地東縁に見られる断層から分岐して、盆地の中にも低位の断層が走っている。布の皺が1本だけでなく何本も寄るように、地殻の運動による力が何本もの断層となって現われる。
この低位の断層崖は比高20m程ある。
また、亀岡断層によって隆起した山地の麓には扇状地の形成が見られる。

大堰川(保津川、桂川)の支流の七谷川。亀岡断層の活動によって山地が隆起するため勾配の遷移点ができ、山地から流れ出る川は麓に扇状地を作る。扇状地では堆積した礫層に水が浸透してしまうため、七谷川は水が枯れて水無川になっている。
さらに、人が堤防を築いて流路を固定し始めると川は天井川となる。

天井川となると人家より高い位置を水が流れ、水害が起こりやすくなるため、防災のため河床の切り下げ(掘り下げ)を行なって天井川を解消するための工事が行なわれていた。

地上から観察した低位の断層

国土地理院の陰影起伏図。断層のリニアメントがはっきりと現われている場所もあるが、河川が作った扇状地によって隠れてしまっている場所もある。

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